「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

フツーの仕事がしたい

2008-10-16 | 映画
ドキュメンタリー映画「フツーの仕事がしたい」。ポレポレ東中野で上映中です。久しぶりにドキュメンタリーを観ました。あらためて「蟹工船」が若い人たちの間ではやっている理由の一端を垣間見た気がします。ほんと、むき出しの資本主義、グローバリズム、新自由主義の結果がこの映画でみられる労働者の姿なのだと思うと、やりきれなさで一杯の気持ちです。

=以下、公式HPからのあらすじ=
皆倉信和さん(36歳)は、根っからの車好き。高校卒業後、運送関係の仕事ばかりを転々とし、現在はセメント輸送運転手として働いている。しかし、月552時間にも及ぶ労働時間ゆえ、家に帰れない日々が続き、心体ともにボロボロな状態。 「会社が赤字だから」と賃金も一方的に下がった。生活に限界を感じた皆倉さんは、藁にもすがる思いで、ユニオン(労働組合)の扉を叩く。ところが彼を待っていたのは、会社ぐるみのユニオン脱退工作だった。生き残るための闘いが、否が応でも始まった。


もはや人間の生活ではないですよね、労働時間と賃金を考えると。ごく普通の気の弱そうな男性がだんだんしっかりと自分の意見を持って闘うようになる姿は感動します。組合や連帯といったものの意義を再認識します。

映画の中に出てくる、組み合いつぶしのためには暴力をも辞さず、皆倉さんの母親がなくなったその葬儀の場にまで暴力を持ち込んでくるやくざ者の存在には、人間の暗部をみる思いで嫌悪感で一杯になりました。無法を平気で座視する「会社」。すべては利益のためにと平然と下請け企業の違法を是認する親会社。そうした無法の嵐の中で労働者が団結して戦う姿は美しいというか、人間の可能性、善意、強さを信じたくなります。

とはいえ、大きな流れの中で、小さな取り組みです。小さな取り組みは次々と後に続くものがいなければ、大きな流れに負けてしまいそう。こうした映画に勇気付けられて、それぞれの場で闘う人が増えて、少しはマシな世の中になることを祈っています。

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