CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

診療報酬改定と療法士各団体の対応

2006-01-31 04:18:56 | リハビリ
今回の診療報酬改定が、療法士の専門性や将来にどれだけ大きな打撃であるかを鑑みれば、各療法士団体は最大の危機感をもって国に主張しなければならないと思います。(いくつかの抗議文は読みましたが。)

リハビリ医療関連5団体の足並みは揃っており、リハビリ医学会もリハビリ病院・施設協会も声を大にして訴えております。

療法士の団体は歴史と実績があるのですから、世界的に常識である各療法の専門性を否定する動きへの抗議をもっと表明すべきです。また、医療としての効果の大きさや、人が人に対してかかわる治療の尊さの啓蒙を、国や国民に対してもっと行うべきだと思います。莫大な研究開発費がかかる遺伝子や薬物療法ばかりが医療ではありません。理学療法も作業療法も言語療法も、純然たる医療であり、民間療法でも、気休めでも、職人芸でもないのです。

臨床力のある療法士も医師も知っていることですが、「リハビリをやめたら死ぬ」と予想される患者さんは沢山おられます。リハビリ医療は、障害や介護だけにかかわる問題ではなく、命にかかわる医療です。高度の廃用症候群は、即命を奪います。ぎりぎりのところで療法士の皆さんの治療で助かっているのです。重大な結果をもたらす廃用症候群に対して、「生活不活発病」などという呑気なネーミングをすることで蓋をしてしまって良いのでしょうか?

また、月に1回でも「リハビリの専門職の目で見ているから寝たきりにならないですんでいる人」も沢山外来に通院しておられます。長期のリハビリが全て無駄という結論は誤りであり、無駄なリハビリを長期間実施している一部の医療機関に問題があるのです。これは、スピード違反をする人が結構いるからという理由で、世の中から自動車をなくしてしまうような措置と言って良いでしょう。

こういう状況を「仕方ない」「給料下がるかな」「転職しようか」とぼやいていては駄目です。患者さんの声を吸い上げ、きちんと分析してデータとして集積すべきです。EvidenceとともにNarrativeも重要です。毎日、専門職から見た弊害や患者さんの状況と生の声を記述して下さい。

真実は永田町ではなく、療法士の皆さんの目の前にあります。

寛容とは

2006-01-29 23:52:37 | 日記
最近聴いたお話から・・・
『寛容とは、自分の立場を相手の立場に置き換えて考えられること。
 不寛容とは、相手に自分の立場で考えるように強いること。』
相手の態度を理解でき、自分も反省するきっかけになる言葉ですね。自戒!

ある病院の理念に『患者の立場に立って・・・』と書いてあるのを見たコムル代表の辻本好子さんが、『医療者が患者の立場になりきれるはずがない。それより、立場の違いを認めて向き合うことから始めましょう。』と言っていたのを思い出しました。


COMLささえあい医療人権センター

2006-01-29 04:46:44 | リハビリ
患者白書―よりよい患者・医療者関係をめざして

日本評論社

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質の高い医療をめざしている医療関係者で、コムル(COML)を知らない人はいないと思います。COMLについての私の考えは、当プロジェクトのホームページに紹介してある通りです。日頃、ここに紹介してあるバッジをつけて診療していますが、お一人の患者さんになかなか長時間かけることができないのが残念です。米国のよううに、1人30分ずつ完全予約制だと患者さんは満足されると思いますが、そうすると拝見できる患者さんの数は激減します。また、初診を予約すると2か月後・・・のような事態になるでしょう。本当に難しいですね。
忙しくなっていますが、COMLの原点とも言える電話相談のボランティア(COML110番)は、是非、またやりたいと思います。年に1回くらいはCOMLの会員らしい活動しないといけませんね。(昨年は講演会のため失礼しました。ごめんなさい。)

シェーンベルク グレの歌

2006-01-29 04:14:16 | 音楽
シェーンベルク:グレの歌
ブーレーズ(ピエール), ブレーズ(ピエール), シューンベルク, トーマス(ジェス), ネイピアー(マリタ), ミントン(イヴォンヌ), ニムスゲルン(ジークムント), ボウエン(ケネス), ライヒ(ギュンター), BBC交響楽団
ソニーミュージックエンタテインメント

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シェーンベルクというと12音技法(無調)で有名で、わけのわからない現代音楽というイメージをもっている人もいますが、「ペレアスとメリザンド」や「浄夜」など全くのロマン主義の音楽も作っています。この大作「グレの歌」も全くのロマン主義的作品で、高校生の頃は何度も聴いていました。それがこのブーレーズ/BBC交響楽団の演奏です。その後、小澤征爾などの演奏もありますが、ブーレーズがベストだと思います。

CRASEEDニュース創刊!

2006-01-26 06:44:24 | リハビリ
会員の皆様お待たせしました。
ようやくCRASEEDニュースが創刊しました!
間もなく発送致します。年4回の発行の予定です。広報担当の国立国際医療センターの藤谷さん、亀田メディカルセンターの宮越さん、ご苦労様でした。
定期購読されたい方は、CRASEEDの設立主旨をご理解頂き、是非とも会員になって下さい。
CRASEEDはリハビリ医療を推進しようというリハビリマインドをもった一人一人の熱意に支えられた組織です。
よろしくお願い致します。

FIM講演会(於 淀川キリスト教病院)

2006-01-24 08:59:51 | リハビリ
23日月曜日夕方から、淀川キリスト教病院のチャペルで、ADL評価法FIM講演会を実施しました。ここで講演するのは、もう3回目になります。
急性期病院においても、ADLをしっかりと評価する必要があることは当然です。患者さんの生活を見つめながら、最先端の治療を行う全人的アプローチが重要になります。これは淀川キリスト教病院の理念にも通じますね。
もともと、看護師さんや療法士さん向けに企画されたようですが、病院長や事務長、医師など多くの方々が参加して下さり、チャペルが満員になりました。大変熱気のある講演会が実施できて、満足しています。
日本の医療も捨てたものではありませんね。
(大変御要望が多い西日本、関西でのFIM講習会は、現在準備中です。もうしばらくお待ち下さい。今回のような個別の総論的講演会は随時実施しております。)
ちなみにADL=Activities of Daily Living日常生活動作(活動)、FIM=Functional Independence Measure(機能的自立度評価法)です。

Think different

2006-01-23 23:29:51 | Macintosh/Steve Jobs
Steve Jobs が暫定CEOとしてApple社に復帰した頃のcopy。
好きです。この言葉。

さすがですね。
Appleを作り、ペプシコーラ社長だったJohn Sculleyを「君は一生を砂糖水を売って過ごすのかい?それとも世界を変えてみないか」という殺し文句で引き抜き、皮肉にもそのスカリーから追放されたSteve Jobs。
このcopyで復帰後、iMac、iPodと時代をリードして行きます。

同じような言葉を、ボストンでBhagwan Shahani(筋電図の研究者)に聞きました。インドから米国に渡り、成功するには、人の後を追っていては駄目だと思った、と言っていました。ちなみに、ShahaniはNIH のMark Hallettの師です。

人と同じことをするな。オリジナルであれ。
それをやるには、人を惹き付ける知力と魅力も必要ですね。

良いリハビリ病院・悪いリハビリ病院

2006-01-22 18:59:54 | リハビリ
この判断が最も難しいです。

良い病院と言われる病院にも、心ない職員がいますし、内情を聞くととんでもない治療をやっているところもあります。悪い病院との評価の病院にも、立派な職員がいたり、優秀な医師が混在することもあります。

何をもって病院を評価するか難しい中で、やはり病院選びのキーは医師の質でしょう。

医師の質はプロに聞けばある程度わかりますが、患者さんの目で測る方法は、医師の説明、治療方針などが納得できるものか、ということです。もちろん、出身大学などは全く参考になりません。
やはり、リハビリ科医がわかりやすく信頼できる話をしてくれる病院を選ぶべきだと思います。「リハビリのことは、療法士さんに聞いて下さい、私は管理をするだけです」という医者に、リハビリ「医療」を任せられますか?

ヘネシー・ナジェーナ(Hennesey NA-GEANNA)

2006-01-18 04:04:24 | ライフ
ヘネシーといえばコニャックですが、何とウィスキーも作っているんですね。
某氏からこのお酒を教えてもらい、数カ月前にネットで購入しました。ブランデーのように香りが高い、本当に驚きのアイリッシュ・ウィスキーでした。
で、また注文しようと思ったら、ない!どこにもない!です。少なくともネットでは見つかりませんでしたので、あとは足で探すしかありません。
謎めいた幻のウィスキーです。

命の大切さ

2006-01-18 03:10:32 | リハビリ
この「生」という白い文字は、白いだけだと何も見えませんが、黒い輪郭(=死)を意識することによって、鮮明に浮かび上がってきます。死を正面から考えることによって、生の意味や命のかけがえなさが明確になる、という意味です。「兵庫・生と死を考える会」のテキストから取ったもので、前回記事の講義でも使用しました。
死を軽視したり、逆にタブー視してしまうと、かえって生の輪郭がぼけて、生きる意味さえわからなくなってしまうのではないかと思います。

対象喪失 ~悲しむということ

2006-01-18 02:54:23 | リハビリ
対象喪失―悲しむということ

中央公論新社

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以前、『生と死を考える』という小講義を実施していましたが、そのときの医学生の感想で多かったのが「楽しかった」という声でした。『死』を忌み嫌うのではなく、日常の話題として皆で考えること、教官の経験談を聞くこと、淀川キリスト教病院の見学でホスピスの落ち着いた空気を吸うこと・・・そんな中で『生』の素晴らしさもくっきりと輪郭が表れてきたのかもしれません。

教授職というのは、思っていた以上に管理業務等が多忙で、あのようなユニークな企画を実現しにくいのが残念です。今でも、あの頃に講義を選択した学生から「もうやらないんですか」「またやって下さい」と言われます。

何人かで協力することができれば、再度、医学生に命の大切さを教えたいと思います。

この「対象喪失 ~悲しむということ」は、講義の中でも紹介したお勧めの一冊です。小此木先生は先日亡くなられましたが、精神医学の中でも精神分析は「マイナー」な領域だそうで、学内でも御苦労があったのかもしれません。この著書の中では、フロイトや精神分析の観点から、「悲哀の仕事」の重要性を論じています。

今思えば、学生のとき、ちゃんと講義に出席しておけば良かった、と反省しています。

ベスト・オブ・カンタービレ

2006-01-16 12:49:44 | 音楽
ベスト・オブ・カンタービレ
オムニバス(クラシック), アシュケナージ(ウラディーミル), フレージャー(マルコム), モーツァルト, パールマン(イツァーク), ベートーヴェン, モンテヴェルディ合唱団, イングリッシュ・バロック・ソロイスツ, ガーディナー(ジョン・エリオット), バッハ
ユニバーサルクラシック

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このCDのタイトル『カンタービレ』が何を示すのか、明らかですね。
文脈ないオムニバスのようですが、以前、ご紹介した"出版物"の文脈通りに並んでいるようです。著作権問題などで販売中止にならないうちに、注文!

シャトームートンロートシルト

2006-01-15 05:01:10 | ライフ
あこがれのワイン・・・シャトームートンロートシルト。
某所で1度だけ飲んだことがあります。ワインを評するほどの通ではないのですが、そうですねぇ、ルネサンス絵画のような奥が深く格調高い味がしました。
同じ時に飲んだ結構上等のサンテミリオンが、安っぽい水彩画に感じるほど、ショッキングな味でした。
いつも飲んでいるワインが20本くらい買えるお値段ですが、そのくらいの価値がある逸品です。(写真はネットで拝借したもので、家の酒蔵にこんなにスゴいワインが並んでいる訳ではありません。)

マンスリーDランチ

2006-01-12 20:37:55 | ライフ
日頃、医者の昼食は、決して健康的なものでも美味しいものでもありません。

お弁当を持ってきても夕方に食べるくらい時間がなかったり、カップラーメンなどのインスタントだったり・・・。白衣を来ているので、ビジネスマンのように外出してランチを食べることもあまりありません。

しかし、食は大切。

ということで、月に1回だけ、ささやかながらランチの企画をしております。名付けてマンスリーDランチ。(DランチのDはもちろん・・・)

左は昨年12月の「うなぎ処きし」のうなぎ蒲焼きと八幡巻き、右は1月のシーフードパエリア。ホットプレートで30分で出来立てを食べられるので、やはり美味しかったです。(外来が終わらず、2時過ぎに食べたFさん、次回は出来立てをお楽しみに。)