ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

餅に見る東西の文化

2015年12月31日 | 随想
昨日、餅をつきながらだが、世界の国をまたにかけてのビジネスマンたちの話を伺う機会があった。面白いと思ったことが幾つかあったが、日本と関わりの深いオランダとドイツ、隣接国、プロテスタント国、その上言語もどちらかと言えば似ている。さて、その関係は? 「両国とも文化は全然違い、互いに揶揄しあって、ほとんど交わるところがない」と。意外! フーン、そんなもんかなあと思いながら、とまぁ半分納得していた。(写真はまさに東日本文化、切り餅作り)

さて、その後私は餅を調理している家の中に入って、一つお願いをしてしまった。「あのぉ、あんこ餅を作ってはいただけないでしょうか?」
すると「それって?」から、昔母が作ったかなぁ。私は馴染みないわ。それに餡が緩いからねぇ、無理じゃない?、などとのたまい、スゴスゴと引き下がらざるをえなかった。ここは東の国。餅については異文化圏であった。みたらし風のゆるめのあんでは、確かに無理である。

なぜ私がそう思ったかというと、外テーブルに出されている作りたての餅の横に、あんこ、きな粉、ダイコンおろしのからみ餅やら、納豆のからみ餅などのお皿が並んでいた。もちろん美味しくいただくのだが、西日本育ちにとっては、基本こういう付け合わせ的な食べ方は、馴染めないだろう。

丸餅にしただけの餅のことを、私の地方(広島の田舎)では「平(ヒラ)餅」と言い、あんこやきな粉におはぎ風にまぶしたり、付け合わせとしては砂糖醤油(少しみたらしに似ている、さとうじょうゆと呼ぶ)でも食べないことはないが、基本は雑煮、ぜんざい(ほぼおしるこだが、小豆が粒状)などに入れて食べるのだ。

では平餅以外は・・・あんこ餅を作る。つぶあんの小豆団子をあらかじめ用意しておき、つきたての餅を餃子の皮よろしく包んで丸めて出来上がり。あんこ餅にすると乾燥に対しても強く、数日は生でも、そのまま美味しく食べられるほどだ。ただし長期の保存となると、割れたりするので平餅にするに限る。(写真は、私の大好きあんパンと、切り餅にあんこ)

あんこ餅はあんパンの存在価値と同じである。トーストにあんを載せて、これが「あんパンです」と言えるだろうか? 同じように、餅にあずきあんをかけられても、私が郷愁を感じるあんこ餅とは別物なのである。


そして気がついた。同じ日本でもこうなのだから、オランダとドイツの相違も、むべなるかな! ほとんど納得である。 ケパ




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