大震災のあった年の夏に、大手広告代理店H堂から大きな商談がありました。
震災に遭った人たちを慰めるために人形を贈ろうという企画でした。
その人形の候補にミーコが選ばれて、30,000体のミーコを作り、
洋服は大手アパレルメーカーのMハウスに製作依頼して、
震災にあった人たちにプレゼントするという話でした。
1億円近いビックな仕事にビックリしました。
でも、よくよく考えてみると、
ミーコを30,000体作るには昼夜働いても何ヶ月かかることやら・・・・・。
私ひとりではどうやっても無理な仕事だと言ったら、
10,000体ではどうですかと言います。
10,000体でも納期がある仕事は出来ないと言ったら、
H堂の人は資金と人材を提供してミーコ作りに協力するから、
一緒に仕事をしましょうと口説きます。
しかし、美味しい話ではあったけれど、
無理な仕事は引き受けてもうまく行かないことはわかり切っているので、
震災慰霊人形ミーコの企画に乗るのは断りました。