第290話 大発見

2010年05月21日 06時56分22秒 | 子育て・「おママごと」

園から家庭での検尿依頼があった。
決行日一週間前に配布された検尿のお知らせに緊張が走る。
主人にその旨伝えると、案の定「そんなの、絶対、無理じゃないか」と
私と全く同じ感想が返ってきた。

まず、朝起きたて、トイレに行く習慣がない。いまだかつて行ったことがない。
行かなくても、朝一番におむつを交換するのかといわれると、毎朝、交換拒否。
おむつを脱ぐという作業一つも一苦労である。
寝起き、おむつにちっちが出たとして、パンパースの優れた吸収力に飲み込まれ、
復元不可能だ。
園の連絡帳に、検尿は提出できないかもしれませんと予告。
私の打診に先生からできなくても大丈夫ですよとお許しが返ってきて、
最悪の事態になった場合の安全をまずは確保。

決行日前夜、息子と向きあい、
「いいかいお前。これからはママがいなくても・・・」とドラマの台詞並みに、
「明日の朝、起きた時、おしっこの検査をしないといけないから協力してほしい」
ことをシリアスに語る。
親の真剣さが伝わったのか、「うん」と快諾を得て、就寝。
ついに迎えた実施日当日。おむつを脱がそうとすると、やはり嫌がる。嫌がる。
母、手をあわせ、首を傾げて「お願い」のポーズ。
主人にいまだかつてこんなにも可愛くお願いをしたことがあるだろうか・・・
今、ちょっとウィンクまでしてしまった気がする・・・
年外にもないこの母の捨て身の攻撃に、息子もただならぬものを感じて検尿体制に。
「ここ(にするの)?」初めて見る検尿カップを前にして、出ない。
とっさに私の口から出た言葉は「し」

「し~、し~」・・・すると、出たぁ!  不可能かと思われた2歳児の検尿に大成功。

し~って、たった一言で、出てくるなんて、「し」ってすごい。
誰? こんな時、「し」を発見した人は?
「あ」から「ん」の中で、この「し」を発見した人、誰~。
魔法の言葉だよとさえ本気で思う。
この話を書こうとした原動力は、このたった一文字の「し」の感動による。
そして、この話、この後半5行でいいのではないかと思う・・・


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