【最新】福島の子供の甲状腺がん分布地図&チェルノブイリとの比較(抜粋)
http://www.sting-wl.com/fukushima-children3.html
≪2008年福島県の甲状腺がん罹患数≫
※罹患数(りかんすう)とは新たにがんと診断された人数
年齢 | 男 | 女 |
0-4歳 | 0人 | 0人 |
5-9歳 | 0人 | 0人 |
10-14歳 | 0人 | 0人 |
15-19歳 | 0人 | 0人 |
20-24歳 | 0人 | 0人 |
25-29歳 | 1人 | 3人 |
30-34歳 | 2人 | 3人 |
35-39歳 | 2人 | 9人 |
40-44歳 | 1人 | 5人 |
45-49歳 | 1人 | 6人 |
50-54歳 | 1人 | 8人 |
55-59歳 | 3人 | 15人 |
60-64歳 | 6人 | 5人 |
65-69歳 | 3人 | 13人 |
70-74歳 | 4人 | 11人 |
75-79歳 | 3人 | 9人 |
80-84歳 | 1人 | 5人 |
85歳~ | 3人 | 1人 |
全年齢合計 | 31人 | 93人 |
男女総計 | 124人 |
2008年の福島県では、0歳~19歳まで小児甲状腺がんになった子供は男女とも0人だったのです。しかも20歳~24歳の男女まで0人です。
つまり福島県民の子ども達が元々、小児甲状腺癌になりやすい体質や遺伝子をもつわけではない。
なお福島県では小児甲状腺がんが0人だった2008年。2008年の日本全国すべての0歳~19歳の子供達で小児甲状腺ガンになった人数は、男女合計で72人と推定されています。※6
2012年に福島県で見つかった小児甲状腺がん患者数は、下記の一覧表の通り男子21人女子35人の合計56人です。
≪福島県小児甲状腺がん及び疑い患者数≫
西暦 | 男 | 女 |
2011年 | 5人 | 10人 |
2012年 | 21人 | 35人 |
2013年 | 12人 | 26人 |
2014年 | 3人 | 1人 |
合計 | 41人 | 72人 |
男女総計 | 113人※10 |
2008年から4年のズレがあるので単純に比較できませんが、もし同じ年なら全国患者数の77%を福島県だた1つの県のみで占めていることになります。
それから1つ前の一覧表で2008年福島県の男性の甲状腺がん患者数は全年齢の合計で31人しかいないということを今一度、一覧表でご確認下さい。この福島県の男性の甲状腺がんは、全年齢を合計しても31人しかいないということが、これからすぐ下で検証する福島原発事故後の福島県内の小児甲状腺がん患者数の急増を考察する重要なポイントとなるからです。
年月日 | 患者数 | 患者は何人に1人いる? |
2013年12月31日 | 74人 | 3639人に1人 |
2014年3月31日 | 89人 | 3320人に1人 |
2014年6月30日 | 103人 | 2874人に1人 |
2014年10月31日 | 112人 | 2648人に1人 |
福島県内の小児甲状腺癌患者数の割合は、発表のたび高くなっていていることがわかります。
前々々回2013年12月31日は、3639人に1人
前々回2014年3月31日は、3320人に1人
前回2014年6月30日は、2874人に1人
今回2014年10月31日は2648人に1人となりました。
今回の福島県の子供達の小児甲状腺がんの発病率を私達はどのように考えればいいのでしょうか?
今回の福島の調査結果と比較できる資料はないか?探していたところチェルノブイリ原発事故当時の日本とベラルーシの小児甲状腺ガン患者数の資料を見つけることができました。しかも17年分も。その資料と福島県の資料をわかりやすく比較してみます。
日本でよく言われる100万人あたり何人が小児甲状腺がんになるか?という形で統一し、さらに原発事故後何年で甲状腺がんが増えるか?が一目で分かるように1年ごとの年表にして、今回の福島県の調査結果と共に一覧表にしてみました。
≪チェルノブイリと福島原発事故の比較≫
100万人に何人小児甲状腺がん患者がいる?
チェルノブイリ原発事故 | 福島原発事故 | |||
原発事故から | 日本 | ベラルーシ | 福島県 | |
0-14歳 | 15-18歳 | |||
0年 | 0人 | 0人 | 3人 | 334人 |
1年 | 0人 | 1人 | 8人 | 401人 |
2年 | 1人 | 3人 | 3人 | 329人 |
3年 | 1人 | 2人 | 2人 | 49人 |
4年 | 2人 | 12人 | 6人 | |
5年 | 2人 | 23人 | 14人 | |
6年 | 3人 | 29人 | 10人 | |
7年 | 2人 | 34人 | 29人 | |
8年 | 2人 | 35人 | 32人 | |
9年 | 1人 | 40人 | 38人 | |
10年 | 1人 | 38人 | 30人 | |
11年 | 1人 | 31人 | 42人 | |
12年 | 2人 | 26人 | 56人 | |
13年 | 2人 | 25人 | 66人 | |
14年 | 2人 | 17人 | 95人 | |
15年 | 2人 | 7人 | 113人 | |
16年 | 2人 | 0人 | 97人 |
チェルノブイリ原発事故後も、日本の小児甲状腺癌患者数は100万人中0人~3人で安定しています。これに対してベラルーシは0-14歳は原発事故後4年後から100万人中12人、15-18歳は原発事故後5年後から100万人中14人となり、そのまま爆発的な上昇を続けています。
このチェルノブイリ原発事故当時の日本とベラルーシと比較することで、今回の福島県の小児甲状腺がん患者数がいかに異常な数値か…はっきりしました。福島原発事故のあった2011年に100万人中334人、1年後には100万人中401人、2年後も100万人中329人、3年後はまだ検査結果の27%しか確定していません(2014年10月31日現在)がベラルーシと同程度の100万人中49人となっています。
しかし福島県の甲状腺検査の責任者である福島県立医科大学の鈴木眞一教授は、この甲状腺がんの急増と福島原発事故との因果関係を事故当初から一貫して完全否定しています。
参考動画
シリーズ東日本大震災
38万人の甲状腺検査~被ばくの不安とどう向き合うか~/NHKスペシャル
東京電力福島第一原発事故によって広範囲にわたり住民が被ばくするという、かつて経験したことのない事態に直面している福島県。県は、福島県立医科大学と共同で18歳以下のすべての子ども38万人あまりを対象に甲状腺がんの検査を行っている。ところが今、その検査を担う医療機関の対応をめぐり、住民の間に不信感が高まっている。検査の過程で当初、住民が必要とする情報が提供されなかったりして、住民の“不安”に寄り添う姿勢が見られないというのだ。
チェルノブイリ原発事故の影響に向き合ってきたベラルーシでは、こうした検査を長期的・継続的に行い、早期発見、早期治療につなげている。福島県で今のような状態が続いていけば、受診する人が減っていく可能性があり、県立医科大学はこうした事態を受けて、新たな取り組みを始めている。
住民の不安に向き合うには何が必要なのか。住民側、医療側の様々な取り組みを取材しながら、福島で起きている事を記録し、考える。