2012年9月 このまま手をこまねいていると
手賀沼(終末処理場)が放射能セシウム灰の
ゴミ捨て場になってしまいます
我孫子市民有志による
いま始めないでどうする
「原発のない社会をめざす会」http://chiko123.blog.fc2.com/blog-entry-310.html
メール:nonukesabiko@yahoo.co.jp
防護服を着て汚染灰の処理をする柏市のクリーンセンター(NHKテレビより)
持ち込まれる灰は原発の低レベル放射性廃棄物の数百倍 (最高78,000ベクレルにも)
6月に森田健作千葉県知事は、柏市、松戸市、流山市のクリーンセンターから出た、引き取り手のない2,500トンものゴミ焼却灰(被災地のガレキではありません)を、手賀沼終末処理場(県有地)に一時保管すると発表しました。
我孫子市長、市議会、地元住民の反対の声を全く無視して着工されようとしています。
よその市から持ち込まれようとしているこれらの焼却灰は、国が埋め立て処分できるとした限度(1キロあたり8,000ベクレル)を超えた放射性汚染灰で、柏市の焼却灰からは最高78,000ベクレルもの高濃度のセシウムが検出されています(幸い、我孫子市では8,000ベクレルを超えるゴミ焼却灰は出ていません)。
わが国の法律では1キロあたり100ベクレルを超える放射性廃棄物は、一般の施設で取り扱うことを禁止されています。原子力発電所では100ベクレルを超える「低レベル放射性廃棄物」は、ドラム缶に詰められ、近隣住民から隔離されて、原発敷地内の倉庫に厳重に保管されています。
その原発の低レベル放射性廃棄物の数百倍もの濃度の、危険な大量の汚染灰を、すぐ近くに学校や住宅地をひかえる手賀沼終末処理場に持ち込もうとしているのです。これは単なる“迷惑施設”とはわけが違います。
手賀沼終末処理場にはすでに高濃度汚染灰が山積み
そもそも手賀沼終末処理場は、松戸市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ヶ谷市、印西市、白井市の7市の汚水を広域的に集め、処理する県の施設です。 昨年の事故以来、ホットスポットとなった東葛地区の下水が集中的に集まってくるため、汚泥を燃やした焼却灰からは、最高で1キロあたり20,500ベクレルもの高濃度のセシウムが出ています。この敷地内だけでもこのような行き場のない汚染灰がすでに1,700トン(7月末現在)も貯まっています。そして現在もふえ続けています。この上に新たにゴミ焼却の汚染灰を大量に持ち込もうというのが今回の計画です。
もし台風や竜巻、水害が起きたら?
手賀沼終末処理場では、原発の何百倍もの高濃度の汚染灰が、フレコンバッグという樹脂製の袋に詰められ、かまぼこ型テントに山積みにされているだけです。 処理場は、我孫子市洪水ハザードマップ(平成19年版)によれば、利根川の氾濫により5m以上の浸水が想定される場所です。超大型台風が来て、水に溶けやすいセシウムが、地下水や、すぐ隣の手賀川、さらに利根川に流れ込めば被害ははかりしれません。また台風や竜巻で灰が飛散すれば周辺の広大な地域が汚染されます。
汚泥を燃やして二次汚染の心配は?
不安はまだあります。手賀沼終末処理場の焼却炉は放射性物質に対応すべく造られたものではありません。フィルターのセシウム除去率はどのくらいか? いったいどれほどのセシウムが大気中に拡散されているのか? 二次汚染の心配はないのか? それらのデータは一切公表されていませんが、近隣住民はすでに1年半もこのような不安と隣り合わせに暮らしているのです。
一度受け入れてしまえば恒久保管場所になるおそれが
県は、「国が2014年度末をめどに最終処分場を確保すると約束した」とし、あくまでも短期間の一時保管であると強調しています。しかし、このような国のいい分をそのまま信じられるでしょうか? 処分場の決定が難航している現状を見れば、それは明らかです。今もって、国は、福島県内の除染で出た汚染土の中間貯蔵施設の候補地を決めることすらできません。焼却灰の最終処分場(地下に遮断して埋める)は各県内で候補地をさがすもようですが、まだ何の見通しも立っていません。このような状態で、2年以内に最終処分場を確保するといわれても、まるで説得力がありません。 もしこのまま県のいいなりになれば、汚染灰が行き場のないまま恒久保管になることは目に見えています。
我孫子への汚染灰持ち込みに もう一度 反対の表明を!
危険は一カ所に大きくまとめて押しつけるのではなく、各自治体で分散して引き受けるべきです(福島県でも汚染土は地区ごとに保管しています)。そのほうが、もし自然災害などが起きても被害を最小限に食いとめることができます。 他の候補地を検討しようともせず、先に結論ありきで手賀沼終末処理場の広域汚染灰保管を進めようとする県の 姿勢に、私たちは非常に憤りを覚えます。みんなで断固反対の声をあげましょう。