ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

アメリカに押し寄せ、強行突破を図る人々の群れ

2018年10月27日 | 示されたこと
みなさん、ホンジュラスと言う国をご存知だろうか。昔からたくさんのバナナを生産した国で、「バナナ共和国」とも呼ばれていた国である。(国土の多くは千メートルの高地で、常夏の国)
しかし世界的には最貧国に属し、政争が絶えないだけでなく、ギャングが横行し、2012年の人口10万人あたりの殺人発生率は85.5と世界最悪の数値を記録している。なお、人々はメスティーソと呼ばれる白人とラテンアメリカの先住民(インディオ)の混血で、ほとんどがカトリックである。

そして南米の国では以前から年に一度、キャラバンと呼ばれる、まとまって国を脱出するグループを作って、陸路アメリカへ目指す動きがあった。問題となったのは今年のキャラバンがSNSなどの働きで、数千人(3千人~8千人)の規模にふくれ上がっていることである。まるでイナゴの大群のようにグアテマラとメキシコ国境を突破し、一路アメリカへ、アメリカへと目指している。彼らは豊かで母国に比べれば安全なアメリカでの生活を夢見ており、ほとんどはパスポートや入国許可証など合法的な資格を持っていない(人々の八割方が文盲である)ため、国境の検問やバリケードなどの封鎖を破壊し突破して来る移住集団である。(グアテマラからメキシコ国境の橋に詰めかけるキャラバンの人々)

トランプ大統領は連日、このホンジュラスの人々がアメリカを目指していることに神経を使い、軍を動員してでも絶対に入れさせないと警告しているが、この人たちはまったく迷いなくアメリカを目指して歩き続けており、何日か後には必ずアメリカ国境に面するはずである。(歩いている人々も多いが、このように近隣の住民が車に乗せたりして手助けするのも見られる)

さてこれはアメリカの話なのだが、当然多くのアメリカ人、特にアメリカ人のクリスチャンは我が身に降りかかってきた問題で、これをどう受け取るのだろうか、大いに興味がある。またもし、これが日本だったらと、つい考え込んでしまう点がる。
まず、はっきりしておかなければならないことがいくつかある。もしこのような強硬手段に訴える非合法な移民を受け入れてしまえば、ますますアメリカを目指す人々が今後も増えるだろうと言うこと。その数はもはや想像できない。
またいったん入国されてしまえば、人道的な対処をせざるを得ず、強制送還するか、または難民キャンプのようなものを作って、彼らに教育と医療を提供し、順々に職業訓練および定住化を促進するしかない。そうなれば、基本的に国の福祉予算を割り振ることになり、その分の現国民の福祉の費用が削減される。また国の貧しい層にとって、彼らとの職業の奪い合いになる可能性もある。

しかし聖書では隣人愛を説き、「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。」(マルコ12:31)とある。豊かさと安全を求めて、突然不法に押しかけて来る大勢のホンジュラスの人々を「隣人」だとは感じない人がいるかも知れないが、それにしても、当座だけでも「庇護されるべき人々」であることは確かだ。メキシコとの国境で壁を作り、銃で脅して彼らの前進をストップさせたところで、彼らも簡単にはあきらめないだろうし、無慈悲な国との非難が高まるであろう。ホンジェラスの人々はそこまで計算している。

もっとも良いのは、ホンジェラスをもうちょっと健全な国にし、バナナだけでなく、他の産業も育てて、彼らが戻れる良い国にすることだろう。しかし何があっても国境まで来た彼らを当座は助け、受け入れることである。その後のことは、互いに相談し合うことしかできない。トランプさんの国境からは入れさせない、「追い返す」、は妥当ではない。(アメリカを目指す人々)

彼らを受け入れる、そのために貧しさを知っている者が立ち上がらなければ、とも思う。実は今でも生活はかなり困難なので、これはきれい事を言っているのではない。けれども苦難を知る者だからこそ、その痛みを分け合うことができるのではないだろうか。共に生きて、分け合って彼らの力になりたいと願う。

"『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』という第二の戒めも、それと同じように重要です。"(マタイの福音書 22章39節)


ケパ





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