17歳で関東一の暴走族「神叉」のトップに立ち、
怖いもの知らずとしてその名を馳せていた火野鉄(徳井義実)。
現在は家族を養うために現場作業員としての仕事に黙々と明け暮れる鬱屈した日々を送っていた。
反抗期の息子・周平(林遣都)からも完全にナメられ、昔の威光は見る影もない。
そんなある日、同じように今は平凡な一市民として過ごしていたかつての仲間
横田あつし(阿部サダヲ)の娘・真琴が、不良たちに暴行されるという凄惨な事件が起こる。
真琴は周平の恋人でもあった。
かつて家族同然だった仲間の身に突然降り掛かった悲劇の落とし前をつけるために、
数年ぶりに集結した「神叉」の面々。
抑圧だらけの理不尽な社会で、パッとしない<その後の人生>を過ごして
いる仲間たちと久々に熱い想いを交わした鉄の心の中では、何かがくすぶり始めていた。
そんなある日、今度は仲間の川崎浩介(玉山鉄二)が何者かに襲われる。
踏みにじられた<家族>の絆。思い悩む鉄。
自分はこの無為な生活の中で一体何を失ってしまったのだろう?
10代の頃、生まれて初めてこの世界に
存在する意味を与えてくれた<家族>=仲間のために、
男としての誇りを取り戻すために、
自分はもう一度立ち上がることができるだろうか?
暴行事件の背後に「神叉」時代の遺恨を引きずり続ける五十嵐(村上淳)が
いることを知った鉄は、長年封印してきた荒ぶる魂と暴力への衝動を解き放っていく。
気がついた時には、事態はもう二度と
後戻りすることができない地点へと突き進んでいた……。
ちょっと厳しい映画、キャスティングでした。
お薦め度★★★