執刀医は今、自分の判断を下した。
彼はこの場の責任者で、
ピラミッドの頂点にいる。
もうこのあとに出てくる
どんな証拠も意見も、
患者のために最善を尽くす「ヒント」
ではなく、彼自身の能力や権限に対する
「脅威」にしかならない。
執刀医の執着は、外科医としての威信。
社会的「上下関係」が
部下の主張を妨げ、チームワーク崩壊。
致命的なミスに・・・
マシュー・サイド著「失敗の科学」
冒頭で紹介される医療事故と航空機事故。
ベテラン看護師や副操縦士、航空機関士
たちに 患者や乗客を思う気持ちが
足りなかったわけではなく、
権限を持っている上司(医師や機長)に遠慮し、
上下関係に配慮したから の事故(実)例。
サラリーマンとして
(人の生死に直結しない業務内容だけれど)
運命の瞬間に向かう当時の現場状況を思うと、
身につまされる臨場感。
パニック状態で失われる時間感覚。
人は完璧ではないから・・・問題は
当事者の熱意やモチベーションではなく、
改善すべきは、人間の心理を考慮した
システム(構築)。
「人の失敗から学びましょう。
自分で全部経験するには、人生は短すぎます」
米第32代大統領夫人 エレノア・ルーズベルト
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