第157話 地育

2007年12月08日 23時40分58秒 | 子育て・「おママごと」
授乳、おむつ替え、ところ構わずの大泣き、抵抗力のなさ、などなど。
赤子連れの外出は時間も距離も制限がある。

嫁ぎ、この町は「私の帰るところ」だった。
共働き、私は毎朝、家から駅に向かい、毎夕、駅から家へ。
起点であり、終着点でしかなった。

子供を産んで、この町は「私の暮らすところ」となった。
子供に何かあれば、すぐ家に帰ることのできる近所を歩く。
日々の買い物、自身のかかりつけの医者。
肉といえばあそこ、魚といえばあそこと
どこが安いの、どこが美味しいの、どこがいいのと
今まで慣れ親しんだ地元(結婚前の)で、また職場付近で済ませていた
ことすべて、この付近で見つけなければならない。
キタやミナミなんて今一体どうなっているのやら・・・
遠い話である。
安いスーパーはどこ?
どこかいい内科は?
駅の反対側はこうなっていたの?
公園はどこ??
まったく知らなかったこの町を探索。

子供を産んで、私はこの町を知っていく。
保健センターでこの町の行政を知り、児童館でこの町の人を知る。
この町の方々と向き合って話し、この町を好きになったようなそんな気がする。

子供を産んで、「あぁ、私はこの土地に根ざして生きていくんだ」・・・とようやく。
コメント (5)
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