命のカウントダウン(健康余命3605日)

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空気塞栓 殺人事件

2021-12-10 23:23:58 | 事件
色々なことをやらかす人がいるものですねぇ。
静脈内に空気を注射して人を死に至らしめる
そんな効率の悪い殺人事件を起こす人が(それも、多分複数回)現実にいるとは・・・

相当昔になりますが、空気注射で殺人未遂事件が起こったことがあります。
この事件の裁判で、弁護側は「人体に空気を注射し、空気栓塞によって人を殺すことは絶対に不可能である。」だから、今回の件は殺人未遂ではなくて、不能犯で無実だと主張したそうです。(不能犯:罪を犯すために行為したものの、その行為に結果発生の危険性がなく、およそ目的の犯罪結果を引き起こせない場合は不能犯といい、罰せられません。 )
この時の空気注射量は30~40ml 致死量の下限は70~300ml位だそうです。

点滴ルートのわずかに空気の泡が残っている事があります、そしてそれが血管に入っていく事も。また、点滴の途中で横から他の注射をした時などに空気の泡が血管に入ってしまう事も時々あります。紛れ込んだ小さな泡程度の空気が問題を引き起こすことはほぼありません。安心してください。小さな泡程度の空気は、肺に運ばれてそこで空気中に放出されます。

今回の赤間恵美容疑者は、どれくらいの両の空気注射を行ったのでしょうか
注射器は大きくても50mlですから、少なくとも複数回の空気注射をしないと人は死に至らないことになります。今回、被害者となられた方は静脈点滴ルートが入っていた様です。その静脈ルートの途中から、複数回の空気注射をしたものと推定されます。
事件が起こった老人保健施設では、そのほかにも複数の不審死があったとの事です。老人保健施設で、そんなに多く点滴ルートの入っている人がおられたのでしょうか? 点滴ルートの入っていない人に対して、複数回空気注射を繰り返すのは困難だと思われます。静脈ではなく、動脈に空気注射をすれば、より少量で死に至らしめる事は可能ですが、それは、相当困難だと思われ、赤間容疑者がそんな高等な手技を有していたとはとても思えません。

所で、ある程度の量の空気注射をすると、どうして命が危うくなるのか。それは、ある程度の空気が血管に入ると、血管が詰まってしまうからです。空気に触れると、血液は固まる性質があります。出血してもしばらくするとかさぶたが出来て血は止まります。それが血管の中で起こると、血管が詰まるというわけです。
少ない空気でも下の写真の様に脳の血管に空気が入って詰まってしまいます(空気塞栓)
沢山の空気が流入すると、こんなになってしまって、これでは助かりそうもないですね。
それにしても、色々なことをやらかしてくれる人っているものですねぇ。
想像を絶する殺人方法に、検察も公判維持できるかどうか、証拠固めに1年半も要したのでしょう。もっと普通の方法での殺人事件なら、「目撃者」もおられることですし、事件後の容疑者の怪しさ満載の行動(その日の勤務が終わらないうちに退職)からも「公判維持さえ出来ると思えば即逮捕」だと思うのですが・・・今までできなかった。その1年半の間に結婚された相手の男性、本当にご愁傷さまです。赤間容疑者、罪深い人ですよねぇ。

亡くなられた吉田節次さん(当時76歳)の事件は立件できたとしても、それまでの不審死に対し、自白があれば何とか立件できるのでしょうか。そのあたりも今後興味惹かれるところです。





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