ケルビム&KHSでゆくフォトマップブログ/自転車で巡る阪神間の道と街

テーマは「No bike no life」ということで、自転車を巡って過ぎゆく日常を書き綴っていくブログです。

国道2号線 梅田新道~三宮

2012-10-26 05:06:24 | 国道
国道2号線 梅田新道~三宮




今回は、阪神間における唯一の1桁国道である、国道2号線(通称「にこく」)を紹介します。写真の場所は大阪市北区の梅田新道交差点の南東角。この交差点で東京の日本橋から始まる国道1号線が終了し、九州は北九州市門司に至る国道2号線がスタートします。2号線は大阪梅田の中心地を西へ進み、福島区を通り阪神野田駅から進路を北よりに変えて、淀川を越えて一路西進して神戸に向かいます。

大阪平野部から六甲山南麓と瀬戸内に挟まれた狭い回廊部を繋ぐ道路(高速道路を除いて)は北から、山手幹線、国道2号線、国道43号線の3つがあり、それぞれ特徴があって面白い道路です。また、これらの道路は阪神間在住の多くのロード乗りにとっても関わりが深いものとなっているではないでしょうか。今後は、今回の国道2号線を皮切りに、他の2本の道路についても順次取り上げていきたいと考えています。

国道2号線との関わりで言うと、fumitaroの場合、自宅の三田市から宝塚市に出て、武庫川沿いに南下、国道2号線に乗って大阪市内に入る道程が鉄板コースになっています。復路も同じ道を取ることが多いです。後で紹介しますが、国道2号線の走りやすさ(信号が多いのには閉口ですが)に加え、武庫川サイクリングロードや左岸道路といった阪神間縦断自転車専用道とでも言うべき快適な道とのコンポが爽快過ぎます。なお、神戸方面に向かう場合は、武庫川を南下して山手幹線に乗って神戸市内を目指す事が多いですね。


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国道2号線の起点となる大阪梅田の梅田新道交差点。交差点の南東の角からの写真撮影です。




MAPを見るまでの事はありませんが、梅田新道は大阪キタの交通の中心部をなす交差点の1つです。東からは、東京都中央区日本橋を起点とする東海道、国道1号線の終点となり、九州までの山陽路を行く国道2号線の起点となっています。また南北には大阪市内のメインストリートである御堂筋が交差しています。写真中央に聳える高層ビルは大阪駅前第3ビルですね。

国道2号線を出発して西へ向かう前に、梅田新道付近の名所を2箇所紹介したいと思います。




梅田新道交差点の北東方面には新御堂筋の高架が走っていますが、御堂筋と新御堂筋に挟まれた区域は、狭い路地に飲食店や風俗店が入り混じる猥雑な雰囲気の盛り場となっています。そうした区域の一角に鎮座しているのが、露天神社(つゆのてん神社)、通称「お初天神」。




境内に一歩足を踏み入れてみると・・・そこは場末感漂う繁華街の一角にあるとは思えないような閑静な雰囲気に包まれていました。


       

近松門左衛門作の人形浄瑠璃「曽根崎心中」では、登場人物のお初と徳兵衛が情死する場所として露天神社が描かれている(この心中事件は事実であったらしい)。その事件以降、露天神社は皆に「お初天神」という呼び名で呼ばれることが多くなったという。露天神社には、そのお初と徳兵衛の物語(曽根崎心中)の人形浄瑠璃のポスターが貼られ、2人が仲睦まじく寄り添い合って座っているブロンズ像が設置されています。


       

また、アメリカとの戦争の遺物までもがそのままの形で残っていました。境内から一歩外へ出て狭い路地に入ると、そこには小さな料理屋や居酒屋、ホテルや風俗店が密集する一画に迷い込みます。高層ビルが林立する乾いた大都会の片隅に湿っぽい人間の情念が吸い寄せられるような場所が佇んでいる様が歴史ある都会の奥深さと面白さですね。


       

そうした場所のほど近くにあるのが、「ウエムラパーツ梅田店」。阪神間在住のロード乗りでこの店を知らぬ人はいないのではないかという程の超有名なロードバイク・パーツ専門店。とにかく価格の安さがウリの店。単純な値段の「安さ」では通販には負けますが、実際の商品を見て買いたい場合や、とにかく急ぎで必要という場合にこの店で購入することが多いです。

ただ、商品の欠陥でない限り返品や交換には頑として応じない営業方針のためお客さんがレジ先で店員に不満をぶちまけている様を見るとことが何度かあります。また、店員の商品知識やメンテナンスの技術が確かかどうかは定かではありません。今はそんな事はないと思いますが、以前、チューブレスタイヤの在庫の有無を店員に聞いたところ、チューブレスタイヤの事をご存じなかったというような事もありました。


       

そして、いよいよ国道2号線を西進して行きます。左写真は曽根崎新地1丁目の交差点。左手に北新地、右手には大阪駅前ビルが林立する一画。右写真は桜橋交差点。この交差点を横断する道は四ツ橋筋。大阪キタの中心部を横断しながら進んで行きます。大都会の真ん中で交通量は多いが、車線も多く、端の車線はあまり車が走らない(駐停車している車は多いが)ので、自転車にとってもそう走り難い道ではないと思います。とは言っても、都会を気楽にスムーズに走れるようになるには慣れが必要ですね。


       

桜橋交差点から西の地点にあるロードバイクプロショップ「シルベストサイクル梅田店」。値段の安さで勝負するウエムラパーツに対して、こちらはショップ店員が現役ロードレーサー(実業団登録してる?)であること。購入したバイクやパーツのアフターケアもしっかりやってくれそうな感じです。といっても、このお店で何も購入した事がないので詳しくは分かりません。フラっとフレームを見に立ち寄るだけです。


       

梅田新道の交差点から西へ進めば進むほど、沿道の高層商業ビルは減り、マンションや小さいお店が軒を連ねる道路になっていきます。都心というよりも下町っぽい雰囲気が漂います。右写真は野田阪神の交差点。国道2号線はこの交差点を右折して行きます。この交差点を右折するのはロードバイク乗りにとっては少々面倒くさい。信号を何度も越えないといけません。


       

野田阪神の交差点を右折して淀川までの道。この辺りから、国道の路肩がしっかり広くなって、ロードバイクの走り易さが格段に増します。歩道の上には自転車道のようなラインが引かれていますが、歩道を走る必要は全くなし。車道を安全に走れます。気持ち良く走っていると、そのうちに淀川を渡る「淀川大橋」が見えてきます。




淀川大橋は浪速の橋50選にも選ばれている橋長724㍍もの長さを誇る大きな橋です。この橋を越えると大阪都心部を脱して郊外に出るという気分になります。車道には路肩がないのでやむなく歩道を行きます。それにしても爽快な景観です。


       

淀川を越えて、西淀川区内の国道2号線を行きます。道は路肩が広くて自転車は走り良い道です。前方に3本の道路が交錯する歌島橋の交差点の表示が見えます。


       

歌島橋の交差点の手前にある「歌島橋」。欄干の下に見えている青い道は、当ブログでも紹介した大野川自転車歩行者専用道です。右写真は歌島橋交差点。左折する車に巻き込まれないように慎重に通過してください。


       

左右で似たような写真が2枚。神崎川を渡る神崎大橋(左)と神崎川支流の左門殿川を渡る左門殿橋(右)です。どちらの橋も、高潮の際に川が増水した時に水が溢れでてこないように橋を封鎖する赤い防潮鉄扉がトレードマークですね。左門殿橋を越えると兵庫県尼崎市に入ります。




左門殿橋を越えて、国道2号線は尼崎市内を走ります。この先、玉江橋交差点付近は信号も多く、混雑しますが、この付近は信号もそう多くはなく、路肩も広々としているので気持ちよく走れる区間になっています。


       

白い高層ビルは都ホテルニューアルカイック。右写真が「玉江橋交差点」。右折すると兵庫県道13号尼崎川西線(通称産業道路)に入り、伊丹市へと向かいます。


       

尼崎の台所、かつ庶民の百貨店、三和本通商店街の入口が道路左に見えます。このアーケードには、毎年3月下旬、日本プロ野球開幕と同時に阪神タイガースの優勝マジック144の表示が掲げられることで有名です。今シーズンは途中で撤去されてたりして。


       

尼崎の繁華街から少し西に外れた国道2号線沿いにあるのが「サイクルセンターサンワ」。一般車、ロードバイク(安価な初心者用ロードから100万円を超える高級バイク)、MTB、折り畳み、小径車まで、色々と品揃えが豊富です。ロードは、キャノンデールやトレック、スペシャといったアメリカrロードバイクもありますが、ピナレロやコルナゴ、ルックをはじめとしたヨーロピアンバイクの取扱いがメインな感じです。なお、最近、折り畳み自転車専門館が出来て、fumitaroの折り畳み自転車、KHS・F20RCはそこで購入しました。


       

サイクルセンターサンワを過ぎたあたりからは、郊外という感じの道になり軽快に走ることのできる区間になります。交通量は多いですが、路肩が広いので割と安心して走れます。


       

そして、武庫川に架かる武庫大橋まで来ました。淀川に架かる淀川大橋が浪速の橋50選なら、この武庫大橋は日本100名橋の1つです。1927年に完成したという歴史の古さと、レトロモダンなアーチのデザインが重厚感を醸し出しています。


       

尼崎市と西宮市の市境は武庫川の真ん中にあるようで、橋の途中で西宮市に入ります。西宮市に入っても、道路の路面は綺麗で、路肩の広く走り易いのですが、信号機の数が多くなって、よく止まらされてしまいます。


       

西宮市役所から、夙川橋までの区間に写真のような自転車道が最近整備されました。国道2号線の広い路肩がこの自転車道建設のために削られてしまったので、車道走るロード乗りとしては走り難くなってしまったびで不満ですが。自転車が走る道を整備しなければならない、という機運が全国的に高まってきている事は大歓迎です。


        

桜街道で有名な夙川オアシス道路。この道の周辺を巡る記事もいずれ書いてみたい。国道2号線は西宮市を過ぎて芦屋市に入っていきます。芦屋市郊外は信号もあまりなく、写真のように快適な道のりが続いているような気がする。
 

       

芦屋市業平町にある「ライドワークス」というプロショップ。キャノンデール・スペシャ・リドレーなんかのラインナップが多いかな。あとMTBも結構充実しています。この店で商品購入した事はないけど、結構良い雰囲気。


       

東灘区の田中交差点の角にある味覚の王座「鈴木商店」。以前からこの交差点に来る度に気になっていましたが、ついにアイスを購入しました。ソフトクリ―ムは200円でやや小振りな大きさ。牛乳のまろやかさをしっかり味わうことができるソフトクリームでした。数種類もあるアイスキャンディーも気になります。


       

東灘区の住吉川に掛る住吉橋。北を見ると川沿いに景色が開けて六甲の山並みが迫って見えます。




神戸市立御影公会堂。神戸市東灘区の石屋川橋前に立つレトロな雰囲気の建物が以前から気になっていました。調べてみると1933年に完成したという古い建物で、戦時の神戸大空襲によって戦災を受けています。野坂昭如原作のアニメ映画「火垂るの墓」でも空襲を受けた街の描写の中で描かれています。

この建物の中に入ってみようと思って近づくと、「御影公会堂食堂」という看板があったので、このレトロな建物の食堂で昼食を取る事に決定。早速中に入ってみました。


       

食堂はこの建物の地下1階にあるらしく、ほの暗い階段を降りていくと食堂の入り口があって何組かの「待ち」がありました、なかなか人気のあるお店のようです。

20分ほど待ってようやく入店してみると、ちょっとした高級レストランのような雰囲気。「食堂」というと現代の感覚では大衆食堂や学生食堂や社員食堂といったように安かろう、速かろうという雑多な食事場所というイメージですが、昔の「食堂」と言えば、滅多に来ることのできない憧れの場所、そういう感覚であった頃の時代を彷彿とさせるような食堂でした。




定番メニューであるらしい、オムライスセットを注文。トマトの酸味をよく効かしたケチャップの味が印象的な味わいでした。凄く美味しい!というものでもありませんが、店舗の雰囲気ごと味わうという事で十分に楽しめるお店です。


       

昼食を食べて外に出ると、空が鱗雲に覆われていました。道路は小さい交差点や大きな交差点がたくさんあってスムーズには進んで行きませんが、路面自体はとても良いので走り難いという程ではありません。


          

国道2号線は西灘あたりでググッと左カーブして行きます。そしてその先には国道43号線と合流する「岩屋交差点」。この道を右折するといよいよ三宮周辺に入っていきます。




国道43号線と合流してからは、片側5車線の広々とした直進道路。5車線もあると、左折目的以外の車は左端の車線を走らないので、自転車で走るには楽になります。道が広くなると都会に近づいてきた感じがして、高揚感が出るものですね。




神戸市中央区春日野道吾妻通3丁目交差点付近。大阪ガスの2基のガスタンク。国道の沿道にあるのでよく目立ちますが、実は飛行機に乗った上空からもよく見えていました。




三宮交差点に到着。左折する道は「フラワーロード」となり、国際会議場前、市役所前、東遊園地を通って神戸港の第三突堤へと続いて行きます。右折すると、すぐにJR三ノ宮駅、阪急三宮駅です。三宮界隈は面白い見どころがたくさんあるので、そのうちにここも特集してみたいですね。


コース概要

コース名 国道2号線(梅田新道~三宮)

距離    31.1Km
上昇量  38m
下降量  30m





交通量

国道2号線は大阪市から福岡県北九州市まで、山陽道の中心都市を繋ぐ西日本のメインストリートです。阪神間においても、大阪市北区梅田から神戸市中心地を結ぶ基幹道路であり、自動車の交通量は文句なしに多いです。

交通という観点から、この道路の特徴を示すと、阪神間を横断する基幹道路でありながら、トラックなどの大型車があまり走っていないという事。大型車があまり走らないというのは、自転車乗りにとっては車道を走る時に受ける自動車からのプレッシャーが大きく減じる事になり、幾分か気持ちが楽になります。いくら車道を走ることに慣れているとしても、大きなトラックが自転車のすぐ傍をビュンと抜き去っていくの心地の良いものではないですよね。

ところで、何故、国道2号線に大型車が少ないかと言えば、国道2号線より沿岸部近くを走る国道43号線がその役割を担っているからではないか。国道2号線は商業や行政の動線、国道43号線は産業や運輸の動線、そんな棲み分けができているのかもしれない。


路面状況

道路の写真を見てもらうと分かると思いますが、この道路はほとんどの区間において、幅の広い歩道があり、車道外側線から歩道までの幅も広いので、自転車はこの間を走ることができます(厳密に言うと、自転車は車道の左端を走るもので車道外側線の内側を走るものではありませんが、車道を走る車の邪魔にならないため、自転車が安全に走るために車道外側線の内側を走ることが公然の了解となっています)。そのために自動車の交通量の多いこの国道にあっても、後ろから走ってくる自動車の存在を気にしながら自転車を走らせるという負担が意外と少ない道路となっていて、自転車乗りには案外走り易い道路となっています。

ただ、西宮市役所前から夙川橋までの1.2㎞の区間は歩道上の自転車道が新設されたために、車道外側線が大幅に減じているので、車道を走る際には後ろから来る自動車に注意を払わないといけません。ゆったり走るなら自転車道を走るのもアリですが、スピードを維持したい場合は注意して車道を走るしかないですね。

なお、国道2号線は阪神間を横断する中心的な道路ということでいつも路面はしっかりと整備されていてとても綺麗な状態が維持されています。

安全性

交通量は多いし、交差点も多い、とくれば道を走る自転車の安全性は低下しそうなものですが、上記の通り、広い車道外側線の内側を走れるので、横を車がビュンビュンと走り過ぎていっても、それほど危険は感じません。ただし気を付けないといけないのが、交差点で左折する車との接触と、車道外側線の内側に停車している車の存在です。国道2号線のロードサイドには飲食店をはじめとして様々な店舗が並んでいるために、車が道の端によく止められています。そうした車を避けて車道を走った時に後方から車道を走ってくる車に注意すること、停車中の車の発進や右ドアが開かないかどうかは十分な警戒が必要になります。

信号機

各都市の中心地を横断していく道路だけに、大坂都心部、尼崎サンワ商店街付近、神戸市街地等、信号機の設置距離が短いのでしばしば信号によって停車しないといけないという感覚になります。路面状況や安全性から見ると国道2号線は自転車にとっては走り良い道ですが、急ぐ必要がある場合には信号の多さからあまりお勧めできないかもしれません。その場合でしたら、区間にもよりますが、国道43号線を走る方が所要時間的には効率的のように思われます。


エイド

阪神間を横断する商業上のメインストリートだけあって、コンビニ、飲食店等、補給は万全。万が一の自転車のトラブルが発生しても、自転車店も数多く軒を連ねているので無問題。梅田新道交差点付近のウエムラパーツ梅田店に始まり、シルベストサイクル梅田店、尼崎のサイクルセンターサンワ、サヌキヤ、芦屋市のRIDEWORKS、神戸市中央区のガレリア2001、等々、他にもあるかもしれないがスポーツバイクのプロショップや、有名自転車量販店や個人経営の街の自転車屋さんが点在しているので、そうした自転車屋さんに駆け込みやすい道路であることは間違いありません。


景観

都市部を走る国道なので、道の両サイドは高い建物で塞がれており、展望はほとんど効きません。かといって街並みの風景に見どころが多くある訳でもなく、景観的に何も面白くはないです。そんな中、一服の清涼剤は、神戸市内の橋上から垣間見える六甲山系の風景です。街並みのすぐ近くで屏風のように聳え立っている六甲の山並みを見ると、ほっと安心する気持ちになるから不思議です。


用途 通行

大阪と神戸を結ぶこの区間を移動するための道路としての価値が高いです。他に阪神間を横断する道路として、山手幹線と国道43号線がありますが、時間をあまり気にせずゆったり走るなら山手幹線(特に西宮市~神戸市間)か国道2号線を行くのが便利でしょう。この道を走っていると、トレーニングのように早く走ってるロードバイクに出会う事もありますが、信号機も多く、交通量ももちろん多いのでトレーニングに向いている道とはあまり思えません。

国道176号線 JR宝塚駅~三田市:八景中学校前交差点

2012-03-31 18:18:24 | 国道
国道176号線(JR宝塚駅前~生瀬~名塩~山口~名来~道場~三田市・八景中学校前交差点 17.6㎞)




JR宝塚駅(右側)と阪急宝塚駅(左側)の中間地点です。この下はちょうどトンネルになっていて国道176号線が通っている。今回のレポートはここから始まる。





宝塚駅を過ぎると、すぐに西宮市生瀬町に入る。この正面にある新生瀬大橋までの区間は片側2車線の余裕のある道路となっている。正面に見える山並みは長尾山系。

右手は住宅に遮られて見えないが、すぐ武庫川の流れがあり、その向こうに六甲山系の連なりが望める。北は長尾山系、西は六甲山系に平野は阻まれ、この地をもって、大阪平野北西部の辺縁となる。

国道176号線は長尾山系と六甲山系の裾野を、武庫川支流の有馬川に沿いがら、北西へと進み、山間部の町名塩を経由し、有馬、三田の盆地を目指して進んで行く。







生瀬橋東詰交差点。正面を行くと新生瀬大橋を通る国道176号線。左折すると、生瀬橋を通過する旧176号線。右折すると県道33号線に入り、十万辻峠を目指す登り坂となる。





新生瀬大橋。この橋は自転車通行禁止ではないので、車道を走る事ができる。標識の通り斜度6%なのでゆるやかな登り坂といった感じ。

この橋の開通は平成13年(2001年)4月とまだ新しい。この橋が開通するまでは、先ほどの交差点を左折して生瀬大橋を渡り、渡りきると直ぐに交差点があり、今度はそこを右折していた。このため、激しい渋滞を引き起こす原因となり、その状況の解消のために新生瀬大橋が作られた。

新しい道ができてしまうと、その道がなかった頃の事を思い返すのが難しくなる。この新生瀬大橋がずっと前からあったような気がする。






新生瀬大橋を渡りきると、片側2車線の道が、片側1車線の道になっている。道路自体が武庫川の河原と切り立った山肌の間に作られたものなので、狭隘な道路になるのもやむを得なかったのであろう。しかし、それにしても酷い状況だ。道路は狭い上に交通量も多い。

このような道を走る場合、自転車はどうしたら良いのだろう。自転車は車道を走るのが基本だ・・しかし・・この車道の左側ってどこ?ガードレールしかないやん!やむを得ない状況だから歩道を走っちゃうよ!といっても、とって付けたような歩道で、人一人が足元を気を付けて通るのがやっとの歩道を自転車で行くのは難しい。もし対向自転車が来てしまったらどうしたらいいのか。






武庫川と斜面の壁に挟まれた狭隘部を越えると、大多田橋交差点に出る。この道を左折すると、登坂に名入り、蓬莱峡、屏風岩を越え有馬温泉に至る。





武庫川と山の壁に挟まれた狭隘部を反対車線から撮影した。奥側が宝塚方面である。川沿いの細い道に車が連なっているのが見える。





大多田橋の交差点を越えると、道路は武庫川の流れ近くの標高から高度を上げて名塩のニュータウンまで緩やかな勾配の坂道を上がっていく。山並みの紅葉がダイナミックで迫力がある。





木之本バス停前交差点。この交差点右の道を階段で降りていくと、阪神間のハイキング(ウォーキング)コースのメッカである武田尾廃線跡のコースに出る。休日にはこの交差点を目指してポツポツと道を歩いていく人たちの姿をよく見る。





左側の道を降りると、正面右手に広がる名塩ニュータウンへと続く。正面に見える薄茶色の建物は、名塩センター。市役所の分室や図書館の分室が入っている。JR福知山線の名塩駅もこの近辺にある。





JR名塩駅前のロータリー。

この辺りで写真を撮っていると、道行く老婆に「ちょっと兄ちゃん」と呼び止められた。

何事かと思い、話を聞いていると、

「あそこに時計があるやろ。あの時計な7時の10分前から止まったんや。そしたら、その辺でいつもうろうろしているネズミの姿が全く見えんようになってもうた。いつもはその辺でチョロチョロしとんのにな。おかしいで。ハツカネズミも何もおらんようなってもうた。これは絶対に何か起こる前ぶれやで」

<はぁ・・>

「兄ちゃんなぁ。写真撮ってるんやったら、あの時計も写真撮っとき。もし何か起こった時にはその事が証拠になるさかいにな・・」

<ほんまですか・・・>

「ほな、行くさかいに。ちゃんと写真撮っときや」

と言い残して歩いて行ってしまった老婆。

まさかとは思いながらも、この老婆の言う通り、時計の写真を残しておいた。確かに7時の10分前で時計が止まってしまっています。今のところ、この近辺で大きな異変は何も起こっていないようだが・・。






名塩ニュータウンへの分岐を越え、坂を登っていくと、「名塩東口」の交差点がある。ここから始まる区間が、新興住宅地ではない、昔からの名塩の町並。正面はクリーニング屋さんとたばこ屋さん(はただ商店さん)。この商店の右側が国道176号線。左側を行く道が「蘭学通り」と名付けられた名塩の町並みの中を行く小道である。





名塩、蘭学通りの様子。“蘭学通り”とはいっても、何てことはない住宅地の中の路地なんですけどね。けど、トラックが重なるように通り抜ける国道176号線の様子から比べると、気楽にのんびりと走れる道である事は間違いない。





少し戻って、「はただ商店」さんから国道沿いの道路。名塩の交差点があるが、写真のように住宅に挟まれた道路を頻繁にトラックが行き来する危険な道路になっている。





名塩の町並みを抜けてしばらく行くと、登り坂のS字カーブある。坂は急という程でもないが、トラックが前からも後ろからもやって来るので注意を払いながら坂を登らないといけない。





国道176号線、西宮市の山口町~名塩~生瀬区間にある2つの急坂のうちの一つ。有馬川の流れが左手に見えるが、そこからググッと高度を上げていく。





クルクルとクランクを回してゆっくりと坂道を登っていきます。この辺りは、夜間に走ると街頭がなく真っ暗になるので車のヘッドライト頼りになってしまわないように、十分に明るいヘッドライトを自転車に搭載して走りたい。





このサンクスが見えれば、名塩の登り区間もあと少し。ラストのS字カーブを目指して頑張るのみ





名塩の西地域にあるS字カーブ。S字というより、ヘアピンカーブを2つくっつけたような形をしている。このS字カーブの急な曲がりの所で大型車同士がすれ違うと容易に通行できない。一方が停車して譲り合って進まないといけなくなる。

自転車で行くには、勾配はたいした事はないので淡々と上がっていける。対向車線を車体を揺らしながら曲がってくるトラックにはビビする、。この坂道を登りきればピークの「赤坂峠」に出る。登り坂はあと少し。






標高279㍍の地点にある赤坂峠の交差点。生瀬の大多田橋交差点付近から続いていた登り坂の終点になっている。

ここまで来ると、後はペダルが勝手に回ってくれるような下り坂が続くので、気分的には全長17.6㌔の区間の8割を走り終えた気になる(実際は半分残っているのだが)。

ちなみにこの交差点を右折して更に坂を登るとと「生野高原」という名の住宅地に到着する。「高原」って書いてあるから本当に高原があって公園のような広場があるのかと急坂を登って苦労していってみたら、標高380㍍付近という高台の上に広がる住宅地があるだけだった。






赤坂峠を越えると、長い長い下り坂に入って行く。また、道路も整備され、道幅も広くなるのでとても気楽に自転車に乗っていられる。左の看板は「我夢」というカフェ&レストランだがが、未だ入った事はない。どんなところか気になるので、近いうちに入ってみようと思う。右側には中国自動車道が走っている。





下り坂をさーっと降りてくると、阪神高速西宮山口のインターチェンジ前交差点を通過する。正面の陸橋は中国自動車道。





中国道の高架をくぐり、快適に坂を下りる。この道の左手には六甲山系の山裾があり、右手の山並みに挟まれた谷間を行く道になっている。この地域をもって、ちょうど六甲山系の裏側に出るといった感じになる。そうした事が関係しているのかどうか分からないが、中国道の高架を過ぎた辺りから気温が2度ほど下がるような気がする。




軽快に坂道を下っていくと、西宮市山口の町に出る。この辺りの坂道は信号も少なく、車も速度を出して自転車を追い越して行く。片側2車線なので、自転車は車道を余裕をもって走れるが、のんびりと坂を下りたい時には市松模様が施された広い歩道を行けばいい。





山口町の目抜き通り。スーパーやレストラン、マクドナルド、等様々な店が軒を並べています。この176号線を挟むように、右手は北六甲台、左手は上山口の新興住宅地が開けている。





中国自動車道の高架を過ぎると、店舗もまばらになり、郊外の道といった雰囲気になる。赤坂の峠を下ってからは、ずっと下り坂が続いているが、この辺りは2%前後の下り坂がずっと続き、信号で止められる事も少なく、自転車は40㎞/h巡航が可能になる。脚力のある人はそれ以上も可能かも。






この辺りは街灯も少なく、車が途絶えると本当に真っ暗になってしまう。車は70㎞/h以上のスピードで飛ばしていくので、自転車は夜間この道を走る時はしっかりとしたテールライトを装備して後方から来る車に自転車の存在をアピールしないと怖いよ。





快走路がずっと続いている。ここまで来ると、三田市までは残り僅か。





三田市八景中学校前交差点に到着。ここから先が三田市の市街地と言ってもいいでしょう。

Y字型の交差点になっているが、右に行くと176号線が続き、左に行くとフラワータウンやウッディタウンといった三田市の新興住宅街に向かう幹線道路と繋がる。今回のレポートはこの交差点を終着とする。

ちなみにこの八景中学校は去年の探偵ナイトスクープにも登場していました。校舎からグランドまでが遠すぎて、着替えたり、トイレに行ったりしていると体育の授業の開始に間に合わないというネタだったと思う。




コース概要

コース名 国道176号線(JR宝塚駅前~三田市:八景中学校前交差点)

距離    17.6km
上昇量  269m
下降量  145m



大阪市北区から、京都市北部の日本海まで達する国道176号線のうち、阪神間平野部の北端、宝塚市から西宮市生瀬、名塩、神戸市北区を抜けて三田市へと達する区間を紹介した。JR宝塚駅から名塩の街並みを抜けるまでは、山沿いの狭い道を行く、ゆるやかな登り区間、神戸市北区山口町の赤坂峠から三田市までは、整備された両側4車線のなだらかな下り坂の道路を行く。西宮市生瀬町から赤坂峠に至るまでの区間は、片側1車線の狭い道路であり、大型車交通量の多さも相まって酷い渋滞が頻発する問題の道路である。しかし、現在、問題解決のために区間の各所で新道路建設の工事が行われている。


交通量 [D]

国道176号線は、阪神間平野部から北摂、三田市、丹波、篠山市を経由し、その先に兵庫県中部地域、但馬地方、丹後地 方、あるいは山陰道へと繋がっていく根幹道路のため、乗用車もトラックも交通量が非常に多い道路である。朝の通勤時間帯、休日夕方の上り(都市部へと向かう方向)は名塩、生瀬地域では渋滞は必至。宝塚方面に向かう中国自動車道で事故やその他の原因により通行止め(滅多にないが)、いつもに増して激しい渋滞が発生すれば、それを避けるために176号線に車が下りてくるので、地獄のような渋滞が引き起こされるのは間違いない。

路面状況 [C]

JR宝塚駅前~新生瀬大橋までの区間、赤坂峠から三田市八景中学校前交差点の区間までは、道路が整備され道路幅も広く、路側帯にも余裕があるので自転車通行は(傍を高速の自動車が次々に走り抜けて行く事以外は)快適。特に西宮市山口町から三田市に至る区間は緩やかな下りが長く続きますので、かなりの高速巡航が可能となる。

この区間だけであれば、路面状況の評価は[A]だが、西宮市生瀬、名塩の区間は、片側1車線の道で、道幅も狭く、路側帯もないような区間が一部あり、とても自動車が渋滞するような時間帯には自転車では走ることを勧めない。

一方、路面の質は国道というだけあって酷くはない。道路の割れ目や凸凹は少なく、丁寧に整備されている様子が窺える。また現在、176号線の生瀬~名塩区間の整備工事が進んでおり、安全かつ快適に走れる区間が増えているので、この先この道路がどう変わっていくのか楽しみでもある
 


安全性 [D]

間違っても、ロードバイク初心者や、自転車に不慣れな彼女や奥さんを伴って一緒に走ってはいけない道。

道路幅が狭いうえに、路側帯も未整備な区間が多く、トラックが後ろから迫ってきても逃げる場所がない。自転車のすぐ横をトラックが轟音と共に走り去っていくために、恐怖で体が縮こまり走行不能になってしまう可能性もある。しかし、この道路を走り慣れている人にとっては、それほど怖さを感じる道ではない。登りで、道幅も狭く、交通量も多いとなれば、車自体の速度も上がらないので、車が傍を通っても、びゅんびゅんと抜かれていく状況にはなりにくく(西宮市山口町~三田市にかけての区間は、片側2車線の大きな整備道路となるので、車はびゅんびゅんと走れるが、自転車を大きく避けて通ってくれるので大丈夫)、車と一緒に道を登っていくような感覚になるので、後方からの車に対する怖さは薄れる。むしろ、対向車線の下り坂をやってくるトラックがカーブでしっかりと曲がってくれるかどうかの方が不安。曲がりきれず、しかも横転なんかしちゃったりしたら・・・とふと思ってしまうので、良い感じはしない。区間によって安全性は違うが、生瀬~名塩あたりの道路状況を考えると安全性は最低レベルの[D] にせざるを得ない状況だ。


信号機 [C]

都市部を走る道路ではないために大きな道路と交差する交差点はないが、一部区間は住宅地を走るので、細かい交差点、信号機が以外とある。この信号機が渋滞の一因にもなっている。しかし、夜間であれば、黄色点滅になったり、国道が優先道路となり、信号機も青色の場合が多い。


エイド [B]

区間内に全国チェーン展開のコンビニが5件ある。特に登り区間の名塩ニュータウンへの入り口を通り過ぎた所にある「セブンイレブン」と、名塩の町並みを過ぎてヘアピンカーブを曲がり、坂を登りつめた所にある「サンクス」の看板を見るとほっと安心する。

景観 [C]

とても景観を楽しめるような道路ではないが、道路自体が六甲山系の東端を沿うように出来ているので、山並みの木々の色合いや有馬川、武庫川の流れが自然と目に映る。秋の空の下で眺める紅葉の様子はなかなか見応えがあるようにも感じる。

用途 [通勤・通行]

fumitaroの場合、職場が宝塚市なので、帰宅時に自転車でこの道路を通ることがある。また、休日に阪神間あるいは大阪へと自転車で出かける時にこの道路を通る。それ以外の用途は一切ない。

ポタリングをするにも、トレーニングをするにしても、もっと適した道路が他にあるので、あえてそうした用途にこの道路を使用することはない。ただ、この狭く、危険な道路を必要に迫られて仕方なく自転車で何度となく走っていると、不思議と妙な愛着が湧いてきている自分に気づいてしまった。

道は狭いし、まさかのヘアピンカーブにS字カーブで自転車も車も困らせ、交通量は多くすぐに渋滞するし、古い町並みを踏みにじるように道が走り、まるで高度経済成長期の名残とでも言わんばかりの時代錯誤の作りとはっきり言って問題児のような道路だが、区間によっては必死に現代的な道路に作り変えようとしている姿が健気に映るのかもしれない。出来の悪い子ほど可愛く思える親心みたいな気持ちが芽生えてきているのかも。この道路がこれから、どんな風に姿を変えていくのか楽しみでもあるが、優等生然としてしゃっきりと整備された道路になってしまっても、あまり可愛くは思えないかもしれないんだよなぁ・・・これがおかしなもので。



コースMAP


コース高低図





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