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matta

街の散歩…ひとりあるき

26宿東林寺 霊徹(746〜816)……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月26日 | 詩・小説
Leica M8.2/ summicron 35mm ƒ/2.0 first 東大寺・多聞天

26宿東林寺 霊徹(746〜816)
天寒猛虎嘯巖穴  天寒くして 猛虎 巖穴に嘯(うそ)ぶき
林下無人空有月  林下 人無くして空に月有り
千年像教今不聞  千年の像教 今聞かず
焚香独為鬼神説  香を焚いて独り鬼神の為に説く

像教:仏教の異称
霊徹■童子の頃から仏門には入り、その詩は警句的なものが多いという

天寒く 猛虎は岩の洞で吠え
林のなかは人気もなく 空に一片の月のみ
千年の像教 今きかず
香をたいて鬼神のために説くのみ
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25楚辞体 寒山(7〜8世紀頃)……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月25日 | 詩・小説
                   絵は『北斎漫画十五編』寒山拾得ほか
25楚辞体 寒山(7〜8世紀頃)
有人兮山陘   人 山陘に有り
雲巻兮霞纓   雲は巻いて霞纓(えい)たり
秉芳兮欲寄   芳を秉(と)って寄せんと欲するも
路漫兮難往   路漫にして往き難し
心惆悵兮猶疑  心惆悵(ちゅうちょう)として猶(なお)疑う
寔独立兮忠貞  寔(まこと)に独立して忠貞なり

山陘:山路、纓(えい)たり:まとう、芳:香りの良い花、漫にして:遠い、惆悵:悲しむさま
忠貞:忠義と貞節
寒山■寒山拾得の寒山:○寒山拾得:唐代、寒山…天台山に棲まった詩人、拾得…天台山国清寺の修行僧
寒山はときどき国清寺にやってきては拾得から残飯などもらい二人の言動、奇行が禅に通ずる…と。

人が山路に坐り
雲が巻き起こり 霞がまとっている
芳草をとって送りたいが
そこまで遠くて往きがたい
心は悲しみでいろいろ疑問が起こるが
ただ独り 主君への忠節心は変わらない
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24井絡 李商隠(812〜858)……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月24日 | 詩・小説
                    絵は『北斎漫画六編』劉玄徳(劉備)
24井絡 李商隠(812〜858)
井絡天彭一掌中  井絡(せいらく) 天彭(てんほう)一掌(いっしょう)の中
漫誇天設剣為峯  漫(まん)に誇る 天 剣を設(もうけ)て峯を為すと
陳図東繫燕江口  陳図 東に繫(つなが)る 燕江の口
邊杵西懸雪嶺松  邊杵(へんしょ)西に懸(か)かる雪嶺(せつれい)の松
堪歎故君成杜宇  歎(たん)ずるに堪(た)えたり故君の杜宇(ほととぎす)と成りして
可能先主是真竜  能(よ)くす可(べけ)んや 先主をして是(これ)真竜たらしむるを
将来為報姦雄輩  将来 為(ため)に報ず 姦雄(かんゆう)の輩(やから)
莫向金牛訪旧蹤  金牛に向って旧蹤(きゅうしょう)を訪う莫(なか)れと

井絡:井絡山、天彭: 天彭地方、漫:バン、陣図:孔明の八陣の図、邊杵:辺境の守備、
先主:蜀漢初代の皇帝、劉備、姦雄:魏の曹操、金牛:星の名、旧蹤:昔の事柄
劉備:劉玄徳。劉が姓、玄徳は名前でなく字(あざな)で、名前が備。「劉」は漢の皇帝の家系で、
劉備は、国の復興をめざす。黄巾の乱の際、関羽、張飛らとともに活躍…後に蜀漢の初代皇帝となる。
李商隠■苦労の多い生涯を華麗な詩に託す

井絡は天彭地方の小さな山にすぎないが
その峰は剣のごとき鋭さを誇っている
孔明の八陣の図は東に偏って燕江の口にあり
西方の雪嶺の辺境の守りは松の彼方だ
昔ある君主が死んで時鳥になったという、嘆かわしいことだ
孔明はその君主劉備を天下の君主とすることが出来るだろうか
後に姦雄といわれた曹操を打ち破ることが出来るだろうか
星に向かって昔のあとを訪れようとしてはいけない
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23早行 杜牧(803〜853)……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月23日 | 詩・小説
Leica M8.2/ summicron 35mm ƒ/2.0 first 奥日光

23早行 杜牧(803〜853)
垂鞭信馬行  鞭を垂れ 馬に信(まか)せて行く
数里未鶏鳴  数里 未だ鶏鳴ならず
林下帯残夢  林下に 残夢を帯び
葉飛時忽驚  葉飛びて 時に 忽(たちま)ち驚く
霜凝孤鶴迥  霜 凝(こご)りて孤鶴迥(はる)かに
月暁遠山横  月暁(あかつき)にして 遠山横たわる
僮僕休辞険  僮僕(どうぼく)よ険(けん)を辞(じ)するを休(や)めよ
時平路復平  時平らかなれば 路も復(ま)た平らかなり

月暁(あかつき)にして:月は西に傾き、僮僕:童僕、険(けん)を辞(じ)する:危険だといことはない
杜牧■政論を好み、剛直。詩は晩唐前期の第一人者。

馬に鞭をあてることもなく、馬の進むにまかせる
数里進むもまだ、暁を告げる鶏も鳴かず
林下の家々はまだ夢を見ているのだろう
風に葉が飛んで、その音にときに驚く
霜は凝り固まり、一羽の雁が舞っている
月は西に傾き暁も近く、遠山が横たわる
童僕よ、危険などということはない
平和な時などそうあるものではない
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22人日立春 盧仝(ろどう795?〜835)……詩仙堂・詩仙の間

2024年06月22日 | 詩・小説
Leica MP/Apo-Telyt-R 180mm f3.4 白梅

22人日立春 盧仝(ろどう795?〜835)
春度春歸無限春  春は度り、春の歸りて無限の春
今朝方始覺成人  今朝方に始めて、人と成るを覺ゆ
從今克己應猶及  今從(よ)り克己せば、應(まさ)に猶ほ及ぶべし
顏與梅花俱自新  顏と梅花とは俱(とも)に自ら新たなり。

人と成る:成人になる
盧仝■陃屋に住み、奇怪な風態の下男下女各一人おき、隣家の僧より
食物をもらっていたという。詩が巧で、詩句も独特、李賀以上と言われた。

春は去り、春はもどる無限の春
その立春の今朝、自分も成人した感を覚える
今から大いに克己心をもってすすみたい
自分の顔も梅の花とともに新たな感がする
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