☆GREEN HEART☆

漫画と本と国府津があれば生きていけるかもしれない「ことは」のブログ。
はじめましての方は「自己紹介」をどうぞ!

アラン・アルバーグ『いつもお兄ちゃんがいた』読。

2006-07-12 | ■あ行の作家
どこにも売ってなくて、ついに図書館で読んできてしまいました。

アラン・アルバーグ『いつもお兄ちゃんがいた』とは
幼い頃に両親を亡くした3人の兄弟。
おばさんの家に引き取られたが、おばさんは子ども嫌いで厳しい。
学校でもいじめられる。
そんな中、兄弟の支えになってるのは、一番上のお兄ちゃんだった。
しかし、やがてお兄ちゃんも交通事故にあって亡くなってしまう・・。
お葬式の日、悲しみにくれる兄弟の前に現れたのは、
死んだはずのお兄ちゃんだった・・・。

中学生の頃読んだのを思い出して、再読。
本当は手元においておきたいけど、なかなか売ってなくて叶わず。

3人の兄弟。
厳しい環境。
それでも楽しくやってこれたのは、「おにいちゃん」がいたから。
唯一の支えであった、お兄ちゃんを失った。
でも、お兄ちゃんはまた現れてくれた。
幽霊?まぼろし?
違うんだ。お兄ちゃんは、確かにここにいる・・・。
お兄ちゃんはいつまでもここにいてくれるの?
また消えていなくならないよね・・?


ひっそりとした空気の中で生まれた、悲しく優しい物語。
おばあちゃんから、昔話を聞いてるような感覚で読めます。
ノンフィクションのような感覚。
幽霊とか、不思議なことが登場するけれど、なぜか現実のことのような、
誰かの身に確かにに起こったことなんだな。と思える一冊。

この歳になり(?)私も何人かの友人や恩人を亡くしました。
いなくなった頃は、ただひたすら悲しい。
日常にその人の影を捜し求める。
でも、少し時間が経つと、その人はもういないのに、
どこかで自分のことを見守っていてくれる気がする・・・。
その人がいない状況に「慣れる」のではなく、
その人がいないという事実をきちんと受け止めることができるようになる。
そんなことを伝えてくれる本。
まぁ、といっても悲しいものは悲しいけど。

手のひらサイズの本。
私の読書傾向からは外れている本な感じでしたが、
なぜか、ずっと心に残ってる一冊です、というお話でした。