先日、カッパさんがお店でお客さんと喋っていた。
「フクちゃんは僕が死ぬのを楽しみにしてる」
「なんで?悲しがるでしょう?」
「フクちゃんは独身の友達がいっぱいいるから
全然さみしくない。毎日遊んで暮らすと思うわ」
話す内容はともかく、
確かに私は独身の友達が多い。
それは私が独身時代が長かったからだ。
どんなに仲が良くてもどちらかが結婚してしまうと、
距離が空いてしまう。
独身の時は時間を気にせず遊べたが、既婚者ともなるとそうはいかない。
子どもが生まれると遊びに出ることもできない。
もう共通の話題が消滅してしまって、会話ができない。
やがて既婚者の方から連絡が途絶えてしまう。
こうなると独り身は本当にさみしい。
しかし、広い海原に目をこらせば、遠くで灯台が光っている。
そう。
灯台は卒業以来疎遠になっている友人だ。
友人も既婚者とは疎遠になり、さみしい気持ちだったのだ。
こうやって独身同士、遠くの灯を見つけては旧交を温め合っていき、
いつしか私の周りは独身者だらけになったのだ。
ようするに身軽なものが磁石の様にくっつき合うっちゅうことだわ。
さて、私も独身の時は変な見栄を張っていた。
アラフォーともなると、他人から「独身」だと見られたくなかったのだ。
当時は、「独身=モテない」と言う図式がまかり通っていたので、
それをさらけ出すのは恥ずかしかったのだ。
ブティックやアクセサリーの店などで、顧客シートに記入するとき、
生年月日の他に、未婚・既婚のチェック欄があった。
この情報いるか?
スルーしようかと思ったが、
なんか逆に反抗心が見え隠れするようで、
既婚の方にチェックしたりした。
そうすると「変な見栄を張った」「しょーもない女やな、私は」と
ふがいない自分を責めた。
未婚にチェックすると、
「あーこの女、モテへんやろな。彼氏もおらんな」と
店員に思われている様で勝手に惨めな気持ちになった。
とにかく生年月日を書くのもイヤだし、
既婚かどうかを問われるのもイヤだった。
今はそういう顧客シートも見かけなくなったので、
(っつーか、そういう店に行かなくなったからか?)
私のように傷つく客が多かったのかもしれない。
ようするに独身がコンプレックスだったんだろな。
しかし私の周りの独身者は、
そんなコンプレックスを持っていないように見えた。
でも、それは私の誤解だったようだ。
私が彼女らにお見合いの話を持っていくと、
恐ろしいまでの拒絶反応があった。
私は彼女らの触れてほしくない部分に、
ズカズカと踏み込んでしまったのだ。
独身コンプレックスは結婚しない限り解消しないけど、
要はコンプレックスにしなきゃいいだけ。
独身主義にすればいいだけ。
このご時世独身者はたくさんいる。
独身同士、恋愛や友情を楽しめばいい。
もっともっと自由に独身を謳歌しようではないか!!