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人より目立つ必要はない「教養論文」

   12月は卒業論文執筆のために、公務員試験の勉強はあまり進みませんでした。ただし、一科目だけ集中的に勉強しました。それは、教養論文です。この時期に教養論文に集中して取り組んだのは、東京都庁・特別区を筆頭に合否の鍵を握り、直前期に慌てて対策をするのは心理的にきついからです。

 教養論文に集中して取り組んだことで得られたポイントを、今回ここに紹介したいと思います。ただし、万人に通用するものではないので、その辺はご了承ください。

 ①     人より目立つ必要はまったくない

 論文は自分なりの見解を書く必要があります。そして、その見解に具体例や根拠を持たせる必要があるのは言うまでもありません。そして多くの人が(数日前の私も)いかにしてオリジナルな考えを書くことかに集中してしまいます。

 しかし、これが大きな落とし穴になるのです。何故なら、論文とは出題者の問いに答え、その出題意図の範囲内に絞って自分の見解を論理的に書くものだからです

 言われてみれば当たりまえですが、大方の人が自分のオリジナリティを示すことに没頭してしまうと、この基本命題が頭から消え去って執筆してしまいます。そして、自分なりの回答を書いたと満足しても、問いに答えられていない以上、不合格答案の完成になってしまうのです。

 故に、教養論文でも、出題意図にまず沿って書くことが命です。自分の余計な知識を披露したり、オリジナリティ溢れる見解を書く以前に、問いに真正面から答えた答案を書くべきなのです。実際、合格者の多くの答案は、オリジナリティは欠けているけど、問いに真正面から答えています。人より目立とうとするよりも問いに正確に答える、これこそ教養論文の命だと気付きました。

      型と見た目を重視するべし

 教養論文にも、基本となる型があります。まずはその型を修得する必要があります。私は塾の合格者答案や新聞のオピニオン欄を読んで、構造を意識しながら写していきました。文演を受講されたかたは、「設計図の必要性」を書いたページを思い出してください。優れた文章の構造を体でしみこませることで、自分なりのコツを把握できるのです。

 次に見た目も気をつけましょう。採点者の立場を想像すれば、これはとても重要なポイントです。文章が崩壊した答案(あるいは雑な字で書かれた答案)を何十通も読めば、いくら良心的な採点官でも全文を読まなくなる可能性もあります。まず冒頭でどういう流れで論文を書いていくか、そして見解を示します。いうまでもなく、字は丁寧に書くべきでしょう。

 ③     独善的な答案は通用しない

 自分なりの見解を書く必要はありますが、それが独善的になったら即不合格答案です。

 何故なら、独善的な人は行政官という立場に不適格だからです。例えば、経済の活性化が何よりも重要だと信じ込んでいる公務員は、経済的付加価値を算出しにくい介護や福祉や教育を切り捨てるようになるでしょう。こういう人が公務員になったら、多くの人が住んでいて喜びを感じる街になるのでしょうか。私は疑問に思います。

 価値観が多様化する社会と言われている現代においては、対話の必要性が増しています。そのときに、独善的なことばかり発言する公務員は住民の立場からも望ましくないです。

 論文は書き手の性格が着実に反映されるので、公務員を志す人間が独善的な見解を書くことは避けるべきです。

 教養論文攻略の秘訣は、「問いに正確に答え、論理的に書くこと」に尽きると思います。オリジナリティ溢れる見解を披露することに神経を集中させる前に、やるべきことがあるのだということを、この12月に学べました。あとは本番に合わせて勉強するだけです。     大西隆 

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