港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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旅の友・ポップス編 (365) 『面影のブルース』

2018-02-28 14:37:24 | 旅の友・ポップス編

『面影のブルース』 ベルト・ケンプフェルト楽団
”Someone” Bert Kaempfert 【YOUTUBEより】


ベルト・ケンプフェルト自身の作曲による1963年11月頃にリリースされたブルース・シリーズの一曲です。
ケンプフェルトのブルース・シリーズは、「真夜中」「星空」「夢」「欲望」「純愛」「暁」「夕映え」と続いてきましたが
この『面影のブルース』がこのシリーズの最後となりました。
他にも『追憶のブルース』『バイバイ・ブルース』などもあるようですがあまり注目されていなかったようです。

旅の友・ポップス編 (364) 『その名はフジヤマ』

2018-02-27 13:20:59 | 旅の友・ポップス編

『その名はフジヤマ』 トリオ・ロス・パンチョス
”Se Llama Fujiyama” Trio Los Panchos 【YOUTUBEより】


この曲は1960年暮にトリオ・ロス・パンチョスが二度目の来日を果たした時にメンバーのチューチョ・ナヴァロが
アントニオ・古賀のために作った曲だと言われています。
この時のメンバーはパンチョスの全盛期で、ジョニー・アルビノ (第一ボーカル)、チューチョ・ナヴァロ (第二ボーカル)、
アルフレード・ヒル (レキント・ギター) の面々でした。
日本語の歌詞はみナみかズみ (後の安井 かずみ)が担当、バック・コーラスはコロンビア専属のハニー・ペアでした。
パンチョスはバック・コーラスにザ・ピーナッツを希望したとのことですが、パンチョスのレーベルはコロンビアで、
キング・レコード所属のザ・ピーナッツとのレコーディングは御法度、泣く泣くあきらめたそうです。
また、西語の歌詞の内容は、パンチョスの日本に対する望郷を思わせる次のようなものでした。

Una vez más mi corazón vuelve al Japón    再び、私の心は日本に戻る
buscando la pasión de un amor oriental,    東洋の愛の情熱を探しながら
vuelve a buscar tierna amistad, dulce ilusión,  甘い幻覚のあいだを漂うのを見つけに戻る
a ver al Fujiyama, el símbolo de amor.     愛の象徴であるフジヤマを見るために
Se llama Fujiyama                  その名はフジヤマ、
la montaña nipón que todo el pueblo ama,    日本の山、国民が愛する事を願う
Se llama Fujiyama                  その名はフジヤマ、、
el símbolo de amor hecho montaña.        愛の象徴の山

関連記事
2013-06-24  ポップス その名はフジヤマ 『se llama fujiyama』


親日で知られるパンチョスは来日時に日本の歌曲もレコーディングしていました。
季節柄、次の二曲を紹介しておきます。

『さくら さくら』 トリオ・ロス・パンチョス
”Sakura, Sakura” Trio Los Panchos 【YOUTUBEより】


『うれしいひな祭り』 トリオ・ロス・パンチョス
”Pobres Huerfanitos” Trio Los Panchos 【YOUTUBEより】


↑の『うれしいひな祭り』なのですが、スペイン語のタイトル”Pobres Huerfanitos”、直訳すれば「悲しき孤児たち」
となっているのがとても気になりますね。
他にも『黄色いサクランボ』『僕は泣いちっち』などの当時流行っていた歌謡曲もレコーディングしていたようです。






旅の友・ポップス編 (363) 『さいはての慕情』

2018-02-26 16:10:11 | 旅の友・ポップス編

『さいはての慕情』 リックとランス
”Where The Four Winds Blow” Rick & Lance 【YOUTUBEより】


この曲に関する資料がないのですが、1962年の初秋にリックとランスでリリースされています。
時代の波は能天気なロックンロールでしたので、その勢いに隠れて日本では殆どヒットしておりません。
しかし、もの憂げで哀愁を帯びた曲調がマイナー好みの私の心にはしっかりと刻み込まれました。

Where does a tear go, after it is fallen
Where do the sweet dreams go
Where does a love go after it is over
They go where the four winds blow

Where do the words go, after they been spoken
Words like “I love you so”
Where does a vow go, after it’s been broken
They go where the four winds blow

I was the one who cried the tear
And you were the one who broke the vow
You were the one to disappear
Where do I go now

Where will I wonder now that we’re parted
Where does a loss soul go
Weary and lonely so broken hearted
I’ll go where the four winds blow *繰り返し

愛する人に振られて四方向の風の吹くところ(地の果て)へ行って身を任せるしかないという何ともやるせない心情が
心に染みわたります。


  さすらいの旅路に疲れ果て
    何処へ行くのかわが愛は
  風騒ぐさいはてか
    はたまた四つの風の吹くところ

旅の友・ポップス編 (362) 『夕陽に赤い帆』

2018-02-25 15:30:17 | 旅の友・ポップス編

『夕陽に赤い帆』 デヴィッド・ローズ楽団
”Red Sails in the Sunset” David Rose 【YOUTUBEより】


1935年にイギリスのジミー・ケネディが作詞、ヒュー・ウィリアムスが作曲してレイ・ノーブル楽団によって大ヒットした
スタンダード・ナンバーです。ビング・クロスビーとガイ・ロンバード楽団がそれぞれ全米No.1に輝き、マントバーニー盤も
2位を記録しています。
その後も、フランク・チャックスフィールド楽団、シル・オースチンのサックス、101ストリングス、ビリー・ヴォーン楽団等の
演奏があり、歌唱としてはナット・キング・コール、パティ・ペイジ、ファッツ・ドミノ、プラターズ等々数多くのレコードが
リリースされている名曲です。

関連記事
2016-04-25 名曲セレクション 『夕陽に赤い帆』デヴィッド・ローズ楽団

   *****

私がいつも立ち寄らせていただいている「いせえびさん」のブログ【風景写真春秋】にて、素晴らしいフォト・アートに
アッカー・ビルクの『白い渚のブルース』が添えられているのを拝見し、思わず誘発されてしまいました・・・



旅の友・ポップス編 (361) 『巴里野郎』

2018-02-24 15:35:05 | 旅の友・ポップス編

『巴里野郎(パリ・カナイユ)』 カトリーヌ・ソヴァージュ
”Paris Canaille” Catherine Sauvage 【YOUTUBEより】


1955年制作、ピエール・ガスパール・ユイ監督による同名のフランス映画の主題歌です。
映画はセシル・サンローランの小粋な小説によるダニー・ロバン主演のロマンチックなB級ラヴ・コメディです。
この主題歌の『パリ・カナイユ』はレオ・フェレが1952年に作詞・作曲したもので、タイトルにある”Canaille”は
「ごろつき」といった意味合いです。
歌詞は、「巴里の下町・裏町」を、そこに身を寄せるぐうたらでろくでもない人々の姿に喩えてこれでもかというほど
雑言を並べながらも、常に”Mais c'est si bon”(でもとても素敵) とこの街に愛を寄せています。
映画では、歌手に扮したカトリーヌ・ソヴァージュ本人が映画の中で唄っていました。

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2014-03-03 映画音楽史(66)『巴里野郎』1956年公開

下町の関西人なら「アホな奴がぎょうさんおるけど、せやけどええ街やなぁ~」といったところでしょうか。