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旅の友・ポップス編 (234) 『ママ・ビエハ』

2017-09-30 12:34:42 | 旅の友・ポップス編

『ママ・ビエハ』 ロス・ヴィスコンテイ
”Mama Vieja” Los Visconti  【YOUTUBEより】


1943年にフアン・アリエンソが作詞、リト・バジャルドが作曲したフォルクローレ(民族舞曲サンバ)で
中南米のスペイン系の人々は誰でも知っているほどの楽曲です。
曲は、老齢の母親を故郷に残したまま町に出て、亡くなってしまった母を偲ぶ鎮魂歌となっています。
全歌詞は次の通りです。
( )内は前奏、間奏に語られる台詞ですがロス・ヴィスコンテイのレコードには用いられていません。


( Para usted, mi mama vieja, que me mira desde el cielo,
 ( 年老いたお母さんあなたのために、私のことを天国からみまもってくれるお母さん
yo le brindo en esta zamba mi más sentido recuerdo. )
 私はこのサンバの歌を貴方に捧げます あなたのことを心から懐かしみながら… )

Cuando salí del pago. le dije adiós con la mano
 故郷を出るとき 私は手でさよならを告げた
* y se quedó mama vieja, muy triste en la puerta del rancho. * 
 年老いた母は 家の戸口で悲し気に佇んだまま (繰り返し)
Ella me dio el permiso, que yo pagué con mil besos
 年老いた母は私を許してくれた そんな母は私に何度もキスをしてくれた
* y enderecé por la senda con mi bagaje de sueños. *
 そして私は小道をまっすぐ歩いて行った 夢という手荷物をいっぱい抱えて (繰り返し)
Mama vieja! Yo le canto, desde aquí, esta zamba, que una vez le prometí.  
 年老いたお母さん、此処から私はあなたに唄います このサンバを、かつて一度あなたに約束した通り
* Zambita hai ser la primera, pa que se acuerde de mí. *
 サンバをまず最初にあなたに捧げます 私のことを覚えてもらうために (繰り返し)

( Honda es la pena mi Mama vieja saberla lejos... y grande es el
 ( 年老いたお母さん、悲しみは深く 遠くにいればなおさらに
consuelo cantando zamba que lleva el viento )
 それでもサンバを唄えば とても心が慰められる )

Aunque yo estoy muy lejos del pago donde he nacido;
 その歌は風に運ばれていく たとえ生まれ故郷から遠く離れていても
* le juro, mi mama vieja, que yo de usted no me olvido. *
 年老いたお母さん、約束します あなたのことを決して忘れないと (繰り返し)
Yo se que, por las noches, desde una estrella me mira.
 私はわかっています、夜には星になって私を見守ってくれていることを
* Usted se fue para el cielo y mi alma llora y suspira. *
 あなたは天国に行ってしまった そして私は涙に暮れて悲しみの溜息をつく (繰り返し)
Mama vieja! Yo le canto, desde aquí, esta zamba, que una vez le prometí.
 年老いたお母さん、私はあなたに唄います このサンバを、かつて約束した通り
* Zambita hai ser la primera, pa que se acuerde de mí. *
 サンバをまず最初にあなたに捧げます 私のことを覚えていてもらうために

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2016-12-04 名曲セレクション 『ママ・ビエハ』 ロス・ヴィスコンテイ

私がこの曲を最初に耳にしたのはアルゼンチン・タンゴ歌手の藤沢嵐子さんでした。
どちらかといえば涙腺は固い方なのですが、思わず涙がこぼれそうになりました。



旅の友・ポップス編 (233) 『二人のタンゴ』

2017-09-29 10:04:42 | 旅の友・ポップス編

『二人のタンゴ』 アルフレッド・ハウゼ楽団
”Bailando A Dos” Alfred Hause  【YOUTUBEより】

 
アルフレッド・ハウゼが1961年に発表したコンチネンタル・タンゴなのですが、洗練されたタンゴというよりも
どちらかと言えば戦前のクラシカルなドイツ・タンゴの雰囲気です。
1961年の年末あたりに【P盤アワー】で何度か流れていたように記憶しています。


私の手元のコレクションはノイズだらけの音源なので一度クリアな状態で是非聞き直したい曲でした。
原題がわからなかったため、邦題の『二人のタンゴ』で動画を探しても見つからず半ばあきらめていましたが、
執念で原題を探し当ててようやくこの動画にたどり着いた次第です。


旅の友・ポップス編 (232) 『愛の喜び』

2017-09-28 15:37:14 | 旅の友・ポップス編

『愛の喜び』 ベルト・ケンプフェルト楽団
”Plaisir d'amour” Bert Kaempfert  【YOUTUBEより】

 
原曲はドイツ人のジョヴァンニ・パウロ・マルティーニ(1741~1816)が作曲、ジャン・ピエール・クラリスがフランス語の
歌詞をつけた古典的な歌曲です。
甘い愛の歌と思われがちですが、歌詞の内容は「愛の喜びは一瞬しか続かない。別れの悲しみは生涯続く」
というもので、自分を棄てた彼女への恨み節となっています。日本では結婚式などにも使われているようですが
エディット・ピアフの『愛の讃歌』同様に結婚式では避けなければならない曲だと言われています。
この曲は1949年制作のウィリアム・ワイラー監督によるアメリカ映画『女相続人』の主題歌として使われており、
1961年制作のノーマン・タウログ監督によるアメリカ映画『ブルー・ハワイ』では『好きにならずにいられない』
というタイトルでエルヴィス・プレスリーによって唄われていました。

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旅の友・ポップス編 (231) 『ソー・イン・ラヴ』

2017-09-27 16:53:47 | 旅の友・ポップス編

『ソー・イン・ラヴ』 フランク・プウルセル楽団
”So in love” Franck Pourcel  【YOUTUBEより】



原曲はシェイクスピアの戯曲『じゃじゃ馬ならし』をアレンジしたブロードウェイ・ミュージカル『キス・ミー・ケイト』の
劇中歌で、コール・ポーターが作詞・作曲したものです。
この『キス・ミー・ケイト』は1953年にジョージ・シドニー監督によって映画化されていますが日本では1987年まで
お蔵入りとなったため、守備範囲超えにつき未見です。
また、ジャズ・スタンダードの定盤としても数多くの歌手によってレコーディングが競われました。
パティ・ペイジ、ダイナ・ショア、ジュリー・ロンドン、ジェーン・モーガン、シャーリー・バッシーなどが有名ですが
私としてはエラ・フィッツジェラルドがお勧めです。

Strange dear
but true dear
When I'm close to you dear
the stars fill the sky
So in love with you am I

『ソー・イン・ラヴ』 エラ・フィッツジェラルド
”So in love” Ella Fitzgerald  【YOUTUBEより】



洋画ファンの皆様には『日曜洋画劇場』のエンディングテーマとしてよく耳にされてのではないでしょうか。
こちらの演奏はアメリカのモートン・グールド楽団によるもので1951年にリリースされたものです。

『ソー・イン・ラヴ』 モートン・グールド楽団
”So in love” Morton Gould  【YOUTUBEより】


私としましてはこの曲は何故かフランク・プウルセルなのです…

旅の友・ポップス編 (230) 『パパと踊ろう』

2017-09-26 14:52:34 | 旅の友・ポップス編

『パパと踊ろう』 アンドレ・クラヴォー
”Viens Valser Avec Papa” Andre Claveau et Catherine  【YOUTUBEより】


原曲は "Come pretty little girl" というアメリカの歌なのですが詳細は不明です。
1956年にギイ・ベルトレによってフランス語の歌詞が付けられシャンソンとなり、アンドレ・クラヴォーが
当時6歳のカトリーヌ・イエジェルと唄ってヒットしました。
あどけない子供の笑い声と最後の「まだ眠くない」という台詞が何とも微笑ましいですね。

Viens, mon poussin
Viens valser avec papa
Viens, mon poussin chéri, viens dans mes bras
Viens apprendre à valser avec papa
Profitons-en, maman n'est pas là
Viens, ma chérie, tourner avec moi

エディ・コンスタンティーヌとタニアの『大人とこども』と同様に無垢な少女にはかないません。