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なんか火砕流、川内原発を“よけて行く”のですね・・・再稼働“第1号”は「日本一危険」な川内原発

2014-03-27 10:38:01 | ニュース

 

火砕流がよけて行く川内原発!! 九電シミュレーションの怪しさ

以下

 先日も書きましたが、九州電力川内原発の安全審査、見れば見るほど怪しさは増してきます。


(原子力規制委員会HPより「資料2-2川内原子力発電所 火山影響評価について(コメント回答)【PDF:28.8MB】」)

 なんか火砕流、川内原発を“よけて行く”のですね。↑これ結局、川内原発に到達しているように見えますが、周りはべったり火砕流だらけなのに、川内原発のところだけポカッと、隙間になっています。
 ここ、追求しないのはおかしいです。もちろん、規制委員会でもやっています、“穏健な”言い方ではありますが。

http://www.youtube.com/watch?v=TEdLr5HXaIg&feature=share&t=2h57m02s
(埋め込みコードが出来ないように設定されていますので、外部リンクとなっています)

  規制委・吾妻・規制専門委員、九電シミュレーションについて「2点教えてください」と、突っ込みます。第1点は、「初速度がゼロに設定されている」点で す。これは「噴煙柱が上がって落ちてくるという設定になっています」ね、と。吾妻氏はこうやんわりと表現しますが、要するに、「“火砕流直撃”というイ メージとはちょっと違うかな」ということですね。
 そして第2点は、「(九電シミュレーションは)火口を桜島の少し北に置いているが、桜島の山頂とか、姶良とか、他の位置にとったらどうなるか」です。
 これに対する九電・香月・副長の回答は次のようなものでした。

  「(第1点について)今回の計算につきましては、私どもとしては初の試みでございますので、できるだけパラメーターを少なくしたい・・・略・・・今回は初 速度を入れていない。・・・略・・・詰めた段階ではそういったパラメーターを入れるべきだというふうに考えております。(第2点について)本来であれば今 の噴火としては桜島から吹く。ただ現在の状況からすると姶良カルデラのどこからでも起きる可能性があるということで、基本は今、(姶良カルデラの)中心か らやってます。・・・略・・・ 比較的初期の周辺の地形の影響がございまして、・・・略・・・サイトに向かっては非常に山地がございますので、姶良カルデ ラ周辺どこにおいても今の計算ですとたぶん来ないという結果が来るだろうということで・・・」

 なぜ川内原発のところがポカッと空白地帯になるのか、問わず語りに回答が出てきました。後半のところです。噴火地点から川内原発方向に(初期の地形として)山地が来るように設定したシミュレーションだったということのようです。
 ここまで言わせておいて吾妻・専門委員はしらっと言います。

  「考え方につきましてはよくわかりました。・・・略・・・パラメーター設定、難しい問題ではありますので、シミュレーション、これが1つの答えだというこ とはまず出せないと思いますので、いろいろなケースを検討していただいて、・・・、想定の幅を広げていくことが望ましいかと思いますので、よろしくお願い 致します。」

 いやいや、下手にパラメーターいじったりしたら、川内原発直撃になっちゃうじゃないですか。やっと見つけた「言い逃れパラ メーター」だったのに・・・。初速も付けなきゃいけない、噴火位置もいろいろ設定してみなければならない、しかも、いろいろやる必要を第1点への回答で言 わされてしまっている!! 九電のシミュレーション担当者、頭抱えたのではないでしょうか。
 この追求を、追求とも感じさせない淡々とした語り方でボソッ語る吾妻・規制専門委員、たいした狸です。


(朝日新聞西部本社版朝刊 3月20日)

 共同通信が「川内原発、3万年前に火砕流到達 九電が再現試算提示」と、この審査会合で明らかとなった川内原発の問題点について言及したのに対して、朝日新聞は、九電が作り上げた虚構の安全に飛びつきました。でも実態は、とても「規制委、大筋で了承」とは見えないんですが。吾妻・規制専門委員の突っ込みとか、全然読めてないようです。はっきりと川内原発が「立地不適」となる可能性に言及した島崎・規制委委員長代理の言葉も見えなかったのでしょうか。

 まあ、吾妻・規制専門委員、ここで訊いてみただけで、後は九電の悪あがき(新たなインチキ・パラメーター)を見逃すようなら、全くもってけしからぬ狸ということになりますが。


動画 3/11報道ステーション 「子どもが甲状腺がんに・・・ 母が苦悩の告白」

2014-03-26 09:57:30 | 動画

子どもが甲状腺がんに・・・ 母が苦悩の告白3/11報道ステーション(内容書き出し)

「お母さん放射能は調べないでくれ」って泣いて訴えるんです。
だからうちではもう、放射能の話はタブーなんです。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3607.html
みんな楽しくHappy♡がいい♪

fc2動画で見れます

http://www.at-douga.com/?p=11027


子どもが甲状腺がんに・・・
母が苦悩の告白



福島の18歳までの若い方の甲状腺がんについて、今日はお伝えしたい事があります。

まず、現在の考え方からです。
福島原発の事故由来の放射能と、当時18歳よりも若かった福島の方々の甲状腺がんが出た、と、
この因果関係は「考えにくい」というんですね。
「考えにくい」というより「分からない」ではないか、という疑念を番組では持ちました。

これは「因果関係がある」とか「ない」とか、
「どちらも分からないのではないか」というところから福島での取材を始めました。

そして今まではですね、若い方の甲状腺がん、子どもの甲状腺がんというのは
100万人にひとりかふたり」と言われていました。

福島では現段階で、27万人の方が検査を受けてうち33人が甲状腺がんと分かり、摘出手術を受けています。


33人。
これまでおよそ27万人の子どもが受けた福島県での甲状腺検査で癌と確定した人数だ。
すでに摘出手術を終えている。
子どもの甲状腺癌は年間100万人に1人から2人とされてきたが、今その数字は大きく覆されている。
33人。




古舘:
お子さんの甲状腺がんが発見されて摘出手術を受けたという親御さんにこの番組では接触を試みました。
7人の方に接触させていただいたんですが、
やはり、インタビューをお願いするとことごとく断られました。
いろんな事情があると思います。

そしてある方はこういう事をおっしゃいました。
担当したお医者さんに「こういう事に関しては周囲にしゃべらない方がいいだろう」と。
「お子さんの就職の際などはマイナスになるから」という様なアドバイスを受けたという方もいらっしゃいました。

そういう中で、番組ではお一人のあるお母さん。やはりお子さんが甲状腺がんだったんですが、
その方は迷いながらも、音声を変えて、そして顔を映さないなど、
様々な条件がクリアされれば「この胸の内を語ってもいい」といって下さいました。
その方にお話を伺います。


10代の子どもを持つ田中佳子さん(仮名)
県の検査で子どもの甲状腺に5mmを超えるしこりが見つかった。
甲状腺がんだった。
周辺のリンパ節の一部の切除した。


田中:
小さい10代の子どもでも「がん」と聞けば、「なぜだ」って
「なぜだ、自分だけがなぜなんだ」
「どうせがんなんだから死んでしまう」そこまで言われました。

古舘:はぁ・・・、

田中:
親として励ます言葉をどうやってかけていいか分かりませんでした。
だから一緒に、「死ぬときは一緒だからな」って、言いました。

古舘:あぁ・・・、そこまでおっしゃいましたか




田中:
夫と子どもは私に「放射能の話はするな
お母さん放射能は調べないでくれ
泣いて訴えているんです。
だからうちではもう、放射能の話はタブーなんです。

毎日が喧嘩になります。
夫は「知らないのが一番幸せなんだ」って、
知らないで生活するのが一番いいんだ


古舘:「つきつめていけばいくほど辛いじゃないか」っていう考えなんでしょうかね…。

田中:
そうです。
だって、
なってしまったんです。
取ってしまったんです。
戻ってこないんです。



田中さんは日々の様子を詳細にノートに記している。
事故当時家の近くは年間の線量でおよそ40ミリシーベルト。
家の雨どい付近では85ミリシーベルトという高い値だった。
子どもは部活に熱心で、原発事故で学校が休みになっている間もひとり雪の中練習していた。

古舘:
2011年3月15日。
大変な量の放射線が降り注いだという時も、全く普通と、今お話し下さったような日常だった。

田中:
そうです。
あの、その日は雪が降ったんです。
で、その日は近所の奥さんが「うちの井戸水を使っていいよ」っていうことで、
みんなして(水を)汲みに行きましたから。
そして「ああ、雪が降ってきたね」っていうかたちで、
とにかく水はあらゆるところを探して歩きました。

古舘:ああ、そうですか。



その震災から7カ月後、県の甲状腺検査が始まった。
1次検査で異常がないとされるとA1判定。
5mm以下のしこりや甲状腺に水分が溜まってできるのう胞が20mm以下の小さいものがあるとA2判定になる。

 

それを超える大きなしこりやのう胞が見つかるとB判定、C判定とされ二次検査が必要になる。
癌の疑いもあるためさらに詳細な検査が行われる。
そもそもなぜ甲状腺検査が必要なのかといえば、原発事故と深い関係があるからだ。

甲状腺は成長や発達を促すと同時に全身の新陳代謝を調整する甲状腺ホルモンを作りだす。
問題なのは、この甲状腺が必要とする栄養素が「ヨウ素」だということ。
原発事故で放出された「放射性ヨウ素」も甲状腺は区別なく取り込んでしまう。
甲状腺に集まった放射性ヨウ素は放射線を出し続け癌の要因の一つとなる。
新陳代謝が活発な子どもほど放射線の影響を受けやすくなる。

田中さんの子どもは1次検査でB判定。
つまり、5mmを超えるしこりが見つかった。
しかし、手元に届いた通知はこのわずか1枚。



何の説明もなかった。
2次検査まで半年以上待たされた。
田中さんは半年も待てず他の病院を探したが、そこで思いもよらない事を言われたという。



田中:
いざそこに行きましたら、
「(病院の)事務所の手違いです、ここでは検査する事はできません」
「(県が)決めている事なので、個人の病院では検査することはできません」と言われました。
(病院の)事務所では、「どうぞ検査に来られてください」と予約までとりましたので、
いざ先生とお会いしたら、先生は
うちは出来ません。ここでは出来ません。(県が)決めている事なので


県内で甲状腺の一時検査を行えるのは県立医大のみ。
来年度から増やす予定があるが、それに選ばれるためには条件がある。



エコー検査をするだけで診断はせず、検査データはすべて医大に送らなければならない。
甲状腺に問題があるかどうかの診断は、医大が一括して判定する仕組みだ。

なぜ県立医大だけに診断の権限が集中しているのか?
甲状腺の第一人者で検査の責任者でもある、県立医大の鈴木教授に話を聞いた。



福島県立医科大学 鈴木眞一教授:
お母さん方が心配でどこかで調べる。
するとそこの先生が今度は、「のう胞じゃなくて結節だ、しこりだ」と言ってもう一回(県立医大に)まわる。
で、そうするとそれは全然違う、あの、おー、
小さいお子さんに特徴的な甲状腺の中に認められる胸腺であったり、
あの、血管であったり。
血管をのう胞と言っている。
「私どものところでやった検査と同じレベルの事をやって下さいね」ということも理解してもらわなければいけない。


つまり、県立医大と同じやり方で検査しなければ、異なる診断が出て混乱を招くというのだ。
しかしそれは県立医大以外での客観的な診断を抑えつける結果になるのではないか?


県立医大の検査については不信感を持っている住民もいる。
県の検査で20mm以下ののう胞が見つかった中学生の女の子の母親が取材に応じてくれた。



のう胞が見つかった中学生:
(県の検査は)人数も多かったのでしょうがないかなと思ったんですけど、
やっぱり3分や5分では足りないのかなって思いました。
流れ作業のようだったです。

娘にのう胞が見つかった母親:
どこにどれくらいの大きさのものがあるとか、
たとえばこれから、これ(のう胞)がこういうふうになる可能性がありますとか、
そういう説明は一切なく、あの、「説明してほしい」と言ってもなく、
ただこの文章、2行の文章だけ。
「検査はしません」
ということで、



20mm以下ののう胞は県の基準ではA2判定で二次検査の必要はない。
しかし、不安を抱いた母親は県立医大とは距離を置き、県の検査には批判的な診療所を訪ねた。


のう胞が見つかった中学生:
検査の時間が倍以上かかったので、
流れ作業っていう訳ではなくて、時間をかけてじっくり診てくれるっていうのが安心しました。



親子が再検査を受けた診療所。
松江院長は排他的な県立医大の診療方法を強く批判している。



松江寛人院長 ふくしま共同診療所:
検査を受けたけれども「不安だ」っていうのは当然なんですよ。
(県立医大は)「患者に直接説明するな」って言っているんですよ。
それ(患者への説明)も我々がやりますと。
それもね、検査の結果を文章で我々が渡しますと。
なので「(受診者に)直接説明をするな」っていうんですよ。
こんなことありえないですよ。

親子は定期的に検査を続けている。



娘にのう胞が見つかった母親:
先月3ヶ月ぶりに検査をしたんですけど、しこりが突然っていうか、出来てて
「あ、そういうこともあるんだ」というのを知って、
この先どういうふうに変わっていくのかという不安な気持ちと、
なにも終わっていないっていうか、
この先も続くという思いで生活をしています。


原発事故後体調を崩した娘は、学校の先生に「放射能への不安」を相談したが、
「心配し過ぎだ」と相手にされなかったという。

不信感が募り、今は学校に行けなくなっている。
この女の子が今望んでいる事。


のう胞が見つかった中学生:
包み隠さず、その情報を公開してほしいです。
その情報を公開することで救われる人たちのいると思うし、
やっぱりこれから生まれてくる人達の事も心配なので、


県の甲状腺検査では、この情報公開についても後ろ向きだ。
たとえ検査を受けた本人であっても自分のデータを受け取るためには
県に対して情報開示請求までしなければならなかった。
批判を受けて手続きは簡素化されたが、
それでも申請書類が必要で、受け取るのに3週間ほどかかる。
県立医大に理由を聞いた。


鈴木眞一:
甲状腺のエコーの場合には渡さないのが一般的です。
渡すとなると、渡し方に責任があるので、

えーっとこれは何度も検討しました。
決して我々は渡したくない訳ではないので、渡すんなら渡そうと思ったんですけど、
そうすると、それによる不利益や齟齬(そご)もある場合の非常に多いので、
現実的には、あの、実現しなかったという事です。


再び冒頭で紹介した母親の話を聞く。



田中さんの子どもは甲状腺癌にかかり、すでに切除手術を受けた。
その手術の前に言われた事を今もはっきりと覚えている。
医師が「甲状腺がんの進行は遅く危険な癌ではない」と説明したうえでこう話したそうだ。


田中:
「いま大きくなる様なことはまず心配はありませんから、焦らなくていいですよ」
「いまここで切らなければ、(症状が出る)30歳、40歳になってから、
『見つかった時にきればよかったな』っていうふうに思わないですか」とまで尋ねられました。
「だったらそんなに急がなくてもいいんじゃないですか」と思いましたので、
「じゃあ、2~3年待って下さい」
「子どもがもう少し冷静に判断能力が付くようになってから手術してもかまわないんじゃないですか?」
ともお尋ねしました。

そしたら、「前例がありませんから」
発見されてから放置しておくという前例がないので、
見つかったんだから、やはり直ちに切るというのが本当でしょう
」と

古舘:うわァ・・・・、その両方を言われた訳ですか。

田中:
あんまり、時間をおいて悩んでいるよりは、早く解決したかったので、
半年以内に手術に挑みました。


いま見つかっている子どもの甲状腺がんについて、県の第3者委員会は
「原発事故の影響は考えにくい」としている。



星北斗座長 県民健康管理調査検討委員会:
放射線の影響はどうかという事については今後きちんと検証する必要があると思いますが、
これまでの知見から言うと「考えにくい」という表現を使っております。
「分からない」というのが正しい表現というのもありますけど、
でも今現時点で我々が知っているこれまでの知見の積み重ねから言えば想定内だろうというふうに言えます。


田中さんはやり場のない思いを抱えている。

田中:
「まだ放射能の事をしゃべるの?心配しているの?」
「まだそんなことばっかり考えてるのかい?それじゃ前に進めないじゃない」
そういう方がいらっしゃいますね。
信頼や信用のおける親戚でも、頼りにしている方でも、
「大したことないんじゃない、そんな事」
「切れば治るんでしょ!死ぬわけじゃないんでしょ!」
「言っちゃ悪いけど、大したことないじゃない!」3回言われました。
大したことあるんです。
それが悔しいです。

だから私は自分で罪なのかと思っています。
「本当の事を知るのが罪なんだろうな」って。



古舘:
例えばですね、福島県以外で別の県で、たとえばお子さんが甲状腺がんになった。
これが分かった時にはですね、病院は福島県のケースよりも手厚く、と言いますか
丁寧に相談に乗ってくれる可能性というものががみえてくるんです。
福島県でこういう状況になった子どもが邪険にされている、その件。
もしそうだとしたら、こんな不条理はありません。

それに付随して言える事はですね、やはり親御さんでお子さんが甲状腺がんだった方で危惧するのは、
18歳を過ぎて大きくなった場合には検査、あるいは治療、そういう事が有料になる可能性があるという事。
これもおかしな話です。

引き続きチェルノブイリの例を見ながらこちらをご覧ください。  
19:17

ーーつづく
 

福島からあげた生命の叫び!---3 ・11 反原発 福島行動14

2014-03-21 12:41:53 | ちばアクションの活動

3年目を迎えた3月11 日、福島県郡山市に1100人が集まり、「原発いらない!」の声をあげました。
私たちは、絶対に、この日を忘れるこができません。
3年が経過しても「復興」どころか、被災地は切り捨てられています。
今も福島での公園や保育園などでは子どもたちが遊こともできません。
「あきらめられない!」「忘れられない!」これが福島の思いです。
「3・11」行動は地元・全国のメディアに報道され、原発のない社会をつくる「決意の日」となりました。
私たちは、原発・被ばうぃなくす長い長い闘いにむけ、多くの人たちと手を結び闘っていきましょう。
(事務局)

3.11から3年目の2014年3月11日、郡山で開催された反原発行動に野呂美加さんが発言。集会は午後2時開始でしたが、野呂さんの発言はその前に行われた。
聞いていない人は是非、聞いてください。


http://www.youtube.com/watch?v=EOzBwFheMi4&feature=youtu.be


もう3年まだ3年 東日本大震災 福島のグループ 放射能 女性の不安話そう 中日新聞社

2014-03-10 21:35:03 | 東京新聞

 

  2014.03.05 

 福島第一原発事故による放射能被害を受けた福島県に、若い女性が悩みを気軽に話せるようにつくったグループがある。福島特産の桃にちなみ、名前は「ピーチハート」。事故から三年近くたち、福島県内でも放射能の話をしづらい風潮が強まる中、本音を語り合える場を提供している。(谷悠己)

  「放射能におびえる自分は、ずっとおかしいと思っていた。ちゃんと考えている同世代がいてくれた…」

  昨年秋、福島県南会津町で開かれたピーチハートの集まりで、二十代の女性が雑談中、突然涙を流した。放射線量が比較的低い会津地方に住み、話し合う相手がいなかったという。

  代表で福島市の復興支援団体職員、鎌田千瑛美さん(28)は「ずっと一人で泣いてたんだと思う。震災から丸二年が過ぎたころから、『いつまでも放射能を気にするのはおかしい』という空気にどんどんなってますから」と話す。

  ピーチハートは二〇一一年十一月、「女子目線で原発事故について本音をぶつけ合える場所」として、鎌田さんら二十代の独身女性を中心に結成。フェイスブックを通じて八十人が交流し、二、三カ月に一回、カフェなどに集まる。 

 「アロマ香水づくり」といった催しのほか、雑談の時間を取って結婚や出産、就職にまつわる悩みを打ち明け合う。「彼氏とはなかなか放射能の話ができない」「将来、福島で子育てできるかな」。本音を引き出しやすいよう、定期的に県外への旅行会も開く。 

 多くの住民が帰還できない福島県沿岸の市町村では、放射能汚染は今も深刻な問題。ただ、福島市などの県中央部や西部の会津地方では「九割ぐらいの人は表面的には普通に生活していて、放射能の話題は極端に減った」という。 

 昨年九月、二〇年東京五輪の開催が決まると「前を向こう」という雰囲気が強まり、「思ったことを口にするハードルが上がった」と鎌田さん。「どうせ福島のことは忘れられているんでしょ」とあきらめ口調で話す人も増えた。

  線量計で周囲を計測すると、放射線は確実に下がっている。それでも、心の中に不安を隠し持っている女性は多いはずだ。

  昨年十一月に旅行会で熊本県水俣市を訪ねたとき、水俣病患者の女性から「支援団体の人に出会うまで、発症から四十年間、悩みを誰にも話せなかった」と聞いた。「話すと、周りの人たちが離れていってしまいそうだったから」。その言葉は、自分たちの苦しみをも表していると感じた。

 鎌田さんが力を込めて話す。「本音を言っていいんだよ、という場所は四年目以降もっと大事になる」。話したくても話せない女性たちのために、息の長い活動にしようと思っている。

中日新聞社


チェルノブイリ原発 低線量被ばくした人の心筋梗塞が増加した

2014-03-10 13:10:23 | 放射能汚染

NEWS ポストセブン 3月9日(日)16時6分配信

 東日本大震災から3年が経とうとしている。ベストセラー『がんばらない』で知られる鎌田實医師が、チェルノブイリ原発事故から四半世紀を経過した、ウクライナを訪れ現地の医師に聞いた放射線の影響について報告する

 * * *
 福島県が実施した「甲状腺検査」の結果を「県民健康管理調査」の検討委員会が発表したが、福島第一原発事故の発生時に18歳以下だった子ども26万 9354人が受診し、75人に悪性ないし悪性の疑いがあると判明した。また、手術した34人のうち、甲状腺がんの一種である乳頭がんが32人に見つかり、 低分化がんの疑いのある1人、良性結節が1人見つかった。

 はたして、この数字が多いのか、少ないのか、意見が分かれている。原発事故による放射能が関係しているのか、いないのか。この分析も科学者の間で意見が分かれていて、単純な結論づけは出来ない。

 しかし同検討委員会は「もともとあったものを発見した可能性が高い。原発事故との因果関係は考えにくい」と断定していた。本当にそうなんだろうか──。

 ウクライナ共和国では236万人の被災者データを国立記録センターでまとめてきた。その結果、甲状腺がんだけでなく、慢性疾患も多くなっていると発表している。

 日本では100ミリシーベルト(SV)以下の低線量なら健康被害はない、とする学者が多い。しかしウクライナの調査では、事故後30kmゾーンから避難 した住民でも50~99ミリSVまで低線量被ばくした人は、まったく放射線を浴びていない人の1.3倍、心筋梗塞が多くなったというデータが出ている。

 汚染地の人たちの血中フリーラジカルの値が、汚染のない地域の人の3倍になっていたという研究結果が出た。

 体内の活性酸素や放射性物質が、このフリーラジカルの値を高くし、動脈硬化を誘発した可能性がある。

 チェルノブイリ原発周辺の高汚染地域から避難してきた住民のうち、慢性疾患を持つ人は19 88年に31.5%、2010年には78.5%と一気に増加している。

 また子どもたちの貧血も増加しているという。1996年には25%だったのが、2003年には31%、2009年には46.5%に達している。

 ステパーノヴァ医師は、アメリカと共同でミトコンドリアの研究をしている。

 僕たちの細胞の中にはミトコンドリアという小器官があり、細胞の中で呼吸してエネルギーを生産する役目を果たしている。細胞が元気に働くためには、このミトコンドリアが傷ついていない状態で正常に働いていることが重要なのだ。

 研究では放射能でミトコンドリアが傷ついているのを確認できたという。ミトコンドリアが傷つけば当然、心筋梗塞や脳卒中という血管性の病気も多くなる。そして小児甲状腺がんだけではなく、他のがん発症リスクも高くなる。

 ただし、とステパーノヴァ医師は付け加えた。

「ウクライナ共和国の子どもや大人たちの慢性疾患が増えているというデータは、チェルノブイリ原発事故がすべて原因というわけではない。ウクライナの経済 的要因も大きく関係している。貧血が進んだのは、子どもたちに十分な、そして安全で栄養のある食品を与えられなかったなど、いくつもの他の要因がある」と 説明した。科学者として、正しい姿勢だと思う。

 僕は、子どもたちの命を守るためにはどうすべきかと尋ねた。

「低線量被ばくなら大丈夫だと安心しないで、できるだけ放射線に当たらないこと。自然放射線以外なら1ミリSV以下の被ばくにとどめることが大事です。ウクライナではそれを基準にして法律を作ってきました」

 絶対大丈夫なんて決めつけたりしないで、根気よくフォローしていくことが大事だと話してくれた。

※週刊ポスト2014年3月14日号


チョムスキー氏 福島の親子らに語る 被災者になぜ寄り添わぬ ーー東京新聞特報

2014-03-08 16:50:10 | 東京新聞




東京電力福島第一原発事故から3年がたとうとしている。来日した米国人の言語学者ノーム・チョムスキー氏(85)が、自主避難を余儀なくされた福島の親子らの訴えに耳を傾けた。いまだに不安や恐怖にさらされている被災者たち。「世界最高の論客」と評されるチョムスキー氏の目に、この状況は、どう映るのか。(林啓太) 


【ノーム・チョムスキー】 
言語学者、哲学者。1928年、米国フィラデルフィア生まれ。ペンシルベニア大を卒業し、61年からマサチューセッツ工科大(MIT)教授。50年代に、言語学における革命的な理論を発表し、「現代言語学の父」と呼ばれる。
一方で、ベトナム反戦運動に携わり、人権や平和に関して積極的に発言。今年1月には、米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設について、「沖縄の軍事植民地状態を深化、拡大させる」と反対する声明をほかの有識者とともに発表している。 
著書に「統辞構造論」 「メディアとプロパガンダ」 「秘密と嘘と民主主義」などがある。


◆政府は常にウソで言い含める 

「無防備な子どもたちが、放射線の危険にさらされている。恐ろしいことだ」。4日に東京都内のホテルで福島の親子らと面会したチョムスキー氏は嘆いた。 

チョムスキー氏と会ったのは、福島市に住む武藤恵さん(40)と小学3年生の長女玲未(りみ)ちゃん(9つ)の母子、福島県郡山市から静岡県富士宮市に自主避難した長谷川克己さん(47)の3人。長谷川さんは妻、小学2年生の長男(8つ)、長女(2つ)の4人暮らしだ。 

恵さんの自宅は福島第一原発から約60キロ。「政府は換気扇を閉めて、外出する時はマスクを着けるように、ということしか教えてくれなかった」と、当時の混乱を振り返った。 

山形県に週末だけ自主避難していた時期もあったが、経済的な問題もあり、やめた。「事故後、子どもの体調が良くない」という。国は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による放射能汚染の情報を隠していた。それなのに「『安全宣言』をした。周りは事故前と変わらない日常に戻ってたように見えるが、そうではない」と、放射能の恐怖にさらされている現実を訴えた。 

長谷川さんは、郡山市内で介護事業を営んでいたが、事故の5カ月後に自主避難した。「将来、健康被害が出たら、お金で償われても元には戻れない。子どもを守ろうという思いだけだった」。避難先の静岡での生活については「日雇いの工事現場の作業員をして食いつないだこともある。経済的に安定せず、心もとないです」と切々と語った。 

自主避難者は十分な補償が受けられない。東電からの補償金も避難区域内に住んでいた避難者に比べて乏しく、経済的な負担が重くのしかかる。 

チョムスキー氏は、両手をテーブルの上で組んだり、沈思するように右手をあごに当てたりしながら、静かに親子らの会話に耳を傾けた。話の合間に「ほかの親はどんな対応をしているのでしょうか」 「放射線の被害に理解のある医師からケアを受ける機会はあるのでしょうか」問い掛けた。 

「子どもらがどんなに不安でも、政府というのは心配するなとウソで言い含めようとするものなのです」。米国とソ連の緊張が核戦争の寸前まで高まった1962年のキューバ危機のころのことをとつとつと語った。「私の娘の友達の中には、戦争になれば生き残れないと不安そうな子もいた。米政府は『米ソの緊張関係は危なくない』と宣伝した。私の娘は学校の先生から『核戦争が起きても机の下に隠れれば大丈夫』と言われたんですよ」 


◆最も弱い子どもらがどう扱われるかで 社会の健全さ問われる 

緊張した面持ちでチョムスキー氏の顔を黙って見つめていた玲未ちゃんは、周囲に促されて「武藤玲未です」と自己紹介。チョムスキー氏も、この時ばかりは柔和な表情を見せ、「日本に50年ぐらい前にも来たことがある。私の娘がちょうどお嬢ちゃんと同じくらいだった」と懐かしがった。 

チョムスキー氏は、ベトナム反戦運動に関わって以来、外交や大企業優遇の政策で米政府がろうするウソや秘密のやり口を徹底的に批判してきた。 

米中枢同時テロの後、米国のアフガニスタン侵攻やイラク戦争について強い反対意見を表明。最近では、米国内の貧困問題でも積極的に発言している。 

福島第一原発事故の後、20119月に東京都内で開かれた脱原発集会の際、支持を表明する連帯メッセージを寄せた。福島の親子らと面会したのは、福島の子どもたちの「集団疎開裁判」を支援してきた縁からだ。121月、「最も弱い立場の子どもらがどう扱われるかで社会の健全さが測られる。私たち世界の人々にとって裁判は失敗が許されない試練だ」と集団疎開裁判を支持するメッセージを寄せている。上智大での講演を機に来日したチョムスキー氏が、「ぜひ、親子と会いたい」と会談を要望し、実現した。 

集団疎開裁判では、郡山市に住む児童と生徒14人が、空間線量が年間1ミリシーベルト未満の地域に疎開して教育を受ける措置を市に求め、仮処分を申し立てた。 

司法の判断はつれなかった。福島地裁郡山支部は1112月、申し立てを却下。仙台高裁は134月「福島原発周辺の児童・生徒の健康に由々しい事態の進行が懸念される」としながらも抗告を却下した。 

福島の親子らは4月にも、約10人の子どもを原告として、地元の自治体を相手に集団疎開を求める行政訴訟を起こす予定だ。 

チョムスキー氏は、親子らに「政府に対する外圧を上手に使うことだ」とアドバイスした。「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)などの権威のある国際的な団体と健康被害の調査について連携し放射線の被害を広く訴えることもできる。日本政府に被害を隠すことは恥ずかしいと思い知らせられればよい」 

「日本は広島、長崎の原爆を経験し、放射線の怖さを知っているはず。それなのに、政府が被災者の不安に寄り添わないとは。言葉にならない」と日本政府の対応を厳しく批判した。 

チョムスキー氏は、「こちら特報部」のインタビューに、安倍政権についての懸念も表明した。「日本の超国家主義者は平和憲法を無くそうとしている。安倍晋三首相らが靖国神社に参拝し、従軍慰安婦を否定しようとするのは、日本を帝国の時代に戻そうという狙いがあるのではないか。ヒトラーが権力を掌握していく過程を思い起こさせる」 

集団的自衛権の行使容認についても「集団的自衛権と言えば聞こえは良いが、実態は戦略戦争だ。米政府も戦争を国防と言い換えるが、それに似ている。だまされてはならない」と指摘。自民党の石破茂幹事長が特定秘密保護法の抗議活動に対し、「テロ行為と本質は変わらない」と言い放ったことに触れ、「政府は市民の反発を恐れている。テロリストというのは、権力側が反対する市民にレッテルを貼っているだけだ。強制や弾圧を正当化する言い訳にすぎない」と話した。 

「政府の過ちをただせるのは市民だけだ。困難だろうが、福島や日本全体で、政府が無視できない運動をつくり出してほしい。地域の市民のつながりを強化してほしい。それこそが状況を改善していく道だ」 


[デスクメモ] 
青いセーターにジーンズ姿。「現代最高の知性」は、ラフな格好で被災者の前に現れた。好々爺(や)のような表情で話を聞いていたが、いったん口を開くと、舌鋒(ぜっぽう)鋭い。人間の尊厳を守るための闘いで、市民と言論の力が重要だという固い信念を感じたという。声を上げ続けなければならない。(国)

2014年3月8日 東京新聞:こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014030802000129.html

 



「安心神話」のスリコミ--早期帰還が実現すれば、東電の賠償額も減らせ,再稼動も進めやすくなる

2014-03-07 15:38:50 | 東京新聞

201436日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014030602000153.html

国が本腰入れて「安心神話」をスリコミ 復興庁の施策パッケージ


東京電力福島第一原発から20キロ圏内の旧警戒区域の一部が今春、避難指示を解除される。復興庁は先月、帰還を考える住民たちの不安を軽くする「放射線リスクコミュニケーション(リスコミ)に関する施策パッケージ」を発表した。11省庁、委員会の合作だが、内容は安全神話ならぬ「安心神話」。リスコミというより、スリコミではないのか。(出田阿生、榊原崇仁)


◆帰還ありきの施策集

「政府がやろうとしているリスクコミュニケーションは本来あるべき姿とは程遠い。早期帰還を進めるため、『健康影響なし』という考え方を押しつけようとしているだけだ」。倫理を扱う宗教学者の立場から原発問題に向き合う上智大の島薗進教授はそう述べた。

この間、政府は住民帰還を急いできた。2011年12月には低線量被ばくのリスクが明確でないにもかかわらず、「年間積算放射線量20ミリシーベルト以下」を避難指示解除条件と決め、避難指示区域を帰還困難区域など3区域に再編成した。

先月には、旧警戒区域では初めて4月1日に田村市都路地区への避難指示を解除すると決めた。

解除と併せ、政府が進めるのがリスクコミュニケーションだ。14年度予算案で関連事業費を計上。復興庁は環境省など11省庁、委員会の施策集「帰還に向けた放射線リスクコミュニケーションに関する施策パッケージ」をまとめた。

施策集は次のような点を強調している。

住民は帰還後、自分で身の回りの線量を測ることになっている。その際、数値の理解の促進や、健康不安の疑問を解消するため、行政は保健師らによる「相談員」を地域に配置する。

さらに専門家を交えた少人数の座談会を開き、住民同士が不安を共有して心の負担を軽くさせる。相談員らは政府作成の冊子「放射線リスクに関する基礎的情報」を基に、住民たちに助言するという。

こ うした施策は「リスコミのあるべき姿」からかけ離れていると、島薗教授は指摘する。リスクコミュニケーションとは、生活を脅かす状況について、住民ら当事 者たちがさまざまな視点から意見を交わす中で、その深刻さなどを正確に捉え、適切な対処法などを導き出すことを意味する。

「放射線の健康影響については、低線量被ばくの影響がどうか、その対策として何が必要か、が重要な部分だ。リスコミの観点では本来、こうした事柄について、議論を尽くさないといけない。しかし、政府は一方的に『健康影響はない』と結論付けている」

低線量被ばくを軽視する「安心神話」は、相談員らの参考書となる「放射線リスクに関する基礎的情報」に貫かれている。島薗教授は「相談員らと意見交換するといっても、『この数値なら大丈夫』 『健康影響はない』という答えがもう出されている」と語る。

島薗教授は、この相談員の配置自体にも疑問を呈す。「地域にいる保健師や看護師らを動員し、『健康影響なし』という考え方をすみずみまで行き渡らせようとしていないか。相談員というよりも、思想指導員だ。これではリスコミではなくスリコミとやゆされても仕方がない」


◆「安心神話」のスリコミ

次に「放射線リスクに関する基礎的情報」という冊子の中身をみてみる。助言者一覧をみると、福島原発事故後に住民に「安心・安全」を強調してきた山下俊一・福島県立医科大副学長や長滝重信・長崎大名誉教授らの名前が並ぶ。

内容について、国際環境団体「FoE Japan」の満田夏花理事は「住民を安心させて帰還を進める意図で、都合の良い情報だけを集めている。帰還が前提なので、避難を続ける住民への支援は全く考慮していない」と話す。

例えば、世界保健機関(WHO)が13年2月に公表した福島原発事故の報告書について、「被ばく線量が最も高かった地域の外側では、福島県においてもがんの罹患(りかん)のリスクの増加は小さく」と記述。報告書にあった「一部の乳児は甲状腺がんや白血病などのリスクが数%から約70%増える」という推計は無視した。

まだ正式に発表されていない国連科学委員会の報告書案を取り上げて「将来にも被ばくによる健康影響の増加が認められる見込みはない」と記した。「この評価はデータの信頼性が薄いと、専門家から批判されている」(満田さん)

チェルノブイリ事故については「甲状腺がんで15人が死に至ったが、それ以外の周辺住民の被ばくによる健康影響は説得力のある証拠はない」とする国連科学委の08年報告書を参考資料に示している。この報告書はベラルーシやウクライナの政府が「当事国の報告を無視するか解釈をゆがめ、被害を過小評価している」と抗議した代物だ。

医 療による被ばくや飛行機の機上で宇宙から受ける被ばくも記してある。京都大原子炉実験所の小出裕章助教は「こうした被ばくは各自が選べる事柄で、利益もあ る。だが政府が進めようとしている住民帰還は、住民が東電や国から事故に起因する被ばくを押しつけられている。幼児までもが放射線の専門職と同程度の被ば くを強いられるのは許されない」と断言する。

帰還推奨には、チェルノブイリ事故後にベラルーシで始まった「エートス・プロジェクト」の考え方が影響を与えている。汚染地域の住民自身が身近な放射線を計測して、被ばくを減らそうという試みだった。

主 導者はフランス人経済学者のジャック・ロシャール氏。仏の電力公社や原子力庁、原子力企業アレバ社などが関係する「放射線防護評価センター」所長で、国際 放射線防護委員会(ICRP)の副委員長も務める。ICRPの有志が福島県内で開いた住民との対話集会で司会をするなど、福島との関わりも深い。

フランス人社会学者のセシル・アサヌマ=ブリスさんは「エートスは『汚染地域から移住しない』ことを前提にしている。健康被害が出ることを分かっていても、利益がリスクを上回ればいいという考え方が基本だ」と説明する。

福島市で2人の子どもと暮らす主婦(49)は「福島県立医科大をはじめ、行政や医者たちは『放射能を怖がるストレスの方が体に良くない』と言う。だけど、今も原発から放射性物質が出続けている。いくら安全、安心だといわれても信じられない」と不安がる。

環境省は都路地区と川内村にまたがる東電の敷地に除染廃棄物の焼却施設を計画中だ。「地元に帰れといいながら、不安要素になる焼却炉をつくろうとしている。住民をバカにしてるようにしか思えない」

冒頭の島薗教授は政府の意図をこう推測する。

「スリコミで健康影響への不満を封じ込め、早期帰還が実現すれば、東電の賠償額も減らせる。事故の影響を小さく見せれば、初動対応が遅れた責任をごまかし、他の原発の再稼動も進めやすくなる。こんな計略を許してはいけない」


[デスクメモ]
ルワンダ難民のキャンプでは毎朝、100以上の遺体が並んだ。最初は驚いたが、すぐに慣れた。異常を異常と感知する感性はもろい。福島原発事故から3年。毒水の井戸から毎日、水があふれる。でも、誰も驚かなくなった。理性が洗脳に侵されつつある。私たちは変えられている。それを自覚できているのか。(牧)

 


福島県民に「安全だ」と言ったのに、自分たちは危険だからと安定ヨウ素剤を飲んでいたという衝撃的事実

2014-03-04 22:36:45 | フクシマの怒り

お母さんのための原発資料探訪(6)気を緩めないで!・・福島医師団がウソ


武田邦彦氏ブログより

前から噂はあったけれど、「福島の医師団が県民に「安全だ」と言ったのに、自分たちは「危険だから」と安定ヨウ素剤(甲状腺がんの防止剤)を飲んでいた」という衝撃的事実が明らかになった。NHKなどもほとんど報道していないが、ものすごい事件である。事の次第は次の通り。

2011年3月の福島原発事故が起こり、福島県や医師団は「大丈夫」をくりかえした。一方、福島県庁は114万錠の安定ヨウ素剤を急いで入手し、自治体に配った。しかし、三春町を除いて県民に配られなかった。

「汚染に関するデータがなかったこともあるが、医学界の権威の意見が大きく影響していました」(武田注:法令はあった)。放射線医学総合研究所(国の研究機関)は、事故後すぐ「指示が出るまで勝手にヨウ素剤を服用してはいけない」と発表したからだ。

さらに数日後、山下俊一氏(医師?、県立福島医大副学長)が「福島原発から30キロメートルほど離れれば被曝量は1ミリシーベルト以下でヨウ素剤配布は不要」と断定。県民向けの講演でも「子供は外で遊んでいても問題ない」と言った。

その一方で、福島医大は、県から4000錠のヨウ素剤を入手。3月12日から配り始め、医療行為をしない職員の家族や学生にも配布した。その時には「水に溶かしてすぐに飲むように」と服用の仕方を指導している。

「事故が発生してから病院に来なくなった医師もいて、動揺が広がっていました。院内の混乱を鎮めるために、上層部がヨウ素剤の配布を決めたようです。しかも服用を県に進言していない手前、配布については緘口令が敷かれていました」(医大職員)と言っている。医師は被曝によって健康を害することを心配していたのだ。

当時の状態をある医師はつぎのように言っている。
「情報やデータがないなか、医療機関として最後まで現場に残らなくてはいけないという認識のもと、職員の動揺を抑える目的で医大教職員と家族の配布に踏み切りました。学生に配布したのは、不安が広がっていたためです。緘口令を強いた理由は、国や県から服用指示の基準が住民に示されていないなか、医大が独自の基準を作ってしまうことになるからでした」(広報戦略室)

 福島県地域医療課の課長は最初、事実を隠していたが、現在では次のように説明している。

 「ヨウ素剤は、福島第一原発から50キロ圏内にある各自治体に配布しました。住民への配布を指示しなかったのは、判断するデータがなく、踏み切れなかったからです。医大へ配ったのは、被災地へ出向く医師などを対象としたもの。医大が家族や学生にまで配ったのであれば、疑問を感じます。」

 ・・・・・・・・・このブログにも再三、書いたように、「医師」というのは、1)長期間高度な鍛錬を受け、2)国家資格を持ち、3)容易に解雇されず、4)治療で人の体を傷つけても傷害罪に問われない、という特殊な専門職である。

 このように医師が保護されているのは、どんな場合であっても「人の命と健康」を第一に考え、たとえ自分が不利になっても、「人の命と健康」だけを考えて行動できるようにしているからだ。

 その医師が、1)自分の命と健康に危険な状態にあることを知っていて、2)それを隠して(積極的に住民に言わずに、あるいは健康に影響はないと言い)、3)自分たちだけ防護し(ヨウ素剤の服用)、4)その事実を隠していた、ということは、医師の基本的な資格に欠けるので、福島医師団でヨウ素剤を服用した人は「すべて」医師免許を返納しなければならない。

そして、国は返納した医師に一定期間の「医師倫理、専門家倫理」を教育し、再試験を行い、医師として必要とされる倫理感を有し、どんな危機の時にも専門家として尊敬される行動がとれる人だけを、再認定するべきである。

 この事実と次回に整理する「現在の福島の子供たちの甲状腺異常の状態」を見ると、ほぼ「故意の傷害罪」に問われると考えられる。この先は検察庁が国民側にたって、積極的をすることが大切で、判断を待ちたい。

 (平成26年3月4日)

 

武田邦彦


「癌になっても福島にいたという証拠は何もない。病気になっても何の証拠も残りません」独ZDFテレビ

2014-03-04 12:56:09 | 山本太郎

フクシマの嘘 其の弐(隠ぺい・詭弁・脅迫)

「実際に病気になっても何の証拠も残りません」
「“福島には行ってない”と彼らは言いますから」
「嘘をつかざるを得ないのです」
「福島にいたという証拠は何もない」
「ひどいです」
「金が一番大事で、人はどうでもいいんです」
「金だけの世の中です」

全文テキスト


水回りの管理すらおぼつかない政府と電力会社!これでアンダーコントロール⁇

2014-03-04 11:36:05 | 東京新聞

福島第一の汚染水保管 満タン運用横行

 東京電力が、福島第一原発で処理水を保管しているほとんどのタンクで、ほぼ満水になって送水するポンプが自動停止した後も、警報を解除してさらに水を入れ続けるという、危うい運用をしていたことが分かった。あふれる寸前にもう一度警報が出るが、この際はポンプは自動停止しない設定にしていた。

 一般的な液体とは大きく異なり、処理水には超高濃度の放射性ストロンチウムなどが含まれている。海に流出すれば魚介類を汚染するほか、周辺の土壌も汚染し、作業員らは土の除去作業を迫られる。厳重な管理が不可欠な水だ。

 福島第一では、日々約四百トンもの汚染された冷却水の処理に追われ、タンクはぎりぎりの状態が続いている。東電は、最初の警報が出る96%の水位でタンクへの注入をやめると貯蔵が間に合わないため、手動でポンプを動かし、二度目の警報が鳴る水位99%の直前まで水を入れていた。地震などで水面が揺れれば、天板の点検口からあふれ出る恐れのある水位だ。

 原子力規制委員会は、タンクの水位は95%程度までが限界とみている。

 もう一つの問題は、東電はあふれる一歩手前の二度目の警報が出ても、ポンプが自動停止しない設定にしていた点。二度目の警報に即座に対応しないと、今回のようにタンク上部からの水漏れにつながる。

 さらなる問題が、超高濃度の処理水が約百トン漏れた先月十九日の事故で明らかになった。この事故では、誤操作で弁が開きっぱなしになっており、本来の移送先タンクとは別のタンクに水が送られていた。このため、別のタンクで満水警報が出ても、ポンプ側では異常を検知できず、送水が続く状態だった。 (小倉貞俊、清水祐樹)

311後を生きる】 記者たちの3年 <東京新聞・河北新報・福島民報共同企画> 


*二つの風(下) 


【原発作業員の被ばく線量限度】 
国は「5年で100ミリシーベルトかつ1年で50ミリシーベルトを超えない」と定めている。福島第一原発事故直後は、一時250ミリシーベルトまで引き上げた。201111月に元に戻され、同年1216日の政府の事故収束宣言後は「緊急作業」ではないことになった。多くの企業は国の上限に達しないように、余裕をみて年間1520ミリシーベルト、5年で7080ミリシーベルトに上限を設定。事故から3年を前に、被ばく線量が上限に達し、ベテラン離れが深刻になっている。福島第一原発では現在も13000人以上の人が働いている。


◆原発作業員の声 届ける ベテランや技術者不足 深刻 

夜、電話が鳴る。「明日、現場を離れろって言われた」。電話口から沈んだ声が聞こえる。「被ばく線量がいっぱいになっちゃって。次に戻って来るのは2年後かもしれない」 

福島県いわき市に通いながら、東京電力福島第一原発で働く作業員の取材をしている。事故から3年。これまで何とか現場に踏みとどまってきたベテランも、5年分の被ばく線量の上限に達し、次々去っている。 

事故直後、作業員の結束は強かった。いわき市の旅館やホテルで共同生活をし、暗いうちに現場に向かう。水素爆発でめちゃくちゃになり、放射線量もわからない現場に、震えながら行った人もいた。「現場では被ばくのことなんて気にしてられない。みんな必死で作業をしている」。被ばくのことを尋ねると、口々に言われた。 

避難生活をする家族と離れて暮らす地元の人も多かった。働き続ける理由を聞き、「俺ら故郷に帰ること、まだあきらめていないから」と言われたときは何も言えなかった。避難先で亡くなった家族のことや、新しい環境になじめない子どもの話を、泣きながら何時間も話した人もいた。 

今、ベテランや技術者不足が深刻になっている。現場によってはベテラン不在で作業が長びき、被ばく線量が増え、疲労が蓄積する悪循環が起きている。 

201112月の事故収束宣言後、コスト削減で待遇が悪化。競争入札が進み、仕事が安定せず、作業員が次々離れていった。長年働く男性は「被ばく線量が無くなったら次の人と交代。俺らは使い捨てだ」と吐き出すように話した。大企業は配置換えができるが、下請けや孫請けの作業員には次の仕事の保証はない。心を残しながらも、生活を考え去った人もいた。 

昨夏以降、汚染水漏れや人為ミスが相次いだ。「被ばくをしながら必死に作業をしても褒められることはないが、何かあればすぐたたかれる」とベテラン男性。その場にいるとすぐ死ぬような高線量だという誤った報道もあり、何人もの作業員に、「もうやめて帰ってきて」と心配する家族から電話がかかってきた。危険な場所で働いていることは家族に言えないと、つらそうに話す男性もいた。 

「作業は今後何十年も続くのに、報道されなくなった。忘れられるのが一番怖い」とつぶやいた作業員の一言が忘れられない。彼らがいなければ、事故収束も廃炉もない。被ばくと闘いながら現場で働く人たちの「福島を忘れないで」という思いを胸に、今後も伝え続けたい。(東京新聞 社会部 片山夏子記者) 


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