「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡

2008-10-12 | つれづれ
国立新美術館とサントリー美術館で同時に開催という珍しい形の「巨匠ピカソ展」の、新国立のほうに行ってきました。一言で感想を言えば、「やはりわからん」。とはいえ、年代をおって、ピカソの作風がどのように変化していったのか。その背景にある、次々と繰り返す結婚と恋愛による心境の変化と、スペイン内戦の影響といったものが絵に影響していく様子がよく理解できた気がします。

確かに、キュビズム、シュールレアリズムというのはどうもやはり理解しにくいというかわからないです、素直に。ただ、ピカソの感情の変化が伝わってくるような気がしたのです。不思議ですね。怒りは怒りとして、喜びは喜びとして、美をたたえるものはたたえるものとして。特に妻のマリー=テレーズの肖像と、同じ時期の恋人ドラ・マールの肖像とが並べてあるところはなかなかに興味深かった。ピカソは2人の女性を同時に愛したのだと絵が語ります。まったく愛の量とでもいうものは同じなのですが、2人の魅力と思える部分が異なるんだろうなあ、という印象が感じられます。

晩年の家族をテーマにした絵からは優しさが感じ取れます。それにしても、この絵の表現方法はほんと、不思議です。