ガレキ広域処理による放射能被害についての宮崎県の質問と環境省の回答
ブログ「院長の独り言」から引用
ガレキ広域処理による放射能被害が出た場合のことについて宮崎県が質問し、環境省が回答している文書がありました。
広域処理についての質疑への回答(環境省) PDF
(1)焼却処理の安全性について
環境省が示した資料によれば、高性能排ガス処理装置(バグフィルター)で放射性セシウムはほぼ100%除去できるとあるが、逆を言えばバグフィルターに放射性セシウムが集積され、高濃度化する恐れがある。そうなった場合に、バグフィルターの交換作業や現場に従事する職員等の安全面への影響及び施設が放射能に汚染される恐れがないのか。また、そのような状況になった場合の国の対応はどうなるのか。
A.広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低く、一般廃棄物として通常通り処理していただけるものです。また、逆噴射により定期的に放射性物質を含むばいじんを落としています。そのため、バグフィルターに放射性セシウムが高濃度に蓄積していくことは想定されず、追加的措置をせずに通常の処理方法で処理いただけると考えます。
なお、今回広域処理をお願いする災害廃棄物を既存の焼却施設で混焼した場合、その焼却灰の放射能濃度は8,000Bq/kgを大きく下回るものと考えられますが、万が一8,000Bq/kgを超えた場合は、放射性物質汚染対処特措法に基づき指定廃棄物として国が責任を持って処理します。
放射能の知識はないと公言していながら、自信たっぷり。そして、8000Bq/kgを超えなかった場合には、自治体で処理せよと言っています。宮崎の地にこのようなモノを埋めて、水に溶け出したらどう責任を取るのですか?(もちろん、宮崎も聞いています)
(4)健康被害に対する国の責任について
○ 放射能による汚染、健康被害は起こらないとの説明であったが、もしも起こった場合は、その対応や賠償については国が責任を負うと断言されるのか。
A.広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低く、通常の一般廃棄物として処理していただけるものであり、そのような事態は想定していません。
想定しなければ、起きない。こんな詭弁が通用すると思っているところが、環境省です。なるほど、私が質問したときにも答えなかったはずです。もしも起きても、「想定外」として、言い逃れるつもりでしょう。自治体の方、これでいいのですか。国は、なんの責にもとらないと明言しているのですよ。
(5)内部被ばくの影響について
○ 環境省の説明では、放射性物質が発する放射線を人体の外から受ける場合について、即ち外部被ばくのみに対する安全性を説明されたが、がれき受入れに反対している大多数の人々が恐れているのは、内部被ばくの危険性についてである。処理中から処理後将来に渡り、生活環境中に漏出する可能性があるため、外部被ばくについてだけではなく、内部被ばくについての安全性についても、科学的
知見やデータなどをもって十分な説明をいただきたい。
A.広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低く、一般廃棄物として通常通り処理していただけるものです。焼却施設や埋立処分場では、廃棄物処理法に基づき、排ガス処理、排水処理や覆土によって環境中に有害物質が拡散しないように管理が行われていることから、周辺住民の方にとって問題なく安全に処理することができます。そのため、災害廃棄物の受入れにより放射性物質が生活環境中に高濃度に漏出することは想定されません。
一方、広域処理によって住民の内部被ばくが増加する心配はありません。1000Bq/kgの廃棄物を焼却した場合に排ガスが拡散し、周辺住民がそれを吸入することによる内部被ばくは、年間0.00002ミリシーベルトと極めて低いレベルにとどまると評価されています。
(出典:災害廃棄物等の処理・処分のシナリオに対する線量評価結果の整理(平成23年11月15日 日本原子力研究開発機構)) p32~43
なお、我が国においては、平成23年12月22日に「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ報告書」が取りまとめられており、この中で、国際的な合意に基づく科学的知見によれば、放射線による発がんリスクの100mSv/年以下の低線量被ばくでは、発がんリスクの明らかな増加を証明することは難しいとしています。
証明するのが難しいから、被害が起きないはずはありません。発がんリスク以外にも様々なリスクがあるのに、証明するのが難しいからオレは知らない。単純に言うとそんなことです。実効線量当量を使えば、被害が起きないと証明するのは、「科学的には」簡単なことです。
(8)セシウム以外の放射性物質について
○ セシウム以外の核種(プルトニウム、ストロンチウム等)については、環境中に放出された量としては、セシウムと比べて微量で、積算実効線量が極めて小さいとされているが、少量とはいえ、本来環境中に出ないはずの核種を無視して大丈夫なのか。
A.プルトニウムや放射性ストロンチウム等については、これまでの調査の結果、放射性セシウムに比べ、積算実効線量が非常に小さく、安全面での影響が十分に小さいと考えられます。このため、これらの核種について計測等を行う必要はないと考えています。
ストロンチウムは一切測っていない。測らなければ、健康被害など起きるはずもない。そうなんですか?
放射能に関して、特に内部被曝に関しては何もわかっていないに等しいのに、このような暴論でもって、自治体を説得しようとするとは、一体環境省は、誰のために仕事をしているのでしょうか。そして、この言葉は、環境省が出した正式文書です。私には腹が立ってたまらないのですが、…