CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

相澤病院創業100周年記念第5回公開講座

2008-10-21 00:56:23 | リハビリ
松本市で講演しました。(2008年10月18日)

  『脳卒中とそのリハビリテーション』
 講演1.脳卒中、家族の立場、政治の課題
   衆議院議員      中山太郎
 講演2.CI療法、慢性期の回復可能性
   兵庫医大リハビリ医学 道免和久
 講演3.脳出血から5年の軌跡、新たな目標へ
              栗林正好
 総 括:リハビリテーション
     ・・・・・新しいステージへ・・・・・
  相澤病院総合リハビリセンター長 原寛美

大変充実した会でした。私は、常々主張している通り、CI療法を通して、脳卒中のリハビリ医療全体を再考しましょう、という主旨で発表。ADLは重要なファクターではあるが、唯一絶対ではなく、私達が測定できていない指標で、慢性期にも常に改善している可能性があること、それを測定できていないことが、CI療法のように一見自立に役立たない治療が普及しない理由になっていること、QOLまできちんと検討すれば新たな先端リハビリの可能性は無限にあること・・・などについて短い時間に目一杯お話しました。

中山太郎議員は、元外務大臣でお馴染みの方ですが、脳卒中になられた奥様の夫として、非常に重い所感を述べられていました。発症時の不安、搬送時の苦痛、救急体制の不備・・・など感じながら、専門病院での診断と治療。一命は取りとめたもののリハビリの知識もなく転院。一応のリハビリを終え、発症後半年ほどで退院されたそうですが、もっとリハビリを受けたい、ということで、評判が高い相澤病院のリハビリセンターに入院されたそうです。慢性期であったにもかかわらず、リハビリ専門医の主治医・原先生の指導のもと、装具療法などによって再び歩くことができたそうです。

これがきっかけになって、中山太郎議員は、「脳卒中を考える議員の会」を設立。脳卒中にかかわる問題点の再検討を行っています。例えば、療養病床削減なるものは、財務省の役人の数字合わせで出てきた政策にすぎず、案のまま削減されたら無数の介護難民が発生する、それを阻止するために「脳卒中を考える議員の会」の会長として福田元首相を訪れ、療養病床削減の数値目標の下方修正を了承させた、と経緯をお話されました。

栗林さんは、脳出血当事者の息子さんですが、沢山の画像を通して、お母様が慢性期になっても、どんどん良くなって行く姿をプレゼンテーションして下さいました。急性期、回復期、維持期、という考えが間違いであること、急性期からずっと回復期であり、慢性期になっても「維持」ではなく「回復」を目標としていること、それを原先生との二人三脚で実現していることをお話されました。

総括として、原寛美先生が、維持期にかわる新たなコンセプトを提案されました。急性期を日本一充実させた病院のリハビリ科医が、慢性期の復職支援に至るまで、長期的な関わりが必要であることを熱く語って下さいました。CI療法につながる学習性不使用を克服すべきであることや、多面的な障害評価に基づく治療方針などにも言及されました。

最後に、私のこのブログの文章から、「リハビリスタッフは一生、患者さんの水先案内をしていく。」という言葉を引用して、講演を終えました。嬉しかったです。

「あきらめない」リハ。「命綱」としてのリハ。当事者の視点の重要性・・・これを再認識することができました。

また、新たな光が見えてきました。

山梨脳卒中研究会発表(甲府)

2008-10-20 22:57:45 | リハビリ
山梨脳卒中研究会で講演しました。(2008年10月17日金曜日)

「CI療法から再考する脳卒中リハビリテーション医療」

普段50名くらいの会だそうですが、この日は100名以上集まって下さり、熱心に聴いて頂けました。
終了後も、質問攻め・・・。やはり、CI療法の講習会を開催して欲しい、という意見が多かったです。前向きに検討します。