少し前の映画ですがお客様に勧められて見ました。
登場人物は、地方検事とその妻、黒人刑事と同僚でスペイン系の恋人、
TVディレクター夫妻、雑貨店を営む家族、鍵の修理屋など、
さまざまな階層・人種。職業だ。
無関係のようにみえた人々が、人種間の偏見、
そこから生まれる憎悪が引き起こす事件によって結びつけられる。
急展開ながら、登場人物の交通整理のうまさに引き込まれるのだ。
警官からセクハラまがいの仕打ちを受けた女性が、
その後、彼と思わぬかたちで再会するシーンなど、
何カ所か、本当に背筋の奥までゾクッとさせるショッキングな描写もある。
俳優たちも、ほかの出演作とは明らかに違う迫真の演技を披露し、
最後まで観る者の目を釘付け。
全編に漂うのは、いまだに差別に満ちたアメリカの現実だが、
ラストシーンでわずかに残される希望が、静かな余韻を残す。
どうせだったらすべてがハッピーエンドではだめだったのでしょうか?
でも面白かったです。
お薦め度★★★★