CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ)

神戸・岩国の最新情報を中心に紹介していきます。歴史や時事について調べた結果を紹介。

2015年勝福寺追儺会式 on 2015-1-7

2015年01月30日 05時18分20秒 | 神戸情報
2015年1月7日 18:00から行われた勝福寺の追儺式(追儺会式)の様子を
紹介します。

上の写真は勝福寺追儺会式の提灯。

まず、勝福寺の紹介をさせていただきます。

勝福寺の基本情報

住所:神戸市須磨区大手町9-1-1   TEL:078-731-1253 代表者 高橋紹之氏
山号は桂尾山 高野派高野山如意輪寺末
ご本尊:聖観音菩薩


勝福寺の由緒
勝福寺は永延2年(988)、太政大臣藤原伊尹(これただ)の3男の藤原英雄丸が
勅命(一条天皇)で証楽上人と名を改め、摂津の国神撫山(高取山麓)に草庵を設け、
鹿松峠附近に出没する鬼人を平定した後開基した寺といわれています。
創建当初は36坊、七堂伽藍を有する大きな寺であったようです。
数年後の長徳2年(996)山津波によって大半を失った。
平清盛が経ケ島築造の際、この寺の宗徒達が協力したので重要文化財になっている
金銅製の密教法具の他築島供養式の際の幡などが寄進されています。
金銅密教法具は日本最大級のもので、現在は大阪市美術館に寄託されているそうです。
また、平知章(たいらのともあきら)の甲冑も所蔵されています。
南北朝時代高師直(こうのもろなお)、高師泰(こうのもろやす)の放火掠奪
(りゃくだつ)に遭いその後、再建されたが往時の壮観を取り戻すことはできなかった。
昭和13年(1938)、阪神大水害により本堂及び毘沙門堂が倒壊しました。
以来70年間、庫裏を仮本堂とし、本格的な本堂がないまま今日に至っています。
しかしこの度、本堂の再建に取り掛かる運びとなり平成18年(2006)7月吉日に着工し、
平成21年(2009)の4月4日に落成供養式が行われました。


本堂の右手に追儺式(追儺会式)の式次第が書かれていましたので引用させて
いただきます。

本堂にて住職、僧侶が読経、トンド結界前にて僧侶が読経
トンド火付け 住職法楽後本堂にタイマツを受け取り火をつける
赤鬼・白鬼2匹が山門に住職先導門松を取りにいく
赤鬼太郎が青カシを白鬼次郎が赤ホソを持ちトンド火口に運ぶ
赤ホソを下に、青カシを上に x印に組み焚く

鬼おどり
1回 赤鬼が斧、白鬼が槌を
2回 子鬼4匹が火振り
3回 子鬼4匹 カッタリコ
4回 赤鬼が斧、白鬼が槌を 青鬼 鬼おどり
5回 子鬼4匹 カッタリコ
6回 赤鬼が斧、白鬼が槌を 青鬼、黒鬼、天狗
7回 子鬼4匹 カッタリコ
8回 赤鬼が斧、白鬼が槌を 青鬼、黒鬼、天狗 鬼おどり
9回 子鬼4匹が餅切り盆を持ってくる
10回 餅切り 赤鬼が斧、白鬼が槌を 他の鬼は舞台外で待つ
11回 くじ引き 赤鬼、白鬼、青鬼








子鬼4匹によるカッタリコ カッタリコは子鬼達がもっている杖のようなもので
カッタリコを床にうちつけ悪魔を払っている















松明は小麦の穂で作製されています。

トンドの焚き穴を作製する際、当年の恵方に火口が作られます

勝福寺追儺会式での鬼追いの特色

天狗が登場するのは兵庫県の他の追儺式(追儺会式)には見られない。
天狗が槍を手に持ち鬼を追いやる所作を行う。
勝福寺の寺伝で鬼踊りは証楽上人が鹿松峠附近で鬼退治をしたときの
鬼退治の踊りと伝えられている。
この所作が天狗の所作ではと推測されます。


関連サイト

 神戸の追儺式(修正会) 2013年改訂版

追儺式について記します。

追儺(ついな)とは、大晦日(12月30日 (旧暦))の宮中の年中行事であり、
平安時代の初期頃から行われている鬼払いの儀式。「鬼やらい」(鬼遣らい、
鬼儺などとも表記)、「儺(な)やらい」、鬼追い(鬼追会)、鬼踊り
とも呼ばれる。現在の節分の基礎となった行事である。


古くに中国から伝わった、年の終わりに方相氏が悪鬼を駆逐する追儺行事が、
やがて寺院の年頭の行事である、天下泰平・五穀豊穣・招福攘災を祈る修正会に
附属する行事、追儺で踊るようになったものです。
現在は正月から小正月、節分にかけて、真言宗・天台宗を中心とする寺院で踊られます。
慶雲3年(706)文武天皇の時に流行した疫病を追い払おうと、宮中で大晦日に
鬼払いの儀式として行われたのが始まりとされています。
東大寺での修正会は天平勝宝4年(752)から行われている。
東大寺では修二会と呼ばれています。



五来 重・桜井 徳太郎・大島 建彦・宮田 登=編
講座日本の民俗宗教 2 仏教民俗学
III 仏教年中行事

修正会・修二会と民俗(五来 重)から類型を整理したものがありましたので
紹介しておきます。

多くの修正会、修二会はこれら16の類型のいくつかを組み合わせて行われています。

  1)参籠型
  2)鏡餅型
  3)造花型
  4)香水型
  5)悔過(けか)型 走りの作法 五体投地(ごたいとうち)
  6)乱声型 杖や棒で床を打つ 鐘、太鼓、法螺貝や喚声をあげる
  7)反閇(へんぱい)型 達陀(だだ) 走りと松明と八天跳躍からなる
  8)鬼走型 鬼の面をつけて反閇
  9)田楽型 田楽能
 10)神楽型
 11)火祭型 松明を担ぐ
 12)裸祭型 裸で水垢離(みずごり)、押し合い、牛玉(ごおう)を争う 会陽(えよう)
 13)牛玉型 牛玉宝印を加持し、これを参詣者や牛玉紙に捺す
 14)大般若型 大般若経の転読
 15)神名帖型 八百万神(やおよろずのかみ)を集める
 16)魂祭型   過去帖を詠む


追儺式での鬼の所作と付随行動の意味は下記のとおりです。

1)松明(たいまつ)を振り反閇(へんぱい)を踏む   
   松明の呪力で災難を除く(悪魔を払う)、農耕(豊作)の予祝として
   大地を清め蘇らせる

2)法螺貝を吹き、太鼓をたたく
   乱声に通じ、悪を払う

3)餅切り    
   五穀豊穣の予祝

4)トンド    
   穢(けがれ)を落とし清める


勝福寺 追儺会式 厄除祈祷竹

厄除祈祷竹は、一本一本節が残るように伐採した青竹を、
当寺本堂において加持祈祷をしたもので、
これを高野山奥之院・燈籠堂の「不滅の法燈」から
分燈した聖火によって点火した境内の護摩(とんど)に投入し、
破裂させることによりその爆音と爆風によって皆様の厄を消滅させるものです。
護摩の火は仏様の智慧を表し、
その火で衆生の煩悩の象徴である厄除祈祷竹を焼き尽くすのです。
また、併せて皆様の願い事を一つ書いて頂き、
その成就を祈願いたします。


















コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スカイマーク新社長が会見 ... | トップ | ランチパスポート神戸三宮版... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

神戸情報」カテゴリの最新記事