港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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映画音楽史(293) 『白い恋人たち』 1968年公開

2014-11-25 12:46:43 | 映画音楽



『白い恋人たち』 13 Jours en France (仏) 1967年制作
監督 クロード・ルルーシュ
    フランソワ・レシャンバック
音楽 フランシス・レイ
主題歌 『白い恋人たち』 ( 13 Jours en France ) 演奏・サウンド・トラック

フランス・グルノーブルで行われた第10回冬季オリンピック大会を美しい詩情と鮮やかな映像で仕上げた記録映画。
アルペン三冠王のジャン・クロード・キリー、フィギアの女王ペギー・フレミングなど各国の参加選手や観客などを実写で
収めた作品で、フランス・ドキュメンタリー界の象徴的存在のフランソワ・レシャンバックが全面的に協力している。

主題歌の『白い恋人たち』はフランシス・レイの作曲によるもので、お得意の電子オルガンを駆使しています。
フランシス・レイはこの主題歌の他にも『キリーのテーマ』『滑降のテーマ』『ペギーのテーマ』なども作曲していました。

↓はフランシス・レイ楽団の『白い恋人たち』 YOUTUBEより


映画音楽史(292) 『パリのめぐり逢い』 1968年公開

2014-11-24 11:35:46 | 映画音楽



『パリのめぐり逢い』 Vivre pour Vivre (仏) 1967年制作
監督 クロード・ルルーシュ
音楽 フランシス・レイ
主演 ロベール・コロンブ … イヴ・モンタン
    キャンディス … キャンディス・バーゲン
    カトリーヌ・コロンブ … アニー・ジラルド
主題歌 『パリのめぐり逢い』 ( Vivre pour Vivre ) 演奏・サウンド・トラック

テレビ報道キャスターと女子大生との不倫をメインにして独特の映像美で仕上げた華麗なるメロドラマ。
ロベールはフランス国内ではトップクラスのキャスターで妻のカトリーヌとも仲睦まじいが適当にプレイボーイでもある。
ある日、ロベールは女子大生のキャンディスと知り合い心を惹かれてしまい、アフリカロケに彼女を同行して結ばれる。
パリに戻ったロベールはカトリーヌの提案でアムステルダムに旅行するがロベールは途中に抜け出してキャンディス
との逢瀬をこころみる。すべてを悟ったカトリーヌはロベールを一人残してパリに戻る。ロベールはキャンディスと同棲を
始めるがお互いに心を埋め尽くすことはできず、傷心のキャンディスはニューヨークに戻る。妻にも見放されたと感じて
いたロベールは思わぬ妻の笑顔に迎えられる。

電子オルガンとストリングスによる主題歌の『パリのめぐり逢い』はフランシス・レイの作曲によるものです。サウンド・
トラックは彼の楽団の演奏によるものですが、ニコール・クロワジールによるスキャット盤と並行してヒットしました。
また、フランシス・レイはこのメイン・テーマの他にも、アフリカロケにおける『ロベールのテーマ』、ジャズ風のけだるい
ムードのトランペットが奏でる『カトリーヌのテーマ』、ロベールとキャンディスの出会いなどに使われた『キャンディスの
テーマ』なども提供していて聞きどころも満載でした。

↓はフランシス・レイ楽団の『パリのめぐり逢い』 YOUTUBEより






60年代ポップス変遷史 1961年7月

2014-11-23 12:09:42 | 60年代ポップス変遷史

1961年7月にはこんな曲が流行していました。

栄光への脱出 パット・ブーン
カレンダー・ガール ニール・セダカ
黒い傷あとのブルース アンリ・ド・パリ楽団
峠の幌馬車 ビリー・ヴォーン楽団
太陽がいっぱい サウンドトラック
悲しき少年兵 ジョニー・ディアフィールド
荒野の七人 アル・カイオラ楽団
ボーイ・ハント コニー・フランシス
サレンダー エルヴィス・プレスリー
スクスク (カテリーナ・ヴァレンテ)
アラスカ魂 ジョニー・ホートン
小さい悪魔 ニール・セダカ
禁じられた恋のボレロ ファルー
⑬コーヒー・ルンバ ウーゴ・ブランコ楽団
欲望のブルース ベルト・ケンプフェルト楽団


インデアン・ハープを駆使した『コーヒー・ルンバ』が初登場しました。当初は『蘭の花』のB面として発売されたものです。
これまでのインデアン・ハープを使った音楽と言えば、ディグノ・ガルシアやキンピン・イララの『カスカーダ (滝) 』があった
程度でしたがウーゴ・ブランコによって一気にメジャーな楽器になりました。
ウーゴ・ブランコはこの後も『鍛冶屋のルンバ』『かえるのルンバ』などを発表しますが、個人的には『悲しきルンバ』や
『ベネズエラの夜』がお気に入りです。

↓はウーゴ・ブランコ楽団の『コーヒー・ルンバ』 YOUTUBEより



10位にはピンピンとアル・ヴェルレーヌ楽団の『スクスク』が入りました。
この曲は他にもニーナとフレデリック、カテリーナ・ヴァレンテなどのレコードも出ましたが
さほどのヒットにはなりませんでした。
残念ながらピンピンとアル・ヴェルレーヌ楽団のYOUTUBEの動画は削除されていますので
リンクはカテリーナ・ヴァレンテにしておきます。

ベストテン入りはしませんでしたが、アート・ブレイキーとジャズメッセンジャーズの映画主題歌
危険な関係のブルース』やポール・アンカの『僕の恋物語』、ウーゴ・ブランコ楽団の『蘭の花
などもこの頃のヒット曲でした。


映画音楽史(291) 『暗くなるまで待って』 1968年公開

2014-11-22 10:08:05 | 映画音楽



『暗くなるまで待って』 Wait Until Dark (米) 1967年制作
監督 テレンス・ヤング
音楽 ヘンリー・マンシーニ
主演 スージー・ヘンドリックス … オードリー・ヘップバーン
    サム・ヘンドリックス … エフレム・ジーンバリスト・Jr
    ロート … アラン・アーキン
    グローリア  … ジュリー・ヘロッド
主題歌 『暗くなるまで待って』 ( Wait Until Dark ) 唄・スー・レニー

フレデリック・ノットのブロードウェイ舞台劇で、夫が持ち帰った人形のせいで盲目の夫人が恐怖に落ちるサスペンス作品。
サムは飛行機の中で知り合った女から人形を預った。サムも盲目の妻スージーもその人形の中に麻薬が詰め込まれている
とは知る由もない。やがて麻薬密売組織のロートたちが人形を奪い返そうと動き出す。最初はスージーを騙して人形を奪う
つもりであったが組織の三人が仲間割れして次々とロートに殺された。そしてロートはサムが出張に出かけた隙を狙って
スージーの部屋に侵入してきた。身の危険を感じたスージーは室内の全ての明かりを消して必死にロートから逃れようとした。
真っ暗闇の中でスージーとロートの息詰まる対決が始まる。

主題歌の『暗くなるまで待って』はヘンリー・マンシーニ作曲、ジェイ・リビングストンとレイ・エバンスが共同で詩をつけた
ものです。映画の本編ではスージーの部屋のラジオから流れる程度で確認するのも難しいほどでしたが、エンディング
ロールではヘンリー・マンシーニ楽団のコーラス員であるスー・レニーの歌唱で聞くことができます。

Who cares how cold and grey  the day may be.
Wait until dark and we'll be warm.
Our place of love is where we face our dreams together.
Where our fantasies take form.

↓はスー・レニーの『暗くなるまで待って』 YOUTUBEより



映画音楽史(290) 『2001年宇宙の旅』 1968年公開

2014-11-21 10:22:34 | 映画音楽



『2001年宇宙の旅』 2001: A Space Odyssey (米) 1968年制作
監督 スタンリー・カブリック
音楽 不在
主演 ボーマン … ケア・ダレー
    プール … ゲイリー・ロックウッド
    フロイド … ウィリアム・シルヴェスター
主題歌 『ツァラトウストラはかく語りき』 ( Also sprach Zarathustra ) 演奏・サウンド・トラック

NASAをはじめとする科学研究所などの協力を得て当時としては破格の90億円を投じて制作されたSF作品。
太古の昔、石柱モノリスは、猿がそれにふれることにより知恵を得て人類への進化に大きな影響を与えた。時代は現代
に移り、月に着陸した宇宙船オリオン号は石柱モノリスを発見、その磁気が木星に向いていることがわかる。そこで人工
知能を持つコンピューターのハルを搭載した探査船ディスカバリーが木星の探査に当たる。しかしハルは異常をきたして
船長のボーマン以外の乗組員の命を奪ってしまう。ボーマンはハルの機能を停止させて木星に到着したがそこには石柱
が待ち受けていた。ボーマンはその影響を受けて超越した進化をして胎児に逆行していく。

まず、この映像の製作に巨額の資金を投入したため音楽に対しては予算が回らなかったようで音楽監督は不在となり、
映画に流れる音楽はすべて既存の以下のレコードがサウンドトラックに貼り付けられています。
『ツァラトウストラはかく語りき』…作曲・リヒアルト・シュトラウス、演奏・カール・ベーム指揮ベルリンフィルハーモニー。
『ソプラノ、メゾソプラノ、二つの混声合唱』…作曲・ギョルギー・リゲッティ、演奏・フランシス・トラビス指揮バイエルン放送交響楽団。
『美しき青木ドナウ』…作曲・ヨハン・シュトラウス、演奏・ヘルベルト・フォン・カラヤント指揮ベルリンフィルハーモニー。
『無限の宇宙』…作曲・ギョルギー・リゲッティ、演奏・エルネスト・ブール指揮南西ドイツ放送管弦楽団。
ほかにも『永遠の光を』『舞踏組曲ガイーヌ』など。
この映画の主題歌としては冒頭とエンディングに使われた『ツァラトウストラはかく語りき』ということになっているようです。

↓はサウンド・トラックによる『ツァラトウストラはかく語りき』 YOUTUBEより



監督名の表記ですが、映画公開時のポスターは‘カブリック’となっています。その後、クブリックなどと表記されていましたが
現在ではキューブリックになっているようです。