猫と猿の呪いシリーズの話について
母に聞いてみた。
母はそんな話を私にしたことはすっかり忘れていたが、
その二つの話についてはしっかりと記憶していた。
猫シリーズは私の記憶でほぼ間違いはなかったが、
猿については、ちょっと違った。
この二つの話は、伊豆は川津で起こった話だそうだ。
ある日、白い猿が山に現れ、狩猟に出かけていた”鉄砲打ち”が
この白猿を撃とうとすると、白猿が手を合わせて、まるで
打たないと言っているように拝んだという。
鉄砲打ちは一瞬怯んだものの、手を合わせて拝む白猿を撃ち殺して
しまったらしい。
そしてしばらくして、そのうちの嫁が産んだ赤ちゃんは、
真っ白い子供で家の柱を「きゃっきゃ、きゃっきゃ」と
飛びまくったそうな。
猫も、猿も、おちの部分は結果一緒のところが真実味に欠けるが、
まあ、何しろこういう話らしい。
そして、この話、母は一体誰に聞いたのか?
これは、母が伊豆に疎開している時に、
夜になると、自分を含め、幼い姉妹たちが、
親がいないことを悲しみ、わんわんと泣き出すらしい。
これを見かねた母のおじいちゃんが、
この二つの話をしてくれたらしい。
よけい怖くなるっつ~のっ
でも、あまりの怖さに、両親の不在をも忘れさせてしまおうという
おじいちゃんなりの魂胆だったのか、
親子三代に渡るこの話、疑問は解消されたけれど、
あんまりいい話じゃないなあ~