小説家の伊上洪作(役所広司)は、幼少期にひとりだけ両親と離れて育てられていた。
「僕だけが捨てられたようなものだ」軽い口調で話す伊上だが、
本当はその想いをずっと引きずっていた。そんな中、父(三國連太郎)の訃報が入る。
母・八重(樹木希林)は物忘れがひどくなってきており、夫との思い出すらほとんど失くしていた。
自分を捨てた母を許してはいないけれど、
その記憶を失くされたらケンカにもならないー伊上をはじめ八重を冗談のタネにする家族の対して、
三女の琴子(宮あおい)は激怒する。
「みんなおばあちゃんの気持ちになってないから、おばあちゃんの心をこじらせてしまうのよ」。
八重は琴子の提案で、軽井沢の別荘で暮らすことになる。
やがて琴子はプロの写真家になり、運転手だった瀬川(三浦貴大)と付き合う。
八重は夜に徘徊するようになり、もう誰が誰かも分からなくなっていたが、
家族は八重が元気なだけで満足だった。
ある朝、感情を抑えられなくなった伊上は、初めて母と対決しようと
「息子さんを郷里に置き去りにしたんですよね」と問いつめる。
だが、八重の口からこぼれたのは、伊上が想像もしなかったある<想い>だった。
こらえきれず、母の前で嗚咽する伊上。
母との確執を乗り越え、
晴れ晴れとした気持ちで二女・紀子(菊池亜希子)を送るハワイ行きの船に乗りこむ伊上。
だが、伊上のもとに八重がいなくなったという知らせが届くー。
母の愛は子供には計り知れない深さがあり
両親を大切にしなくてはと思いました。
いい映画です。
お薦め度★★★★☆