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なおしのお薦め本(89)『二週間の休暇』

  クリエイト速読スクール文演第1期生の小川なおしさんから、お薦め本が届いています。


二週間の休暇

                  フジモト マサル

 マンガです。

 活字を読むのに疲れた人に向いています。

 枠もセリフも手描きで、灰色と薄緑色のスクリーントーンが多用されています。

 カバーは、裏が透ける紙になっています。その表と裏に絵が描かれ、さらに下の表紙の絵もうっすらと透けています。影絵のような効果を狙ったのでしょうか。ずいぶん凝った作りなのですが、絵を描いていない部分の方が広く、いっけん何の変哲もない白い表紙にしか見えません。奥ゆかしい装丁です。

 内容を少し紹介します。

 一人で残業しているOLが、パソコンの前で突っ伏して溜め息をついている。そこで思うのは、「なにもかも忘れてゆっくり休みたい。ぼんやりと雲をながめたり、心ゆくまで読書をしたり、時間をかけて料理をしたり。なんの不安もなくのんびりとすごせる場所で。」そこへ鳥が二羽あらわれて、「その願望、実現してみませんか」と「鳥の国」に招待される。

 そこには、鳥たちだけでなく、幼なじみの女の子がいた……。

 読んでいくと、心の奥へ奥へと階段を下っていくような気持ちがします。ここで見られるのは荒唐無稽な夢ではなく、こどもの頃もっていた懐かしい夢です。記憶の奥底に眠っていた思いですから、現実の人間にも何か影響を与えるのでしょう。

 昨日と同じ今日がまた明日やってくる、それにうんざりしている人が、これを読んだあと、そのことを「それでいい」と思える。そんな効果があるかもしれません。少なくとも、私にはありました。     なおし

 





 

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