寺田本家24代目のブログ

寺田本家の24代目当主の発酵日記。
心を込めた自然酒造りや発酵の里へをめざす町おこしへの取り組みをご紹介しています。

ゆるすということ

2008-10-01 06:14:27 | 酒造り
先日、ある航空会社の機内誌をパラパラとめくっていると、タイに移住し歌手として活躍している日本人女性の記事が出てました。

彼女はこう言います。
「日本人にとってタイはとても居心地がいい。それはタイの人と日本の人は‘ゆるすことを最大の美徳とする'というところで気質が似ているからだと思う」


この記事に出会ってから‘ゆるす'ってなんだろうなといつも頭のかたすみにありました。

ゆるせているかな?
何がゆるせないかなと考えてみました。
いつまでも戦争を止めないアメリカが許せない。
権力争いばかりしている日本の政治家が許せない。
環境問題に真剣に取り組もうとしない行政システムが許せない。
いまいち段取りがうまくいかない職場環境が許せない。
何度言っても言うことを聞かない子供が許せない。

書き出してみると、他愛もないことばかり。
それなら、一度なんでもかんでもとにかくゆるしちゃえばいいかと思うと、なんだか心がスッーと軽くなりました。

いろいろあるけど、とにかく一度ゆるす。で、そこからまた始めてみる。

野口体操の創始者、野口三千三さんは「からだに貞く」という本の中で、「ゆるす」と「ゆるめる」は語源が同じと言ってました。

日本人はずっと昔からゆるすことの心とからだの動きを感じとって、言霊の中にヒントを貯えていてくれてるんですね。

ともすればカチンコチンに凝り固まってしまう心とからだを、いつもゆるゆるとゆるめていることが、‘ゆるせる人になるコツ'なんだと思います。