港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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映画音楽史(289) 『俺たちに明日はない』 1968年公開

2014-11-20 10:35:25 | 映画音楽



『俺たちに明日はない』 Bonnie and Clyde (米) 1968年制作
監督 アーサー・ペン
音楽 チャールズ・ストラウス
主演 クラウド … ウォーレン・ビーティー
    ボニー … フェイ・ダナウェイ
    モス … マイケル・J・ポラード
    バック … ジーン・ハックマン
    イワン・モス … ダブ・テイラー
主題歌 『フォーギー・マウンテン・ブレイクダウン』 ( Foggy Mountain Breakdown ) 演奏・サウンド・トラック

1930年代、ダラスを中心に銀行強盗を働き続けた実在のボニーとクライドを描いたニューシネマの先駆的作品。
大恐慌が尾を引いて荒廃し果てたアメリカ。自動車泥棒のクライドはボニーと手を組んで銀行を襲い大金を手に入れる。
これに味をしめた二人は若者のモスやクライドの兄夫婦を仲間に加えて銀行強盗を重ねていく。しかしボニーと兄夫婦
がことごとく対立したことからドジを踏み、警官隊と激しい銃撃戦の末 ボニーとクライドはモスの実家に身を隠すことに
なったが、モスの父親が息子の命と引き換えにボニーとクライドの居場所を警察に通報する。不意を突かれたボニーと
クライドは情け容赦ない銃弾を浴びて息絶えた。

主題歌の『フォーギー・マウンテン・ブレイクダウン』は1940年代のブルー・グラスの代表的グループであるレンター・
フラットとアール・スクラップが結成したフォギー・マウンテン・ボーイズのヒット曲です。
映画ではクライドたちが警官隊に追われて荒野を逃げ回るシーンで使われていました。

↓はサウンド・トラックの『フォーギー・マウンテン・ブレイクダウン』 YOUTUBEより



映画音楽史(288) 『卒業』 1968年公開

2014-11-19 10:35:51 | 映画音楽



『卒業』 The Graduate (米) 1967年制作
監督 マイク・ニコルズ
音楽 ポール・サイモン
主演 ベンジャミン … ダスティン・ホフマン
    エレン … キャサリン・ロス
    ロビンソン夫人 … アン・バンクロフト
    カール … ブライアン・エイヴリー
主題歌 『サウンド・オブ・サイレンス』 ( Sound Of Silence ) 唄・サイモンとガーファンクル

将来を有望視された青年が実社会の不安に立ち向かいその壁を突き破ろうとする姿を描いた青春ラヴロマンス作品。
ベンジャミンは大学を優秀な成績で卒業したが野望も目的もなく故郷に帰る。彼は両親が開いたお祝いのパーティーで
知人のロビンソン夫人に誘惑されて深い関係になる。そのうち夫人の娘エレンと出会い交際が始まるがそれを知った
夫人はエレンにすべてを話す。ショックを受けたエレンは夫人の押し付けた彼氏と結婚することになった。何をすべきかを
悟ったベンジャミンは教会に乗り込んで叫びながら十字架を振り回し挙式中のエレンを略奪する。

主題歌の『サウンド・オブ・サイレンス』はポール・サイモンの作詞・作曲によるもので、映画以前の1964年に作られた楽曲
です。これをディヴ・グルーシンが映画のためにスコアを書き加え、全米No.1のヒット曲になりました。
映画では、冒頭の旅客機の機内、ホテルのプールでのシーンやエンディングのバスの中で流れていました。

Hello darkness, my old friend I've come to talk with you again
Because a vision softly creeping Left its seeds while I was sleeping
And the vision that was planted in my brain Still remains
Within the sound of silence

↓はサイモンとガーファンクルの『サウンド・オブ・サイレンス』 YOUTUBEより


また、挿入歌の『スカボロー・フェア』 ( Scarborough Fair ) は元々イングランドの伝統的な民謡です。
これをポール・サイモンがアレンジを加え、この映画に使われたことで有名になりました。
映画ではエレンに夫人との関係を知られた後~バスにのった彼女を追う一連のシーンで使われていました。

Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme
Remember me to one who lives there
She once was a true love of mine

↓はサイモンとガーファンクルの『スカボロー・フェア』 YOUTUBEより



ニコルズ監督はポール・サイモンにこの映画の音楽を依頼したのですが、既存の作品でまかなわれ、結果的には
『ミセス・ロビンソン』 ( Mrs. Robinson ) だけがこの映画のために書かれた作品となりました。
映画ではベンがエレンの結婚式場に急ぐシーンで使われていました。

And here's to you, Mrs. Robinson,
Jesus loves you more than you will know. Wo wo wo
God bless you, please Mrs. Robinson.
Heaven holds a place for those who pray, Hey, hey, hey, hey

↓はサイモンとガーファンクルの『ミセス・ロビンソン』 YOUTUBEより



映画音楽史(287) 『最高にしあわせ』 1968年公開

2014-11-18 10:54:34 | 映画音楽



『最高にしあわせ』 The Happiest Millionaire (米) 1967年制作
監督 ノーマン・トーカー
音楽 リチャード・M・シャーマン&ロバート・B・シャーマン
主演 コーデリア … レスリー・アン・ウォーレン
 ジョン … トミー・スティール
    ビドル … フレッド・マクマレー
    アンジー … ジョン・ディヴィッドソン
    ミセス・ビドル … グリア・ガースン
主題歌 『バイヤンパンパン』 ( Bye-Yum-Pum-Pum ) 唄・レスリー・アン・ウォーレン

コーデリア・D・ビドルの自伝小説をもとに、シャーマン兄弟の音楽によるディズニーのコメディミュージカル作品。
フィラデルフィアの富豪ビドル氏は室内でワニを飼ったりボクシングジムを設けたりする変な道楽の持ち主で、その娘
コーデリアは健康的だが温室育ち。そんなコーデリアが突然タバコ会社の御曹司アンジーと恋に落ちた。二人の恋に
両家の親族は大反対だったが、そのうちビドル氏も折れて、若い二人を駆け落ちするように仕向ける。

主題歌の『バイヤンパンパン』はシャーマン兄弟の作詞・作曲によるもので、映画では寄宿舎でコーデリアとルームメイト
がパジャマ姿で唄っていました。タンゴ調のこの歌曲は『ヘルナンドス・ハイダウェイ』を思い起こさせます。


↓は『バイヤンパンパン』 YOUTUBEより



映画音楽史(286) 『チキチキバンバン』 1968年公開

2014-11-17 13:49:46 | 映画音楽



『チキチキバンバン』 Chitty Chitty Bang Bang (米) 1968年制作
監督 ケン・ヒューズ
音楽 リチャード・M・シャーマン&ロバート・B・シャーマン
主演 ポッツ … ディック・ヴァン・ダイク
    トゥルーリー … サリー・アン・ハウズ
    ジェレミー … エイドリアン・ホール
    ジェニファー … ヒーザー・リプレイ
    ボンバースト … ゲルト・フレーベ
主題歌 『チキチキバンバン』 ( Chitty Chitty Bang Bang ) 唄・サウンド・トラック

原作はイアン・フレミング唯一の童話で、愛と夢を乗せた家族向きの冒険ミュージカル作品。
夢想家で発明家のボッツは、ポンコツ車を飛行機のように空も飛べる夢の車に改造しチキチキバンバン号と名付ける。
ボッツはわが子のジェレミー、ジェニファーそれに貴族令嬢のトゥルーリーと冒険の旅に出る。それを見たボンバースト
男爵はチキ号が欲しくなり子供たちの爺さんを誘拐したため、ボッツはチキ号で男爵を追い詰めて大活劇の末に男爵
一味を退治した。ところがこれはすべて夢で、改めてボッツはトゥルーリ―に恋していることを認識する。

陽気なマーチである主題歌の『チキチキバンバン』は作詞ロバート、作曲リチャードのシャーマン兄弟によるもので、
他にも、『お山の子守唄』『素敵なトゥルーリ―』『オルゴール人形』など全13曲を楽しむことができます。
映画ではポッツと子供たちがチキ号で出かけるシーン、途中でトゥルーリ―を乗せて走りながらの合唱シーンなどで
使われていました。

Chitty bang bang, Chitty Chitty Bang Bang!
Oh, you pretty chitty bang bang
Chitty Chitty Bang Bang, we love you! 
And in Chitty Chitty Bang Bang 
Chitty Chitty Bang Bang, what we'll do! 

↓はディック・ヴァン・ダイクと子供たちの『チキチキバンバン』 YOUTUBEより





60年代ポップス変遷史 1961年6月

2014-11-16 11:12:28 | 60年代ポップス変遷史

1961年6月にはこんな曲が流行していました。

カレンダー・ガール ニール・セダカ
太陽がいっぱい サウンドトラック
ボーイ・ハント コニー・フランシス
栄光への脱出 パット・ブーン
悲しき少年兵 ジョニー・ディアフィールド
アラスカ魂 ジョニー・ホートン
黒い傷あとのブルース アンリ・ド・パリ楽団
荒野の七人 アル・カイオラ楽団
ズビ・ズビ・ズー ソフィア・ローレン
青空にスケッチ ボブ・アザム
サレンダー エルヴィス・プレスリー
倖せがいっぱい ミーナ・マッツィーニ
⑬欲望のブルース ベルト・ケンプフェルト楽団
峠の幌馬車 ビリー・ヴォーン楽団
禁じられた恋のボレロ ファルー

この月はロックンロール、映画音楽、ムードミュージック、フレンチポップス、カンツォーネ
さらにはラテンと多種多彩のランキングになりました。
『欲望のブルース』などキラリと輝く曲が下位に陣取っているのもこの頃の特徴でした。

↓はベルト・ケンプフェルト楽団の『欲望のブルース』 YOUTUBEより


ベストテン入りはしませんでしたが、ジーン・ヴィンセントの『ミスター・ロンリネス』や
クラウディオ・ヴィルラの映画主題歌『忘れな草』などもこの頃のヒット曲でした。