なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくります。

改作・寿限無(その3)

2018年10月25日 20時00分08秒 | なんとなくの寿限無
「なるほどねえ。じゃあ、そういう方に来てもらうにはどうすりゃあ、いいですか?」

「まずはホテルだな。そんなに大きなホテルじゃなくていい。リーズナブルなホテルなら、長期滞在に向いているな。日本風の旅館も人気だそうだ。畳にふとん、こういう日本人に当たり前のおもてなしが外国のお客様には人気だという。そういう所に腰を据えてお泊まりいただいて、商店街に足しげく通っていただく。それに今は居酒屋も人気だという。ああいう飲み屋というのは外国にはあまりないそうだ。まあ、食べるところ、寝るところ、それに呑むところがあれば、外国からのお客様も来てくれると思うな」

「ははあ・・・(メモ)食う寝るところ、それに呑むところ・・・、と・・・」

「ここまでは、いいことばかりお話ししてきたが、このへんで失敗談もご披露しようかな。これは、あるレストランの話だ」

「よっ、そうこなくちゃ!あんまりうまくいく話ばかりじゃ、いざ始めると『あれ?こんなはずじゃ・・・』なんてことになりそうですからね。そういう話も聞きたいですね」

「人気の商店街に、あるレストランが店を出した。商店街でも一等地に店を構え、腕のいいシェフを呼び、一流のスタッフを集めて店を開いた。ところが、これがなぜかお客様が来ない」

「へえええ、なんででしょうかね?」

「お前さんが不思議に思うぐらいだ。お店のみんなも考えた。美味しくないわけじゃない、場所もいい、スタッフもいい、ところがお客様は来ない。さあ、お店の経営者は悩んだ。悩んで悩んで・・・、ついに破れかぶれの心境で、商店街の裏小路に店をひっこめた」

「裏小路ですか」

「これが幸いしたんだなあ。裏小路に引っ込んだ途端に、これまで全然来なかったお客様がわんさか押し寄せるようになった。よおく考えたら、お客様というのは誰もが入れる、誰もが知っている、というよりは、こんなところに、とか、私だけが知っている、というようなお店が好きなんだな。裏小路に引っ込んだおかげで、ここは私だけが知っている、誰にも教えたくない、隠れ家的なお店になったわけだ。以来、ここは大繁盛店となった!」

「そういうわけですか!(メモ)破れかぶれで裏小路・・・と・・・」」

「もう一つ失敗例だ。外国のお客様が増えてきたというので、英語の喋れるスタッフが必要だろうと、外国人のスタッフを3人雇った。ところが、この3人というのがサッカーが大好きで・・・、いや、好きすぎてな・・・、贔屓のチームが負けると暴れだすという・・・、いわゆるフーリガンというやつだ」

「そいつは大変だ」

「さあ、フーリガンと気が付いたらお店には置いておけない。3人を解雇にした」

「(メモ)3人ともですか・・・、解雇、解雇、解雇・・・と・・・」

(続く)

その4へ ↓

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