<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

尖閣国有化から1年を経て・・・

2013-09-28 | 尖閣問題

またもや久々の更新で恐縮です。
あんまり書かないと、面白い記事、いや記事自体が書けなくなるかも・・・と心配したりしています。頑張らねば・・・。

さて、今回は久しぶりに尖閣関連を取り上げることに。

ご承知のとおり、2012年9月11日に当時の民主党政権が尖閣国有化を発表して早いもので1年が経過。
当時の様子を思い出すと、今となっては懐かしい感じですが、あの1週間ほどは独特の雰囲気に包まれていたのが忘れられませんね。
現地在住の日本人が道を歩いていてラーメンの汁をかけられたとか、飲食店で因縁をつけられたとか・・・色んな報告が領事館経由で伝えられてました。
ただ、この程度の話は日常茶飯事だと思うんですよね、そもそも日中関係は急激に悪化したワケでもないし、中国の庶民目線で見ると「日本人」は中国社会に積極的に入って来ないうえ、そこそこ高い店でばかり飲み食いしてると思われてるフシがありますから。。。

ただ、日系企業は安全管理というものに異常なほど神経を使うので、この時期、大手企業を中心に社用車での送迎に切り替える様子が結構見受けられましたね。いまは通常どおりに戻しているところが多いでしょうが。。。
ちなみに、ウチは小さな所帯で予算も少ないので、何が起ころうと普段どおり中国人をいっぱいに乗せたぎゅうぎゅう詰めの地下鉄で通勤。身を守る術と言ったら、出来るだけ日本人と思われないように、地下鉄の車内でスマホをイジらない(日本語表記でバレる)、小綺麗な格好を慎む(変な話ですが)という程度。
反日デモの当日、香港メーカーのTシャツを着て出勤したのを今でも覚えています。おそらく、あのとき日本人であの地下鉄に乗っていたのは数えるほどしかいなかったのではないか・・・と。
でも、何もなかったので、そんなもんなんです。悪く言うと「自意識過剰」ということになるが、とは言え、管理者の立場になると「万が一」を恐れる心理も分からなくもない。この辺りが途上国で闘えない日本の弱点なのかも。。。


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筆者も帰任して半年が経過。
徐々に中国の知識が薄くなっていくのが自分でも身に染みて分かるので、やっぱり寂しいですね。勿論、もっと研鑽すればいいという話もあるが、やはり現地での刺激に勝るものはない。また機会があれば・・・なんてね。

さて、話を戻して。
尖閣国有化から1年が過ぎたワケだが、政治的な関係は凍りついたままですね。
お互い振り上げた拳はなかなか下ろせないといった表現が正しいのかも。。。
この1年で、日中双方とも政権交代が行われた。
両国の政治風土が全く異なるため、単純な比較は不可能だが、日本側では現自民党政権は民主党時代の重いツケを背負わされているというイメージ。

とかく右傾化が指摘される安倍政権だが、対中関係がこのままでいいと思っているワケもなく、何とか糸口を見出そうとしている様子が見受けられる。
まあ、自民党は長く政権の座に留まっていたので、古くからの中国政府人脈も多少は残っているようなので、その辺りに期待するしかないのかも。。。

一方の中国政府は、思いのほか頑固一徹といった印象。
もう少し対話の余地が生まれてくると思ったんですけどね。
もっとも、海洋覇権を目指す中国の姿勢は対日本だけではなく、フィリピンとの政治関係も悪化したままだし、他の東南アジアの国々も中国の顔色を窺いながら・・・という状況が見受けられる。
やっぱり世の中、カネがモノを言う世界ですから。
現政権、まだ権力の基礎固めをしている段階と言えるので、下手な妥協は得策ではないという心理も働いているのだろう。景気もあんまりよくないですしね。

ただ、1年前と比べると、環境整備は少しずつ進みつつあるようだ。
今年の9月11日には、反日デモが再発しないよう、中国政府はかなり神経を使っていたようだし、先日は立ち話とはいえ、首脳同士が挨拶を交わすということも実現できた。
こうなってくると、いったい日中首脳会談はいつ行われるのか?に注目が集まる。
ホント、いつなんでしょうね・・・?


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いま、直近で期待する声が高いのは、APEC期間中の実現。
いわゆる10月7、8日あたりですね。
中国にとっては、ちょうど長期休暇である国慶節の終わり頃ということで、国民の関心が自分たちの休暇に向けられる時期なので、案外仕掛けやすい時期とも言える。
もっとも、現状から分析すると、正式な日中首脳会談が実現する見込みは薄いと言わざるを得ない。
お互い、譲歩する姿勢を見せていませんから。。。
せいぜい、先日の挨拶を交わすという段階から一歩進んで、外相会談あるいは首脳同士の意見交換といったところが落としどころではないか。

では、日中の首脳が正式に向き合うのはいつ頃になるのか?
筆者の読みでは「経済」がキーワードになると思っている。
なぜなら、日本はアベノミクスでデフレ脱却期待が高まっているが、来春の消費増税で一旦景気が腰折れするのは間違いないだろう。
他方、中国もシャドーバンキングや不動産バブル懸念といった難題を抱えたまま、どうにかこうにか経済運営しているという厳しい現状にある。
つまり、両国とも「経済」という風船がいつ弾けてもおかしくないのである。

こう考えると、来年の夏前くらいになると、とりあえず経済交流から活発化させようという現実路線の話が浮かんでくるのではないかと推測している。
なぜって、ここまで関係がこじれたら、お互い理由が必要でしょ?
人間関係だって、喧嘩して謝るのは、やっぱりこのままじゃマズイっていう状況を打破するためですもんね。
景気が悪くなると、政権トップの権威も揺らぎますからね。
しかも、この険悪な政治関係の中でも、両国の経済交流は淡々と進んでいますから、経済分野から協力関係を再構築していくっていうのは、最もダメージが少ないワケです。

ま、この推測、当たるかどうかは神のみぞ知る・・・ですけどね。


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