ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

夜と霧

2012年09月10日 | メッセージ
愛する父や
難病で苦しんだジョーズ先生が
この世から居なくなってから、半年。
まだ、半年…
人の生きる意味について、考えています。

家族や身近な人を愛し、愛されることや
自分らしく生きることが出来たら、幸せ…。

それが、私たちが、生きる意味なのでしょうか?

フランクルが言うように
人生は、私たちに生きる意味をもたらしているのでしょうか?

何年か前の話。

2時間かけて福岡県八女市矢部村にある
矢部保育園に講演に伺った時の話です。

講演も終わり、事務所でお茶をいただき、さあ帰りますと言う時、
見送ってくださった優しく穏やかな可愛らしくもある園長先生が
急に私の手を強く握り、
しっかり目を見つめて
「カウンセラーの仕事は、先生の使命です。
応援しています。頑張ってください。」
と、力強く言っていただき、
私は、予期せぬ出来事に
ビックリして、ハッとしたのを覚えています。

私が保育園の頃、お昼寝をしていない子を見つけると、
お布団から引きずり出して、
叩く先生がいました。
怯えた幼い私は、常に怒られないように
身体に力を入れ、
殆ど口もきかず、
先生方の言う通りにして、
お利口さんにしていました。

あの怯えた体験が原因で、
大きくなってもずっと、
人から怒られたり、嫌われたりしないように
常に緊張して生きてきました。
よほど、怖かったのでしょう。
私の大きなトラウマです。

確かに、園長先生に言ってくださったように
私は、あの体験があるから、今の仕事をし、
特に、子育て支援に力を入れているのだと思います。

逆に、あの体験が無ければ、
カウンセラーの仕事はしていないと思う程です。

また、男の子三人、4年半の間に出産し、
夫も7年間、単身赴任で、
留守が多く、苦労したことなども
母親支援したくなる理由です。

人生に起こることは、意味のないことは、ないのかもしれない…

先日、セミナーをしてくださった
日本交流分析学会の理事長
杉田峰康先生は、「夜と霧」の著者
フランクルが
究極の目指す姿だと語られました。

極限の中でも高貴に自由に生きた彼の姿は、
人間って、すごいんだと、驚き、
感動さえ感じます。

フランクルの著書「夜と霧」をご紹介します。

「言語を絶する感動」(朝日新聞)と評され、
人間の偉大と悲惨をあますところなく描いたこの本は、
日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万部を超え読みつがれています。


「夜と霧」ドイツ強制収容所の体験記録
V.E.フランクル, 霜山 徳爾 訳

みずからユダヤ人としてアウシュヴィッツに囚われ、奇蹟的に生還した心理学者であるフランクルの
「強制収容所における一心理学者の体験」(原題)です。
「この本は冷静な心理学者の眼でみられた、
限界状況における人間の姿の記録である。
そしてそこには、人間の精神の高さ
と人間の善意への限りない信仰があふれている。

だがまたそれは、まだ生々しい現代史の断面であり、
政治や戦争の病誌である。

そして、この病誌はまた別な形で繰り返されないと誰がいえよう」
(「訳者あとがき」より)。

1956年8月の初版刊行と同時にベストセラーになり、
約40年を経たいまもなお、読まれています。
「この手記は独自の性格を持っています。
読むだけでも寒気のするような悲惨な事実をつづりながら、
不思議な明るさを持ち、
読後感はむしろさわやかなのです」(中村光夫氏評)。


『夜と霧』 霜山訳版と新版(池田訳)があります。
新版には、アウシュビッツの写真などは、掲載されていないようです。



原著の初版は1947年、日本語版の初版は1956年。
その後著者フランクルは1977年に新たに手を加え、改訂版が出版されました。
みすず書房では、改訂版のテキストよりまた新たに『夜と霧 新版』(池田香代子訳)を2002年に出版し、
現在は、『夜と霧――ドイツ強制収容所の記録』霜山徳爾訳本と、
『夜と霧 新版』池田香代子訳との、
ふたつの『夜と霧』がある。
いずれもみすず書房刊。

著者は、
ヴィクトール・E・フランクル
Viktor Emil Frankl
1905年ヴィーンに生まれる。
ヴィーン大学医学部卒業。
1955年からヴィーン大学教授(神経学、精神医学)。
実存分析、ロゴテラピーの創始者。
1997年9月歿。
著書『死と愛――実存分析入門』、
『時代精神の病理学』、
『神経症――その理論と治療』
『精神医学的人間像』
『識られざる神』。
コメント (2)
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