「3・11」福島第一原発の事故から3年。
ちばアクションは、4月26 日にティーチインをおこない、今後の脱原発運動のこと、福島・千葉の将来のことについて話し合いました。
まずはじめに3月11 日に全国報道された「報道ステーション」を上映しました。(裏面詳細)
この報道に、県立医大からクレームが来たこと、東京の被曝の実態などがカットされたことなどが参加者から報告されました。
福島の地で生きる子どもたち、仮設住宅で苦しむ人々の様子も報告されました。
この内容は福島の3割が視聴し、今も反響は続いていると言われています。
国による被曝の隠蔽に風穴を開けました。
この中で、「避難・保養・医療」の3つを方針にしようという意見が出されました。
これから、4、5年にわたって私たちは、「あきらめずに」継続して続けるために、命を守りかつ社会の変革をめざす福島と方々とつながっていきましょう。
刻々と変わる福島の現状に対して、定期的にふれることができる企画・機会をつくりたいと思っています。
これからもご意見をよろしくお願いします。(事務局)
報道ステーション書き起こし
古舘:33人。これまでおよそ27万人の子どもが受けた福島県での甲状腺検査で癌と確定した人数だ。
すでに摘出手術を終えている。子どもの甲状腺癌は年間100万人に1人から2人とされてきたが、今その数字は大きく覆されている。
そういう中で、番組ではお一人のあるお母さん。やはりお子さんが甲状腺がんだったんですが、その方は迷いながらも、音声を変えて、そして顔を映さないなど、様々な条件がクリアされれば「この胸の内を語ってもいい」といって下さいました。
その方にお話を伺います。
10代の子どもを持つ田中佳子さん(仮名):
県の検査で子どもの甲状腺に5mmを超えるしこりが見つかった。甲状腺がんだった。周辺のリンパ節の一部の切除した。小さい10代の子どもでも「がん」と聞けば、「なぜだ」って、「なぜだ、自分だけがなぜなんだ」「どうせがんなんだから死んでしまう」そこまで言われました。親として励ます言葉をどうやってかけていいか分かりませんでした。だから一緒に、「死ぬときは一緒だからな」って、言いました。夫と子どもは私に「放射能の話はするな」「お母さん放射能は調べないでくれ」泣いて訴えているんです。だからうちではもう、放射能の話はタブーなんです。
毎日が喧嘩になります。夫は「知らないのが一番幸せなんだ」って、「知らないで生活するのが一番いいんだ」
古舘:「つきつめていけばいくほど辛いじゃないか」っていう
考えなんでしょうかね…。
田中:そうです。だって、なってしまったんです。取ってしまっ
たんです。戻ってこないんです。
――田中さんは日々の様子を詳細にノートに記している。事故当時家の近くは年間の線量でおよそ40ミリシーベルト。家の雨どい付近では85ミリシーベルトという高い値だった。子どもは部活に熱心で、原発事故で学校が休みになっている間もひとり雪の中練習していた。
古舘:11年3月15日。大変な量の放射線が降り注いだという時も、全く普通と、今お話し下さったような日常だった。
田中:そうです。あの、その日は雪が降ったんです。で、その日は近所の奥さんが「うちの井戸水を使っていいよ」っていうことで、みんなして(水を)汲みに行きましたから。そして「ああ、雪が降ってきたね」っていうかたちで、とにかく水はあらゆるところを探して歩きました。
――その震災から7カ月後、県の甲状腺検査が始まった。1次検査で異常がないとされるとA1判定。5mm以下のしこりや甲状腺に水分が溜まってできるのう胞が20mm以下の小さいものがあるとA2判定になる。田中さんの子どもは1次検査でB判定。つまり、5mmを超えるしこりが見つかった。しかし、手元に届いた通知はこのわずか1枚。何の説明もなかった。2次検査まで半年以上待たされた。田中さんは半年も待てず他の病院を探したが、そこで思いもよらない事を言われたという。
田中:いざそこに行きましたら、「(病院の)事務所の手違いです、ここでは検査する事はできません」「(県が)決めている事なので、個人の病院では検査することはできません」と言われました。(病院の)事務所では、「どうぞ検査に来られてください」と予約までとりましたので、いざ先生とお会いしたら、先生は「うちは出来ません。ここでは出来ません。(県が)決めている事なので」
――県内で甲状腺の一時検査を行えるのは県立医大のみ。来年度から増やす予定があるが、それに選ばれるためには条件がある。エコー検査をするだけで診断はせず、検査データはすべて医大に送らなければならない。甲状腺に問題があるかどうかの診断は、医大が一括して判定する仕組みだ。なぜ県立医大だけに診断の権限が集中しているのか?甲状腺の第一人者で検査の責任者でもある、県立医大の鈴木教授に話を聞いた。
福島県立医科大学 鈴木眞一教授:
お母さん方が心配でどこかで調べる。するとそこの先生が今度は、「のう胞じゃなくて結節だ、しこりだ」と言ってもう一回(県立医大に)まわる。で、そうするとそれは全然違う、あの、おー、小さいお子さんに特徴的な甲状腺の中に認められる胸腺であったり、あの、血管であったり。血管をのう胞と言っている。「私どものところでやった検査と同じレベルの事をやって下さいね」ということも理解してもらわなければいけない。
――20mm以下ののう胞は県の基準ではA2判定で二次検査の必要はない。しかし、不安を抱いた母親は県立医大とは距離を置き、県の検査には批判的な診療所を訪ねた。
のう胞が見つかった中学生:
検査の時間が倍以上かかったので、流れ作業っていう訳ではなくて、時間をかけてじっくり診てくれるっていうのが安心しました。
――親子が再検査を受けた診療所。松江院長は排他的な県立医大の診療方法を強く批判している。
松江寛人院長:
検査を受けたけれども「不安だ」っていうのは当然なんですよ。(県立医大は)「患者に直接説明するな」って言っているんですよ。それ(患者への説明)も我々がやりますと。それもね、検査の結果を文章で我々が渡しますと。なので「(受診者に)直接説明をするな」っていうんですよ。こんなことありえないですよ。
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