若い頃から貧乳だとさげすまれてきた私だけど
本当は隠れ巨乳だと思っている。
もちろん“自称”だけどね。
自称・隠れ巨乳。
便利な言葉。
サイズも見た目も貧乳。
貧乳以外なにものでもない。
だけども隠れ巨乳。言ったもん勝ち。
さて、自分がもしかして胸はそこそこあるんじゃないか?
と前向きに考えたのは30歳くらいのころだ。
ある日、私は百貨店の下着売り場でブラジャーを物色していた。
自分はAカップだってわかっているけど
種類によってはBカップもいける、ってことは知っていた。
そんな私がBカップのブラジャーを掴んで
いそいそとフィッティングルームに入るところへ
鋭い視線を投げる店員がいた。
私がブラジャーを試着していると
いきなり店員が
「ちょっと失礼します!」と
有無を言わさずあの狭いフィッティングルームに入ってきた。
びっくり仰天の私をよそ目に
勝手に紐やホックを調節すると
その店員は私の胸を尺取虫のように指で測った。
「お客様はCカップですね。このブラジャーは合いません」
と言い放ち、すぐさま外に出ると
Cカップのブラジャーを持って戻ってきた。
試着すると案の定カパカパしていたが、
店員さんの手品、いやテクニックで、
脇の肉を寄せたり、
紐を少し短めに調節すると、あら不思議。
あの薄い肉がカップにこんもりと収まった。
この日はスッキプしながら家路に着いたことは言うまでもない。
そっかぁーー私ってCカップだったんだぁーーー。
胸がないと私を指差し笑った友人どもに
自慢したい気分だった。
しかし時代は急速に変化し、
いつのまにやらパッド付きのブラが主流になってきた。
パッドが付いているので
ワンサイズ上のブラジャーをつけることができる。
この私も晴れてDカップのブラジャーを買った。
Dカップだ・・・。
Cカップでも信じられなかったが
Dカップだよ・・・。
この薄く貧相なバストがDカップだってよ。
笑いが止まらなかった。
しかし、それも遠い昔・・・。
今は楽なブラジャーばかり追い求めている。
サイズはS・M・Lのみ。
AカップとかDカップとか関係ない・・・。
今日もユニクロのブラキャミソールだ。
もうね、胸の方がね喜んで迎合しちゃってるんだな。
ようこそ、ようこそって揉み手で迎え入れちゃってるよ。
ワイヤー入りのブラだと、なんか収まりが悪い。
最近ね・・・胸がね、なんか縦に長細くなった気がする。
たぶんね、予感なんだけどね、
私はもう二度とワイヤー入りののブラには
戻れないような気がするよ・・・。
昔はあんなに窮屈なもんを着けてたんだよなぁ・・・。
これが、アラフィフ・・・。