Adagietto

アダージェット 
大人だって毎日いろんなことを発見し、経験するのだ。
心にのこる 毎日を♪

○ 遠い記憶 Farther Memory

2011年05月06日 | 瀬戸内でアートにひたる


   
   Chiharu SHiota  Farther Memory

   

   もともとは公民館だった建物。


   

   中央にトンネル状の通路が作られている。


   

   通路は、不要となった家を解体した窓や扉を集めて作られている。


   

   この窓をとおして、いろいろな日常があっただろう。
   
   
  
   この島のいろいろな光を家の中に通しただろう。

   

   遊び心も

   

   かつてはどこにでもあったような普通のふすまの模様も

   

   よくあった独特のくもりガラスも

   

   どうしようもなく懐かしいこの板の、何とも言えない模様も

   

   そのすべてがアーティストと鑑賞者によって覚醒する。

   

   ここにはたくさんの声が響いていただろう。

   

   今聞こえるのは、ツバメのかわいい鳴き声だけ。

   

   建物の内側にも外側のような光景がある。
   花がきれい。

   

   花にも建物にも窓にも、人々のいろいろな想いがある。ように思う。

   

   この忘れられた遊具にも。好きだったな昔、この遊具。

   マーラーの交響曲第5番第4楽章「アダージェット」のような美しいアートだなと思った。
   かつてあった美しくはかない時間を撫でるような。


   Art Setouchi 2011 春 INDEX




   

○ 心臓音のアーカイブ Christian Boltanski

2011年05月06日 | 瀬戸内でアートにひたる


   Les Archives du Coeur  Christian Boltanski/France

   

   豊島美術館から自転車でず~っと坂道を下ってきた。
   背が高くて足の長い一人旅の男の人や、肩を寄せあって歩くカップルが歩いているのを
   なんとなく感じながら、猛スピードで坂道を下ってきた。


   

   瀬戸内海っていう色合い。いつも癒される。
   小さい頃から知ってる、大好きな色の砂浜と海。


   

   フランス人のクリスチャン・ボルタンスキーの作品、心臓音のアーカイブまでもうあと少し。


   

   海を渡り、島の端まで歩いてたどり着くその「道のり」もアートの一部。
   アーカイブを建てる場所は「道のり」を意識してあえて港の近くではなく島の端が選ばれている。


   

   自分の心臓音を録音したり、世界各地で録音されたさまざまな人の心臓音を聴くことができる。

   
   

   「ここは、今生きている人たちがやってくる場所です。しかしいずれは、その人たちも死ぬ
   運命にある。そしてまたその人の心臓音を聞くために命ある人がやってくる・・・。生と死、
   そして人を思う愛情が同居できる場所になればいいなと思っています」

                                クリスチャンボルタンスキー


   

   自転車で坂道を下ってるときに追いこした背の高い男の人が向こうから歩いてきた。
   自転車できた私とほとんど到着時間が変わらなかったから、笑ってしまった。

   旅の一期一会。

   島にいると、全然知らない人とも話ができてしまったりする。

     Art Setouchi 2011 春 INDEX