なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくります。

改作・寿限無(その4)

2018年10月29日 19時26分16秒 | なんとなくの寿限無
「だが、解雇はまずかったな。元々フーリガンという荒くれ者たちだ。たちまち商店街で悪さをし出した。逆恨みというやつだ。愚連隊と化してしまった」

「(メモ)フーリガンから愚連隊ですか・・・。いやいや、ご隠居、古い言葉知ってるね。愚連隊なんて、あっしゃあ、久々に聞きましたよ」

「そう茶化してはいかん。さあ、困った。この愚連隊をなんとかしようと、新しい仕事を世話することにした。ここで幸いだったのが、こいつらは手先が器用だった。ちょっと壊れた家電製品をチョイチョイと直すことができた。たまたまつぶれたばかりのリサイクルショップがあったので、これ幸いと、ここで働いてもらうことにした」

「ずいぶん都合よく働き先があったもんですね」

「まあ、世の中というのはそういうものだ。で、お店に置かれていたのがポンコツのコピー機だ。手始めにこれを直して売り出した。そもそもがポンコツのコピー機、手ごろな値段で売りだしてみたら、あっという間に売れた」

「へええ・・・売れましたか」

「これは商売になる、と、次々に故障したコピー機を手に入れては直して売っていった。さて、ここでやっこさんたち考えた。コピーといえば、トナーが必要だ。これも安く売れば、より儲かるんじゃないか、と、今度はトナーの不良品を仕入れたな」

「トナーってなんですか」

「お前さん、トナーを知らないか。まあなんだ、コピー機のインクみたいなもんだな」

「あ、そうですか。ポンコツのコピーに、ポンコツのトナーということですね(メモ)」

「その通り。これでお店は大繁盛だ」

「なるほどねえ・・・。ありがとうございます。他には何かありますか」

「お前さんも欲張りだな。じゃあ、最後に一つ教えよう。商店街に病院が1件あるといいな」

「そりゃあ、どうしてですか」

「商店街もいろんな人が訪れるようになると、中には病気だったりケガをする人も出てくるだろう。病院があれば、とりあえず応急処置ができる。あそこの商店街に行ってケガをしてしまったが、親切に手当をしてもらった、と、評判になるな」

「それは気がつきませんでした。そうですね。確かに病院があればいいですね」

「で、これは失敗例だが、ある商店街が救命医を雇った。なんでも「超」がつく凄腕の救命医だったそうだ。これはいいお医者さんに来てもらった、と喜んだが、このお医者さんが、曲者でな。よくよく考えてみれば、そんな凄腕のお医者さんなら病院に勤めていても不思議はない。実はこの救命医が「超」がつくスケベだったんだなあ」

「超のつくスケベねえ」

「病人が出ても女性しか診なかった。急病なのに病人の選り好みをするというので、商店街の評判が落ちた。やはりお医者様は品行方正でなくてはな」

「(メモ)超救命医なのに超スケベですか・・・。いやあ、ありがとうございます。これで今度の寄り合いにも胸を張って行けます」

(続く)

その5へ ↓ (次でおしまい)

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