ちえたまブログ

ブログ人よりお引っ越ししてきました。よろしくお願いします!

旅先でのホラーな小説?

2008-01-29 03:35:02 | 小説

ベットにちょっとした応接セットでとても狭苦しいホテルのシングルルーム

まっ、ひとり泊まるだけの利用なのだから、いつものようにテーブルには飲み物とつまみ

しかし、今日はその泊まりなれているホテルの一室なのになんだか外が騒がしい

どうも夜中まで団体客でも泊まっているのか、部屋のドアの開け閉めの音がバタン、バタンとうるさい、フロントへ苦情でも入れようかと思うほどだった

しかし、程なくその音も消えてしまった いつものように静まり返った平穏が戻ったと思ったとたん「トントン」とドアを叩く音がした、気のせいかと思ったとき再び「トントン」と聞こえる こんな夜更けに訪ねてくる人などいるはずのない場所である 仕方がないので「はい」とドアを開けてみる 女が立っている 顔を見るなり部屋の中に飛び込んできた

透けるような青白い肌をしたその女の姿に愕然とした・・・ロン毛になんと十二単は見事に脱ぎ捨てられている きゃっと抱きつかれて悪い気はしない男というものは浅はかなのだ 女は言った「光源氏さま」。。。何時代の女なの 幽霊にしては美味しいシチュエーションである 男としてはここでひるんではと思いながらも「光源氏さまは、お隣では」と親切にも女に対して間違いを正していた なんとも損な性分である

はっとした女は、「あなたは正直者です この銀の斧を差し上げましょう」と、どこかで聞いたことのあるフレーズ 「いやいや、別に斧を湖の中に落としたわけでもないので私のではありません」と、またまた正直者に浸ってしまった 女は「このことは誰にもしゃべってはいけませんよ」という「こいつは雪女か」と心に思いながら「はいはい、誰にもしゃべりません」と約束してしまっている 我ながらあきれる しかし、女は「あなたの望みをひとつだけ叶えてあげましょう」というではないか も~う、男としては望み叶えられるのならひとつしかないっつぅーの

「帰って!」

幽霊には、どうぞお帰りくださいと頼むが一番、取り付かれては一大事である 


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