ケルビム&KHSでゆくフォトマップブログ/自転車で巡る阪神間の道と街

テーマは「No bike no life」ということで、自転車を巡って過ぎゆく日常を書き綴っていくブログです。

三田ループ

2012-06-15 02:08:47 | サイクリングコース
三田ループ

「三田はロードバイクの聖地である」という言葉をネット上でよく見かけます。

ここで言う「聖地」とは、三田がロードバイクにとって、歴史的、宗教的にシンボリカルな舞台の場という事ではなく、ロードバイクを走らせる環境として三田が素晴らしい場所であるという事に尽きます。

平坦コースあり、山岳コースあり、渓谷沿いの爽やかなコースや湖の周回コースもあり、トレーニングやポタリングで楽しむことができるコースが揃っているために、阪神間の多くのロード乗りがさながら巡礼の如くに三田までやって来てくるというところが「聖地」とまで呼ばれるようになった所以かもしれません。

fumitaroも三田市在住のローディとして、これまで三田の幾つかのコースや道路を紹介してきましたが、今回紹介する「三田ループ」 は、阪神間のローディにとって三田のコースとして、最も知名度が高く、実際に良く走られているコースではないでしょうか。何も確証はありませんが、「三田ループ」のコース上で出会うローディの多さや、ネット検索をかけた時のヒット件数の多さからそのように感じてします。

はたして、誰が呼んだか、通称「三田ループ」。

三田市中央部やや北西にあたる高平地区や小野地区といった川沿いの平坦地を中心に、約21.7㌔の道のりでぐるりと循環するコースです。

平坦地メインですが、ゆるやかな峠道や、距離は短いが最高斜度12%にもなる急な登りやダウンヒルも楽しめるコース設定となっています。しかも、交通量は少なく、信号もほとんどなく、道路も整備が行き届き、ロードバイクを走らせる事に集中できる環境と、ポタリングとして山に囲まれた田園風景の美しさを堪能できる景観の良さを兼ね備えたコースです。このコースでタイムトライアル(以後、T・Tと略)を行うローディも多いようです。

今回の紹介では、コースの舞台となる風景とともに、このコースでT・Tを行う場合のポイントもお伝えできたらと思います。



コース全体図

コーススペック

 距離     :21.7㌔
平均斜度   :全体0%(上がり3.2%、下り3.3%)
獲得上昇量 :203㍍
獲得下降量 :202㍍




三田ループは循環コースなので、どこでスタートを取っても大丈夫なのですが、fumitariの場合は千丈寺湖南岸コースをアップとして走るので、南岸路から県道49号線に出る場所をスタート地点としています。

スタート地点から南下して「志手原交差点」に行き、そこから左折して木器のY字交差点を目指します。


三田ループ コース詳細図①


    

スタート地点すぐ右手にある喫茶店「やまぼうし」。その奥に見える山は「有馬富士」です。標高は374㍍と高くはないですが、円錐状の綺麗な形をしているために「富士」の名前が付けられています。この有馬富士を右手に見ながら、南下して行きます。


    

スタート地点から志手原交差点までは、ほぼ平坦路か微少ながらも登り勾配になっています。ほとんど直線の道路で見通しも抜群なので、T・Tの際にはスピードを伸ばすべき箇所です。右の写真は志手原の交差点。看板がたくさん掲示されているのが目印です。


    

志手原交差点左折後も快走路が続きます。右の写真の奥に見える山並は峠道になっています。「峠」といっても、斜度3%程度の緩やかな登りが500㍍ほど続くだけなので、どうという事のない登りです。巡航速度をそのまま維持して走りたい所です。


    

この峠には名前があって「切詰峠(245㍍)」と言います。志手原側からはあっと言う間にピークに達しますが、峠からの下りは距離があるので、踏みまくって速度を上げたいところ。しかし、タイトなコーナーがあったり、路面も1車線道路になる箇所があるので、対抗車には十分気を付けないと。

右の写真は、下りの途中にある木器(地名です。“こうづき”と読みます)のY字交差点。三田ループでは、この場所をスタート地点に設定する場合が多いようです。ループのコースは、Y字の左側の道を行きます。左側にカーブしながら下り、高平の平野部に出ていきます。見通しの悪いカーブですが、2車線の道路ですので速度を上げて下り、勢いを付けて平坦路に入っていきたいですね。



三田ループ コース詳細図②




木器のY字交差点から左折して坂を下ると、高平地域に入っていきます。「高平」は羽束川沿い南北に細長く延びる平野部です。平野部の中央を兵庫県道37号線が通っていますが、三田ループはこの道を北上していきます。平野の両サイドを山に挟まれ、中央を羽束川が流れており、川の側に水田が広がっています。高平は三田ループの中でも景観の美しい場所だと思います。


    

高平地域に入って前半から中盤にかけてはひたすらの平坦路です。路面は綺麗、車の交通量は少ない、信号機はない、と巡航速度を上げて飛ばすのにもってこいの道です。風向き次第という事はありますが、ここを時速40㎞/h以上の巡航ができるようになればタイムも大きく短縮できるはずです。右の写真は、「つくしの里」という道の駅のような施設です。この高平地区をポタリングで楽しむ時はベースとなる場所ですね。


    

高平地区に数件ある地元限定のコンビニがあります。右の施設は高平小学校です。この付近に公共の施設が集中しており、高平地区の中心的な場所という事なのでしょう。




高平地区の東側に聳え立つ「大船山(653㍍)」です。堂々とした姿が見事な独立峰です。高平地区のシンボル的存在としてとても大きな意味合いを持っているように感じられます。


    

三田ループのコースからは少し離れますが、少し寄り道。高売布神社と、大船山をご神体とした鳥居があります。



三田ループ コース詳細図③




この羽束川に架かる高平橋を越えた所から奥高平に入って行きます。平坦路が続くのは変わらずですが、平野部の奥まった場所に向けて、やや登り勾配になっています。といっても斜度1%~2%程度なので、巡航速度は維持したいですが、これまでと同じ感じで踏んでいると速度が落ちます。疲労が溜まってくる頃ですが、ここは踏ん張ってクランクを回していきたいですね。


    

景観の爽やかさは変わらずです。平野部の奥地を目指してペダリングに集中するのみです。


    

高平地区北縁の山並みが迫ってきました。折り返し地点はもう少しです。看板の通り、交差点を右折すると、渓流沿いの道を登って三田市の「後川」という地区に向かいます。三田ループは左折して南下します。


    

平野を折り返し、一転して南下します。今度は緩やかな下り勾配になっているので、ここは思い切ってグイグイと踏み込むだけ。この緩斜面を下っていくと、三田ループ最大の難関が待ち受けていますが、そんな事は気にせず加速して時速45㎞/h以上、いや、もっと欲張って時速50㎞/hで走りたいですね。


    

南方に聳える大船山。尖がった山頂が恰好良いですね。右の写真の分岐を越えると、高平地区を出るための峠道に入っていきます。ちなみに、この分岐で左の道に入ると、高売布神社の前を通過して高平橋まで戻ります。峠越えを避けるならこちらの道を選ぶと良いです。




高平橋への分岐点から約500㍍の距離で平均斜度10%、最大斜度12%の峠道を越えて行きます。峠のピークから小野交差点まで、下り勾配の道が続きますが、道路が狭く住宅街のそばを通る箇所もあるので、速度を出せる所と抑える所の両方がある区間です。いずれにしても高平地区と小野地区を繋ぐ峠を越えると、T・Tのゴールがぐっと迫ってくる感じです。




写真の通り、峠道の入りが最も急勾配になっています。これまで全力で飛ばしてきた脚には相当応えます。しかし、急坂の距離は300㍍程とごく短いので、気合いで登り切る以外にありません。


    

どれだけ速度の低下を抑えて、この峠を登り切るか。タイムの出来に大きな影響を及ぼします。後の事は考えずにひたすら脚を回せぇ~~。


       

苦しみの末に峠のピークが見えてきます。距離にすると短いのですが、これまでの疲労が響いてとっても長く感じます。


    

峠を越え、下り勾配の道に入ります。道も広くて路面もしっかりしているので、滑空するように走りたいですが、峠登りで疲労した脚の回復に努めたいです。ここで、しっかりと踏み込む事が出来ると時速50㎞/h~60㎞/hは出そうな勢いですが、それが可能な人は相当走り込んでいる人なのでしょうね。fumitaroにはまだ無理なようです・・・。峠のピークから小野交差点まで、距離3.4㌔、平均勾配は-2%です。


    

溜池の横にある住宅地の横を走るのでスピードダウンもやむなし。下り勾配の道に沿った集落を抜けていくと、まもなく小野交差点に出ます。




小野交差点。兵庫県道49号線との分岐です。この道を右折すると黒川渓谷の峠道を越えて母子の里に至ります。三田ループはここを左折して南下し、スタート地点を目指します。



三田ループ コース詳細図④




小野交差点を左折後は、黒川沿いの平野を走る快走路を走ります。大きなカーブが幾つかありますが、勾配は若干の下り傾向になっているので高速巡航を維持してラストスパートです。最後は、琴引峠と言う勾配の緩い峠道がありますが、高速巡航の勢いでそのまま登っていきたいですね。峠を登り、サーッと下っていくとゴール地点に到達します。


    

全ての条件において気持ち良く走れる快走路。三田ループにはこのような区間が多いことが人気の源なのでしょう。琴引峠の入り口が見えてきました。正面の山並み右の低く窪んだ場所を越えて行きます。


    

さきほどの峠と違い、勾配の緩い登り坂です。もうここまで来たら勢いのまま、全力で踏み込んで行くしかないでしょう。ループはもう終盤を迎えています。


    

琴引峠のピーク。小野交差点側からの峠の登りは、距離850㍍、平均勾配3.2%。峠を越えて少し下ると花山院の入り口になっていて峠の茶屋があります。


    

この地点から花山院までは距離900㍍、平均勾配17%強の急勾配の道になっており、ヒルクライムコースにもなっているようです。この峠の茶屋を越えると緩やかな勾配の下り坂です。S字カーブになっているので車線オーバーにだけ注意して下っていきます。




ゴール!!
 


コース概要
コース名 三田ループ
距離    21.7km



阪神間ローディが集うトレーニングコースのメッカ、「三田ループ」を紹介しました。写真撮影のためにこのコースを走るにつけ、何故、このコースに多くのローディが集まってくるのかが分かったような気がします。交通量や路面状況など、様々な観点から見てもロードバイクを走らせるのに好条件が揃っている事は間違いないのですが、それ以上にこの土地の持っている雰囲気の良さ、空気の流れの良さが身体に染み込んでくるような心地良さがありますね。私は三田市在住で、このようなコースが身近にあることをロードバイク乗りとして幸せに感じています。

交通量 [A]

通勤の時間帯を除くと、全体的に交通量は極めて少ないです。小野交差点~志手原交差点~木器Yの字交差点までは、比較的交通量が多いと思いますが、それでも少し南を走る県道68号線に比べると、人口密集地同士を繋ぐ抜け道的な価値があまり高くはないので交通量は少ないです。休日の朝にこのコースを走ると遭遇する車の数はぐっと減ります。

路面状況 [A]

峠道は一部、車線が無かったり路面が荒れていたりしますが、それ以外の道路の路面状況は最高です。評価はSに近いAという感じです。高平地区を走る県道37号線も、小野地区を走る県道49号線も走り易いことこの上ない快走路といっていいでしょう。

安全性 [A]

交通量の少なさ、歩行者の少なさ、見通しの良さ、どれをとっても満点です。峠道はやはり見通しが悪い箇所やスピード超過が危険な箇所があって、S評価には届きませんが、全体的には十分な安全性の高さです。

信号機 [A]

コース全体21㌔の中で信号があるのは、志手原交差点と小野交差点の2か所のみです。自転車専用道や湖の周回道路でもない県道でこの信号の少なさは素晴らしいですね。

エイド [B]

田舎道を走るコースの割に補給可能な商店や自販機の数は充実しています。高平地区には、ローカルコンビニ「エポック」他、昔ながらのパン屋さんが数件あり、食糧補給には困りません。ポタリングでこの周辺を走る時には利用すると良いですね。あと「つくしの里」や喫茶店もあるので、ゆったりとした時間を楽しむのにもってこいです。コース内に自転車屋さんもあったけど、今でも営業しているのかどうかは微妙なところ。

景観 [A]

高平地域の景観が何より素晴らしい。大船山の優美な山並み、日光に照らされて輝く水田、青空と緑の調和が心を和ませます。ロードバイクでタイムトライアルも良いですが、マウンテンバイクでゆっくりとこの地域を巡ってみるのも面白そうです。

用途 [タイムトライアル・各種トレーニング・ポタリング] 

上記にもあるように、このコースは様々な条件からタイムトライアルや、トレインを組む練習、インターバル走、もがき練習、LSDトレーニング、ヒルクライム系のトレーニングを除くあらゆるトレーニングで利用できそうなコースです。もちろん、ポタリングでもこの山里を楽しむ事ができます。




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