ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

命の授業

2012年06月10日 | メッセージ

福岡県立浮羽究真館高校の文化祭に呼んでいただきました。
朝倉の三連水車の近く
写真のようにのんびりした風景に空気が澄んでいて、身体も心も深呼吸!
600人を超える生徒さんたちは、一時間半の『命の授業』を暑い中、よく聴いてくれました。

さて、今日は『命の授業』。
私たち母親は、子育てしていて
はたと『私の子育ては、これで良いのか?』
なんて、不安になるものです。

特に、私のように働いていると
子どものために仕事を辞めて家に居てあげた方が良いのかと
考えてしまうこともあります。

神戸連続児童殺傷事件を思い出します。
1997年 当時14歳の酒鬼薔薇と名乗るいわゆる『普通の中学生』が
通り魔的、遺体損壊を伴う殺傷事件を起こし
社会に衝撃を与えた。
中流の家庭、母親は、専業主婦のPTA活動にも協力的。父親は、忙しい。
普通、こういう凶悪犯が育った家庭は、
ネグレクト、愛情剥奪、虐待などの問題があると思うが、
そうでなく、少年の親は、愛情があり、
普通の家庭で育っていた事もショックでした。

少年の両親の著書『「少年A」この子を生んで』には、
母親が「少年は良い子ではなかったが、愛していた。」とある。
母親は、年子の「弟をいじめる少年に注意して、弟が泣いても止めない時は、お尻を叩いた。」と書いている。
「弱いもの、小さいものをいじめてはならない、と教えたかった」と。
異常に厳しい訳でもない。

ところが、母親の気持ちとは裏腹に少年は、こう感じていた。
「ぼくは、弟をいじめて母親に週に2~3回殴られた。
ぼくが悪いからですが、母は僕を好きではなかった。
でも、ぼくは、マザコンだった時期がある。
母を必要以上に愛していたというのが僕のすべてでした。」
と、供述している。
母親が少年を好きだったことは、伝わっていなかった。

また、少年は、「人間の壊れ易さを確かめたかった。」
鑑別所では「自分のような人間は生まれて来なければ良かった。
このまま死にたいです。」と、淡々と語ったとか。

ひょっとしたら、お母さんも小さい頃から「良い子」にして甘えるのを我慢していたのかもしれない。
だから、長男である少年Aを「良い子」にさせようとしたのだろう。

我が家もこの少年の家庭と同じように
年子の男の子がいて、さらに三人目にも男の子がいるから、
母親の大変さは、想像がつく。
確かに、うちでも長男は、ヤキモチ焼いて、
弟にちょっかい出して私も怒っていた。

今にして思えば、長男が弟をいじめるのを叱るだけでなく、
弟をいじめていない時に長男にかまってあげることが大事だったと思う。

やはり、母親が働いていようが、家に居ようが、
子どもが「自分は、親から好かれている。
愛されている。
生まれてきて良かった。」
と思えるようにしてあげることを考えて。

良い子じゃなくても、
言う事聞かなくても
散らかしても
はしゃぎ過ぎても
弟をいじめても
「大好き」と、抱きしめてあげてください。

そして、たとえ、親が自分にそうしてくれなくても
私たちは、生きる価値がある。
だから、人も自分も殺さなくて良い。
コメント (6)
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