桜と鯛と侍従

ちょうど桜の季節ですので、桜にまつわる召使の小噺をひとつ。 頃は江戸時代。とある武家屋敷。 殿様が夕餉の座に着くと、今晩のおかずはお頭つきの鯛の塩焼き。 「魚の王様・鯛」 といったって、口の肥えてる殿様にとっては食べ慣れたもの。 それに上つ方ってぇのは、ガツガツ喰ったりしないもんなんですな。 庶民のように骨までしゃぶったりせず、 たいてい魚の片側に箸を二三くち付けて、 おっとりと「もぉ、よい」 . . . 本文を読む
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