文屋

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■ヨハンナ・マルツィという細い直線の悲しみの虜になっている。

2008年08月28日 18時40分16秒 | 音楽
ヨハンナ・マルツィというヴァイオリニストが弾く
その切なさって、なんだろうか。
揺れていなくて、揺れていて
旋律の線が、まっすぐ細くて。
このヴァオリニストは、美しさに奉仕しながら
抑制する姿勢が、もう諦観なんだなあ。
1950年代の初めのころの音源なのに
どれも、びっくりするほど澄んでいる。
ずっと、ワルター・バリリの音が好きだったんだけど
この、水平にすっと伸びる悲しみは、もう
虜になります。
ぼくの生まれたころの音。
ぼくの幼時の音。





CDのジャケット写真だけど
いつもうっとりと眺める美しい人。
ジャクリーヌ・デュ・プレ
アンヌ・ケフェレック
ヨハンナ・マルツィ
キャスリーン・フェリア
エリザベート・シュワルツコップ
クララ・ハスキル
それから、美形ではないけど
うっとりするのが
タチアナ・ニコラーエワ。
この人たちが、楽器を提げて、楽譜をもって
旅をして、緊張しながら舞台に立っていた。
それをいつも思う。
ヨハンナ・マルツィのジャケット写真を
大きくコピーにして事務所に貼って眺めている。