茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

てのひら

2010年05月04日 | Weblog
両手にいっぱいのこのお茶、
さて、何グラムあるでしょう。

今日は足柄の品評会用のお茶を摘みました。
香水はもってのほか、
お化粧もしないように、
シャンプーの香りも強くないように
といった注意事項があるほど、
品評会用のお茶畑に入るには制約があります。
お茶を摘む直前には、
お茶の葉を手で揉んで
手の脂をとります。

一芯二葉をつまんでは
ぴっと上に引っ張るような感じで
摘んでいきます。
やわらかいやわらかい黄緑色の葉が
myザルの中にたまると
畝をまわる兄さんの大きな籠に
回収されます。

去年は立派に葉が育っていて
摘んでも摘んでもまだまだウイウイしていました。
でも、今年はこの寒さで
茶摘みがとっても大変です。
探すように若い芽を摘んでいきます。
一芽一芽ほんとうに丁寧に摘むので
相当疲れてきても
なかなかザルがいっぱいになりません。

30~40人集まっていたでしょうか。
1ライン製茶機を動かすのには
最低35㎏~40㎏のお茶が必要です。
ということは、一人ノルマ1㎏!
がんばるぞ!
短い時間でわっと摘んで
わっと加工に移さなくてはなりません。

一生懸命摘む人、
集める人、
測る人、
日影に保管する人、
車で待機する人、
おやつを用意する人、
みんないいテンポです。

今日は「視点を変える」ということを
実体験しました。
もうここには摘み残しはない!と確信しても、
畝間に座ってみると
うじゃうじゃ新芽が残っているのが見えてきます。
「おー」とぶつぶつ感動しながら摘みました。

てのひらいっぱいの新芽は
30gでした。
これが製茶されると約5分の1になります。
市販する時にはもう一度火入れをしますから
もう少し軽くなりますね。
てのひらいっぱいのお茶は
ちょうど一人分のお茶の量(5g)のようです。