「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

フェルメール展

2008-10-10 | つれづれ
上野の東京都美術館で開催中の「フェルメール展」に行きました。世界に30数点しか残っていないフェルメールの作品のうち7点が観られる。貴重な機会です。で、同時に、勢いさかんなオランダのフェルメールと同時代の作家の作品も楽しめます。とはいえ、てのはやはりフェルメールの作品に魅了されました。

特に「ワイングラスをもつ女性」と「手紙を書く女性」の2点。フェルメールの特色といわれる窓辺の光景。窓から差し込む光のやわらかさと変化にまずは惹かれます。そして、あたかも物語の一こまのように、絵に描かれた人物たちが生き生きとしていて、動いている一瞬を切り取ったかのようで、いろいろと物語の前後を想像してしまいます。

「ワイン」の女性は、ほんのりと酔った状態。そこに男性が恥ずかしげも無く誘いをかけている。女性の戸惑いと恥ずかしさと、期待感。絵を見る者に救いを求めるかのような表情は生き生きとしています。「手紙」のほうも、一心不乱に手紙を書く女性の脇に腕を組んで立ち、窓から外をふと見やる女性召使は一体何を考えているのか、と想像力が膨らみます。女性の手紙の内容にも興味津々。たぶん、男性への恋文であろうことはなんとなく見てとれる。とても豊かに想像力が刺激されるのです。

展示の仕方もとてもゆったりとしていて、よかった。特にフェルメールの作品はゆっくり、じっくりと楽しむことができました。