ネズミがネコになった話・２

トイズの仕事を簡単に引き受けたけれど、
私のところの金型を作ってくれた職人さんは廃業していたので、
セルロイドの金型を作るメーカーがまだあるのか気がかりでした。
父に相談したら、「四ツ木のカミジョーさんに聞いてみたら」
と、アドバイスをもらいました。
電話帳で調べてカミジョーさんに電話しました。
「セルロイドの金型を作ってもらえませんか」
「え！セルロイド・・・」と受話器からびっくりする声が聞こえました。
翌日、カミジョーさんの会社を訪ねることにして電話を切りました。

翌日、会社を訪ねるとそれまで取引がなかったので初対面の挨拶を交わしました。
カミジョーさんは玩具組合の古い名簿を用意していて、
私のところがセルロイド玩具を作っていること確認したようです。
少し前に葛飾区堀切のセルロイド職人が亡くなったので、
セルロイドの時代は終わったと思っていたカミジョーさんは、
私のところでまだセルロイドの加工をしていると聞いて驚いていました。

セルロイドの金型を作ってもらえるかと尋ねたところ、
セルロイドの金型作りにたずさわった会長さんや職人が健在なので、
仕事を引き受けますと返答をもらいました。