第431話 早春

2012年03月30日 04時47分44秒 | 子育て・「おママごと」
園で近くの公園に遊びに行った日、春を見つけてきたらしい。
「たんぽぽ、咲いててん」
「へぇ、もう、たんぽぽ、咲いてるんだ」
(手でつぼみの形をしながら)「まだ、こんな感じの。K君、採って鞄の中にあるねん」と微笑む。
「えっ、採ってきたん?!」
「ママが喜ぶかなと思って・・・プレゼント」
こう言われると、弱い。「まぁ、嬉しい」と咄嗟に喜んでしまう。
見ると、外側の先だけ黄色いたんぽぽ。
摘んだため、その先ももう茶色くなりはじめている。
「摘んでしまうと枯れてしまうからかわいそうだよね」頷く息子。今後はもう摘まないだろう。
たんぽぽを手で取り、中を覗き込むと中はまだやわらかく、白色だった。
まだ黄色く色づく前の・・・早春だね。
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第430話 相乗効果

2012年03月27日 05時36分44秒 | Weblog

何かを育てるというのは、大変なことである。
私にとっての何かとは、子供(未来)と
仕事(経営者ではないので、仕事に対する思い)と、このブログ(夢)。
3つも欲張っているので、
子供と共にいる時間を仕事が、残業をお迎えが、書くことに専念したいのに息子がと
それぞれ侵し合う。
1日は平等に24時間、ここに書く時間を捻出するためには睡眠を削らなければならず、
深夜、パソコンを立ち上げる。

私が数時間かけ、苦労して書きあげても読み手には一瞬。美容のためには寝た方がいい。
そんな心の声をききながら、最初に昨日のアクセス数をチェック。
私ではない誰かの訪問が励みとなり、やはり何か書こうと思う。
新規投稿(新しい記事をup)しなくても、コメントのチェックは毎日欠かさず行う。
花に水をあげ枯らさぬように、毎日、目をかけ手をかけて。
ブログで思うのもなんだが、これが育てるということなのだと思う。
ここに綴るために、何を書こうか考え、どう表現しようか言葉を探す作業の繰り返し。
この繰り返しの中で、以前より企画力と報告力がついたように思う。(錯覚かもしれないが)
この趣味のブログが仕事面で活きている。(社会的評価でなく、あくまで自己評価だが)
この時間を割くため、身を削る。
一見失っているように見えるけれど、何かを諦めた分だけ身についていたのだ。

思えば、不思議なものである。
このブログは、劇団のPRで始めたものだ。
最初は劇団のホームページの中の1コーナーであった。
劇団のホームページはなくなったが、ここに書くことが残った。
今見て見ると、2005年の建国記念日に書き始めているので・・・
7年!(それにしては芽が出ないわ上達しないわ、だけれど)
結局、育てる原動力は「好きで、楽し」かったからだと思う。
「成り行きで始めたことが、一番盛り上がって、続く」(『高校時代にしておく50のこと』・中谷彰宏・PHP研究所)とはよく言ったものだ。
この歳になって、今更『高校時代にしておくこと』など読んでどうするのだと思ったが、
仕事で役に立てばと思って読んだもの。
これもまた趣味ブログに跳ね返ってきているので、3つ欲張っている相乗効果なのだと思う。
ほんと、人生に無駄なものは一つもない。

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第429話 子は鎹(かすがい)

2012年03月22日 20時38分45秒 | 子育て・「おママごと」

体力的にきつい男の子育児。
何に救われるかというと、前話で話したよう不意に訪れる「愛されている私を実感できる瞬間」。
だが、そんなとろけるようなリップサービスは早々訪れるものではない。
すぐにキレるわ、DV受けるわ、私はホスト(息子)に振り回される都合のいい女・・・。

精神的にきつい時もある育児。
何が楽しいかというと、予測不可能なハプニングの数々。
毎朝、保育園に行くのが嫌だ嫌だと支度が遅い。
行ったら行ったで、今度は帰り支度が遅い。
「急いで帰って今日一日頑張ったご褒美を食べよう」 そう誘うと、
「K君、タカトラチーターで走るわ(全力疾走で帰るという意味)」と変身している。
走り始めて数歩、息子がこけた。もう? 
しかも、上靴が片方脱げて飛んでいくほど勢いよく。
こけた時、体「く」の字のフォルムを思い出すと笑いが止まらない。
ビービー泣いている息子を抱きながら・・・やっぱり子供は面白いなと。
大人の半分しかない小さな体で繰り出されるアクシデント&アクション。
泣きながら鼻水を、寝ながらよだれを、流れるがままに垂れ流すその無邪気さ。
朝、息子の口の周りに白く乾くよだれのあとを見ながら、
子供には笑いの神様がついていると思う。

夫婦喧嘩する。
普段は俺のこと見て、俺のこと構ってのキングKなのにこんな時、す~っと存在を消す。
少ししてから「パパとママ喧嘩してる時な、K君、悲しいねん」とポツリと私に。
(その時言わないのが、余計ズシンとくる)
息子には笑いの神様がついており、我々夫婦には最後の砦、守護神Kがついている。
(かどうかは今後の我々の努力によるものだと思うが)
子は鎹とはよくいったものだと思う。

※今回の夫婦喧嘩で「空腹時の話し合いはよくない」と学ぶ。
家族で焼き肉を食べに行くぞという往き道、私はお腹が空いていた。
帰り道であれば、違う結果になったであろうと思うだけに、
人間の基本的な欲を軽視してはいけないと思う。
これから何か話し合われる方は、ぜひ満ち足りた時にした方がいい。

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第428話 ・・・きゅん。

2012年03月19日 21時48分38秒 | 子育て・「おママごと」
連絡ノートに今朝、上着をハンガーにかけながら泣いていましたとある。
どうしたのかたずねると、
「K君(自分のこと)な、ママのこと好きやから、ママと別れたら、
目から涙があふれてくるねん」
・・・きゅん。
その数分後、もうママなんか大っ嫌い! なんて、しょっちゅう。

保育園でさみしくなった時は、目を閉じてママを思い出すよう伝えてある。
迎えに行くと、なぜか涙目。
どうしたのかたずねると、
「今日な、K君な、ママに早く迎えに来てほしくてな、
胸の中のママに「早く来て」ってゆったのにな、ママ、早く迎えに来てくれへんかってん」
・・・きゅん。
その数分後、もうママと一緒に遊んだれへん! って、上から目線。

玄関の靴は息子を挟むようにパパ、K、ママの順。
息子がその靴を懸命にK、ママ、パパの順に並び替えている。
どうしたのかたずねると、
「ママは女の子やから、K君とパパが守ってあげるねん」
・・・きゅん。
その数分後、もうママと一緒に寝たれへん! って、ママにはダメージがない捨て台詞。困るのはあなたでは?

そのまた数分後、「ママ、おトイレついてきて」 って、何事もなかったように、はいつものこと。
たまの・・・きゅん。でもなけりゃヤってられない母親業。
「あぁ、早くママと結婚したいなぁ」 こんなリップサービスに支えられ、育児疲労を乗り越える。
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第427話 音読

2012年03月10日 04時21分50秒 | 子育て・「おママごと」

卒園式を目前に控え、年長児さんを見ると抱きしめたくなる。
今年の卒園児さんには思い入れが深い。

息子が通う保育園は0歳児から2歳児までが同じフロアで、3歳児から5歳児までが別階の仕組み。
通常保育時間(9時~17時)の前後、9時までの早朝と17時以降はクラスごとではなく、
1つの部屋に集められての(縦割り)保育となる。
つまり、息子(0歳児)が保育園に入所した折、
朝に夕に2歳児クラスのお兄ちゃん・お姉ちゃんが一緒にいたというわけだ。

2つ上のクラスには、息子と仲のよいM君のお兄ちゃんがいる。
I君は弟の隣りにいる息子のことも気にかけてくれ、頼もしい存在であるが、
残念ながらI君・M君兄弟はお迎えが早い。
私と競い合うように(お迎えが)遅いのが、S君のママ。
保育園に到着し、部屋にS君の姿があった時はほっとする。
一人ではなかった・・・息子と共にいつもS君がいてくれたことに心より感謝。
そのS君が卒園する。

生活発表会、年長児さんにも熱い視線を送る。
制服を着て、指揮者をまっすぐ見て歌う年長児さんたち。
初めて出会った時はこんなに手も足も長くなかったのに・・・もう小学生になるんだね。
泣きそうになる。
歌う曲は「誕生日」
♪ ありがとう 理由は何もないんだよ あなたという人がいることでいいんだよ ♪
熊木杏里さんの歌詞もいいのだが、こどもたちが歌うのがまた心に沁みる。
彼らは、この曲を何度も何度も練習しただろう。
声に出した言葉が心に刻まれて・・・改めて、歌っていいなと思う。

年長児さんの歌の感動に流されたが、最後、息子の合唱について。
歌う曲は「おひさまになりたい」と「勇気100%」の2曲。
長い歌詞の途中、クラス全員歌詞が心もとなくなり、また、盛り返して大きな声になるところ。
そのデクレッシェンドとクレッシェンドが実に微笑ましかったなと。

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第426話 平等な世界

2012年03月07日 19時52分25秒 | 子育て・「おママごと」

前話の訳ありネット(第425話)・合奏の次は劇。
0歳児、1歳児クラスは、リズム遊び。
2歳児クラスは劇遊び。
3歳児クラスは、劇。 遊びが取れている。 今年は本格的だ。

息子は、ヘンゼルだと言う。
これは、主役ではないか!!
え、S君とS君とヘンゼル?
ということは、3人でヘンゼル・・・じゅあ、M君は?
M君は、ヘンゼル①、K君(自分のこと)は、ヘンゼル②
え、じゃあ、ヘンゼルは総勢6名・・・ということは、グレーテルも6名か。あとは?
掲示を確認すると、お菓子の精・10名、魔法使い・6名、魔女・7名。
グループ体制か。これなら、当日、急遽欠席者が出ても対応できる(笑)

緞帳があがった。
まずは、みんな、いる。踊る。散らばる。息子はヘンゼル②なので、出待ち? あっという間に舞台袖。
お菓子の精がフラフープをまわし、会場から拍手がわきあがる。
もしやフラフープができないからヘンゼルになった?・・・深読みはよそう。
待ってました。ヘンゼル②・息子登場。
「どうしよう。僕たちは家に帰るんだ」(トリオで)
以上で全台詞終了した模様。 最後、みんな、いる。踊るフィナーレ。
どの役もそれぞれに見せ場がある。主役などいないのだ。みんな、主役!
上のクラスは西遊記。もちろん孫悟空が主役ではない。均等な登場配分。みんなが主役。

みんな、同じくらいの練習量と同じくらいの達成感。 いいのか?
でも、ストーリー性に欠ける。 悪いのか?
その役をとりにいく欲もなく。 いいのか?
いずれ社会に出れば・・・せめて子供の頃は・・・。 悪いのか?
どちらがいいのか悪いのかはわからないが、
すべての親の満足を目指し、園も大変だということはわかる生活発表会。

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第425話 訳ありネット

2012年03月03日 05時53分48秒 | 子育て・「おママごと」

ついに迎えた生活発表会。
今年は年少児クラス。合奏に、劇に、合唱と演目は過去最多の3つ。まずは合奏から。
緞帳があがる。
あれ? 息子がカスタネットを持っている。練習中はスズだと言っていたのに・・・
しかも、カスタネットの持ち手が他の子と違う。
右手にカスタネットを持っているのは、スズだった名残り・・・?

帰り道に問う。
「ママ、Kはスズだと思っていたよ。カスタネットだったんだね」
「スズやったけど、スズが足らなくて、K君、今日、カスタネットになってん」
え? 今日って、急遽?!
この歳で当日楽器が変わる? しかも、当日楽器(の数)が足らないなんて!
そんな訳ない。
ずっと前に起きたことも「昨日」だという。過去は全部、昨日(呼ばわり)の息子。
きっと数日前にスズからカスタネットに変わったのだろう。
それにしても途中で楽器変更って・・・どうしてなのだろう。

生活発表会終了後は一斉に流れ解散となるため、先生とゆっくり話す機会がなかった。
月曜日、先生に「スズだと思っていたんですけど、カスタネットだったんですね」と言うと、
「お母さん、申し訳ございませんでした」って、何が?
「当日、舞台に楽器を配置しておくんですけど、楽器の配置が上のクラスの配置になってしまっていたようで・・・
舞台では立ち位置が決まっているので、あの場所でスズ(本来)だったK君がカスタネットになってしまった、という訳なんです。」
「えー!!」 のけぞった。
ほんとに当日急遽?!
「我々も緞帳があがってびっくりしたんですけど、K君、他のパート(カスタネット)も覚えてやって・・・」
この歳で他のパートも覚え、当日、臨機応変に対応していただなんて!すごいやん、K!! 

この驚きを、この喜びを、どうしてあの帰り道にしてあげられなかったのか。
あの時、そんな訳ないと思ったことが悔やまれる。
土曜日の生活発表会から遅れること2日、ようやく息子を抱きしめながら反省。
ママ、100%信じてあげられなくて・・・ごめんね。

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第424話 愛らしい

2012年03月02日 04時04分14秒 | 子育て・「おママごと」

「ピーターパン、食べた」と息子が言う。
・・・もしかして、ハッピーターン?
「ハッピーターン、食べたのね」
頷きながら「ピーターパン」と言っている。
わからないでもないが、全然違う気がするんですけど?

耳から聞こえる音を自分の中にあるボキャブラリーにて解釈する子供。
例えば、カモン、カモン、カモン、エブリバディ♪ は、
カモン、カモン、カモン、エビ、カニ♪ となる。
現在、我が家でヘビーローテーション中の大黒摩季さんのAnything Goes!では、
全体的に間違っているのだが、サビの部分、Anything Goes! その心が♪ は、
ジョンソンの心がぁ 熱くなるもの♪ に。
歌のメッセージ性には欠けるが、大きな声で歌うその勇気を大切にしたい。

息子が人間関係に悩んでいる様子。
「今日な、S君が遊んでるのん手伝ったら、やめてって言われてん・・・
K君(自分のこと)、手伝ってるだけやのに・・・それでな、しょんぼり になってん。
パパとママの しょんぼり より、もっと もっと しょんぼり やで・・・」
かなり傷ついたということであろうが、涙を浮かべながら語るしょんぼり表現が面白い。

ピーターパン、ジョンソン、しょんぼり。
なんてことないことなのだけれど、忘れたくない息子の言葉をここに記録しておく。

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