TREK&RIDE

山と自転車!

大峯吉野で山岳行

2008-09-24 | 自転車
一度走ってみたかった吉野大峯の山々に行ってきました。
おおまかなコースは以下のとおりです。

川上村→洞川高原林道→五番関→洞川→行者還トンネル→洞川→小南峠→下市→吉野山→吉野大峯林道→洞川高原林道→川上村

9時12分。川上村をスタートして洞川高原林道に向かう。
序盤から、なかなかの急坂です。
ひっそりと集落の間を抜けて奥へ奥へと進んでゆくと、あっと驚く吉野杉の美林。
突然、異空間にシフトしたような感覚に陥りました。
高原川の渓谷も素晴らしく、渓流沿いの登山道をスイスイ歩いている感じがとても楽しい。

初めての道なので写真を撮りながらゆっくり走る。
吉野への分岐を過ぎて、森の中の大きな滝を眺め、もうひと頑張りで五番関。


10時20分。五番関。僕にとって一度訪ねたみたかった「吉野山岳」のシンボル。

洞川に下って母公堂にお参り。
自転車に戻って走り出そうとすると「自転車のひと、ちょっと休んでき」と声をかけてくださる。
お堂のお世話をされている方がコーヒーを淹れてくださり、煎餅とともにありがたくいただいた。

標高約800mの洞川温泉街はかなり寒い。
ウインドブレーカーを着ていてもレーパンでは身体が震える。


こんな宿なら一度泊まってみたいな~と思った

天川川合からR309をみたらい渓谷方面へ。


11時30分。時間があれば暫くじっとしていたい。


あっちにも、こっちにも、こんな美しい渓谷が。

あんまりゆっくりしてもいられない。先へ進もう。
んがっ!みたらい渓谷の先で「R309行者還トンネルの先崩土のため通行止」の看板。
ガーン!
実は当初の予定では行者還林道を越えて上北山から大台ケ原に上がるつもりでしたが、ここで行く手を阻まれた。
大台ケ原は諦めるとして、とりあえず行者還トンネルまで走れるので上がることにする。
しばらくは渓谷の流れを楽しみながら、そのうちダムが現れ山も深くなり暗い雰囲気。
上部は豪快な山岳コースで路面もやや荒れ気味となり、楽しい雰囲気ではなくなってくる。

照明のない真っ暗な行者還トンネルを抜けて、ちょっとだけ上北山側へ。


遥かなり大台ヶ原。この先通行止のため、ここで引き返し。12時25分。

再び暗闇のトンネルを口笛響かせながら戻って洞川へ一気に下る。
洞川に引き返して、これからのルート検討。
このまま五番関を上り返して川上村に戻ろうか…
それとも吉野山まで足を延ばそうか…

時刻は13時を回っているが、せっかく来たのだからと吉野山をめざす。
地図を携行していないためコースが分からないが、適当に看板を見て走ることに。
とりあえず、洞川から黒滝村に抜ける小南峠へ。


以前車で通った記憶を忘れていた。
そういえばとんでもない峠道だったってことを。

黒滝村から地蔵トンネルで下市へ。R169を吉野方面。
コンビ二でようやくハンバーガー1個を補給。ふらふら。
吉野まで5kmの看板に元気を得て走り出す。

ここからが試練の山岳道。
吉野山に上がったら柿の葉すし!柿の葉すし!と思いながら走る。
ところが夕暮れ時の通りはほぼ閉店。
時間も遅いし、店を探して立ち止まる暇も勿体ないのでそのまま走り抜ける。
金峯山寺門前の餅屋さんで草もちを3つ買いこんで、蔵王堂で一休み。


15時30分。金峯山寺蔵王堂。なんかちょっと感動。
隣のお婆さんに習って、すっと頭を下げた。

再び餅屋さんに駆け込んで草もち3つ追加。
「お茶でも飲んで休んで」と言って下さったので店内でいただく。
川上村へ抜ける吉野大峯林道を尋ねると、蔵王堂の横の道を進めばよいがかなりの登りなので大変だと言われる。
確か五番関下の分岐点まで14kmだったので、1時間も走れば着くだろうと読んで「とりあえず行ってみます」と残して出発。

延々続く売店のなかに営業中の柿の葉すし屋さんが数軒あったが、時間がないので通過。
通りのはずれで道が分かれて不明になったのでお店の方に「川上村はどちらか」尋ねる。
女性の店員さんは「はてな?」といった感じ。
店主の方が出てきて、「川上村?」と暫く考えて教えてくださったのは目の前に立ちはだかるありえない急坂。(これはちゃうやろと勝手に思っていた)
ところが…
店主曰く「そやけど兄ちゃん、今日これからは無理やで」
ぼく申す「15kmくらいやったら、1時間くらいで行けると思うので行ってみます」
ギアがローに入っていることをチラッと確認して「ありがとうございました」とお礼を述べて走り出す。

「う~、これキツイ~」というのも最初だけだろう、と思っていたが…
これが、このとんてもない激坂が、ここから果てしなく延々と続いた。
先日の大洞山なんてお上品なもの。こっちは相当えげつない。


16時07分。青息吐息で辿り着いた展望台。
スゴイのひと言が出ただけで、眺める余裕も時間もない。
写真1枚撮ってすぐ出発。

金峰神社に着くと、ここで川上村方面通行止の看板。
またまたガーン!
でも朝、川上村側から吉野方面の入り口には通行止の案内はなかったはずだ。
それにこの看板はどうも最近のものではない感じ。
ここまで来て引き返すにしても厳しい。
行けるとこまで行ってみて、最悪自転車担いで歩くことも覚悟して前進。
安易な判断が大事にならなければよいがと不安いっぱいだが、刻々と日没の時は迫る。

やがて道も下りになるだろうとの期待に反して延々続く上り。
地図が無いのは痛い。最高高度がどこまで達するのかも知らない。
走りながら、つくづく自分は弱い人間だなと思う。
何をそんなに怖気づいているのか…
ランドナーで走っていたころはナイトランなんて平気だったはずなのに。
峠で陽が落ちることもあったし、深夜に山間部を走ることもあった。
ある種の「感覚」が単調な日々の生活のなかで鈍くなってしまったとしたら、それは悲しいこと。
ただ、デリケートなロードバイクで野宿の装備も無い状況で動けなくなるのは辛い。
何かあったらとりあえずテントを張って夜を明かしてしまえばよいランドナーの旅とは違う。
とにかく「何事も無い」ことを祈って、ここは速く「下界」に下りなくちゃ。


16時49分。日没まであとわずかだが、標高1,000mを越えてまだ上り。

やがて道は稜線近くのトラバースとなった。
そして下り始め。
下って洞川高原林道分岐に出たときは「やった!戻った!」と声をあげた。

ここまでくれば川上村まで11kmの下りのみ。
あとばパンクなどのトラブルに遭わないように慎重にゆくだけだ。
スピードを出しすぎないように、時々タイヤ、リムをチェックしながら慎重に慎重に。

17時36分。川上村到着。
日没前、まだ明るいうちにゴールできてよかった。
吉野の道が予想以上にハードだったため、ギリギリになってしまった。
空身のロード走で山岳に入る時は無理はしないほうがいいですね、反省。

今日の記録
走行距離 123.8km
平均時速 18.5km
累積標高 2,480m+