「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

漫画「働きマン」

2005-07-24 | 
いまが旬な漫画家の一人、安野モヨコが週刊モーニングに連載中の「働きマン」第2巻が出た。この作品、お薦めです。

簡単にいえば週刊誌編集部が舞台で、28歳の女性編集者が主人公。仕事大好きでバリバリ働く「働きマン」(ウーマンではないところに「男的働き」の意図が込められています。念のため)の彼女の周りには、「仕事だけしかない人生だったなんてごめんです」とそこそこの仕事をしてさっさと帰る新人やら、昔気質の編集長、嫌な仕事だけどだれかがやらなければならないと迷いながらも自分を鼓舞する「張り込み」専門記者、自分の仕事を認めてもらえない現実に嫌気がさして遂には仕事を放り出して逃げてしまう契約記者、仕事の実力はイマイチだけど女性を馬鹿にする中年編集者など多士済々の登場人物が出てきて「働くってどういうこと?なんのために?」と毎回考えさせる展開です。

キャラがたっているうえに、現実に「いるなあこういうタイプ」「こういうところ、自分にもあるなあ」と感じさせる。で、仕事ってつらくて苦しいことがあるけど、でもいろいろな思いや時には喜びがそれを突き破らせていく(時にはやっぱり破綻してしまう)現実をうまーく描いている。働く意義について結論なんかないし、だれが正しいとか間違っているなんてこともない。それぞれの立場、人生観で「その働きかたもあり」と思わせます。

個人的には39歳「生き方上手」と呼ばれるデスクに親近感を覚える、というか憧れますね。
この作品、意外と「さて、俺も頑張るか」と思わせる効果があります。まあお暇なときに読んでみては如何でしょうか。

それにしても今回の単行本の帯に「オフィスから魔法まで。老若男女、家族みんなで楽しめる安野本!」とありましたが、ほんとに安野モヨコ、幅、守備範囲が広い! 魔法少女の話「シュガシュガルーン」はアニメになった一方、花魁世界を描いた「さくらん」や「働きマン」のように生き方を問う作品まで。

ついでですが、「脂肪と言う名の服を着て」という作品は壮絶です。地味で、過食症のために太った女性が、やせることで別の世界が手に入ると信じ込んで突き進むまさに狂気の世界。そこに待っていたものは…

ほんとに安野モヨコ、いま目が離せません。