ホリスティックライフ in 世田谷

都会の中の田舎に住み、ウキウキ、ワクワク楽しく暮らす。
キーワードは、ホリスティックライフ。

『足るを知る生き方』

2008-05-13 18:47:03 | 最近読んだ本
立川昭二『足るを知る生き方』(講談社)

サブタイトルは、「神沢杜口『翁草』に学ぶ」。
神沢杜口(かんざわとこう)は江戸時代中期、京に生きた自由人。
決して有名な人ではないが、『翁草』(おきなぐさ)という
200巻におよぶ壮大な著書が残っている。

京都の町奉行所に勤めるものの、40歳ごろ引退。
5人のうち、わずか1人生き残った娘の家族とも
一緒に暮らすことなく、妻に先立たれたあともひとり、
なにものにも執着することなく、転居を繰り返し、
歩くことを楽しみながらも著作に励む……。

若いころから、後半生を楽しみにしていた杜口は
よく養生し、趣味を楽しみ、気分転換をうまくしながら、
仕事を勤め上げる。

憂きも楽しきも自分の心次第であるから、
世間を責めることなく楽しく過ごせば
「心常に富貴なり」としている。

「人は気を養ふを、養生の第一とす」
「花を見て気を活するゆへにも脈も活せり」
「老いに慎み、老いに尊ぶ」

京に生きる人々のさまざまなエピソードを紹介し、
それにひと言加えたりしている。

どれを取っても、現代に生きる日本人も
しっかり耳を傾けたいメッセージである。
200年以上前に言っていることが
「その通り!」「鋭い!」と思えるのである。

いまも昔も、モノにとらわれ、肩書きにとらわれ、
お金にとらわれ、人にとらわれる人々……。

よくよく養生し、足るを知る生き方を実践し
楽しく生きた杜口は1795年86歳の生涯を閉じた。
コメント
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